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最近、ガラスを液体だと言っている人がいました。
その人が言うにはガラスは超高粘土の液体で、結晶化していないから、液体だと言っています。
では、熱した液状のガラスを冷やすと硬くなりますが、この状態変化は何でしょうか?

固体=結晶ではないはずですし、非晶質の高分子材料についてはどう説明できるのですか?

とにかく、硬いガラスを見て液体だというのは無茶な話ではないでしょうか。

詳しい方、教えてください。

A 回答 (15件中1~10件)

こんにちは。


私はガラス材料の研究をしております。ご質問の内容は非常に奥が深い部分ですので、私も完全に理解できていないと思いますし、うまく答えられるかどうか分かりませんが、お役に立てれば幸いです。

「ガラスは液体である」と言う場合は、前に何人かの方がお答えされているように、「構造論」的なお話です。つまり、結晶は液体状態から冷却されると、融点で規則的な構造に変化しますが、ガラスはいわゆる融点での粘性が高いため、規則的な構造へと変化できず、液体のような不規則な構造のまま冷却されます。このため、室温の「硬くなった」状態でも構造的には液体と同じランダムさを持つ(非晶質、アモルファス)、ということになります。

一方、質問者の方が言われている「硬い」という状態は、ガラスの「粘弾性(力が加わると徐々に変形し、力が抜けると徐々に元の形に戻る性質)」という問題になるかと思います。

ガラスの大きな特徴は、温度によって粘弾性の「時定数」が大きく変わることです。つまり、高温域では時定数が小さく、ほぼ「粘性体(液体)」と言っていい性質を示しますが、室温付近では時定数が非常に大きくなり、ほぼ「弾性体」と言っていい性質を示します(構造的には液体ですが、原子は自由に動けず、結合的には結晶と同じようなものになるため)。そして、我々が体験する時間のオーダーでその中間の挙動、つまり粘弾性的挙動を示す領域、これがいわゆる「ガラス転移領域」と言われるものです。

どなたかの回答で、「ガラスが数百年単位で変形する」というのがありましたが、これはまさにガラスの「粘弾性挙動」によるものだと思われます。室温付近では時定数が非常に大きいので、我々が体験する時間のオーダーでは何も変化が起きていないように見えますが、非常に長時間経つと変形が目に見えてきた、ということだと思います。
また、ガラスを暖めると水飴のように変形するのは、高温でガラスが「粘性体」としての挙動を示すようになるためです。

…うーん、上手くまとまっていないかもしれません。まだ疑問があるようでしたらお知らせ下さいませ。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。では、常温での観測時間的には分子の動きは凍結しており、固体ということもできるのでしょうか?いずれにしても単なる液体状態というのは違う気がしています。有難うございました。

お礼日時:2004/10/21 13:14

詳しくありません。


色々詳しい人たちが書き込んでいる中での書き込みは非常に気が引けたのですが、一般人の意見ということで。。。

長い時間をかければ流動する⇒
すごく長い時間をかけたときの挙動は液体
と言う論法だと理解しました。

液体って、割れませんよね。
水でも何でも、そのまま最後には復元しますよね。
ガラスも粉々になったものを容器に入れて何万年も放置すればまた自然にくっつくんでしょうか?
それであれば液体、といわれても納得できるような気がするんですが、、、
やっぱり割れるものは個体、という気がしてなりません。
学術用語ではなく、一般用語は少なくとも固体=割れる、というイメージでしょう。

キャラメルは液体でもいいけど飴(水飴じゃなく)は固体、みたいな。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

皆さん回答ありがとうございました。今回非常に勉強になりました。またおねがいします。

お礼日時:2004/10/22 10:33

普通の固体は、温度を上げていくと融点で急に流動性を持ちます。


それに対してガラスは温度を上げていくと連続的に流動性が増えていきます。
なので常温のガラスと高温のガラスの違いは、水とお湯の違いと同じものです。
実際、水よりお湯の方が流動性が高いですので、それが極端になったものと考えればいいでしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。連続的に流動性が増すということが、よくわかりました。

お礼日時:2004/10/22 10:30

ency さんのご説明に補足です



たとえば、マントルの対流を考えるときなんかは、岩石を数万年かけて流動する「液体」として扱ってるわけです。

ガラスも石と同様にケイ酸で出来てるし、似たような構造をしてるので、そういう気長な目で見れば「液体」なわけなんです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。例えが壮大なスケールになってきましたが、納得です。

お礼日時:2004/10/22 10:28

こんなページを見つけました。


(参考URLを参照ください)

その中の一節を抜粋します。
# 「物理学辞典 改訂版 1992 培風館」が出典のようです。

| 液体
| (中略)
| 局所的に短時間では粒子は固体に似た配列をとり、それがくずれて
| 別の固体的配置がまた形成されるものと考えられる。
| 事実、短い時間内に起きる現象では、液体も固体のようにふるまう。

この最後の文で言っている「時間」の部分がポイントとなるでしょう。何名かの「ガラスは液体」の説明も、数百年というスパンで時間を考えているのだと思います。そう考えれば、ガラスも「液体」というのは正しいことになります。
このようにガラスそのものの「構造」や「性質」といった視点で見る場合には、「液体」としたほうが都合が良いのでしょう。

しかし、私たちが生きている時間は数百年などという長いものではありませんから、ガラスが「液体」と言われてもピンとこないのかもしれません。一般的に構造物として考える場合には、当然「固体と同等」のものとして扱うわけですから。

「固体」「液体」「気体」の三態の定義は決まってしまっているため、ガラスをそれに無理やり当てはめようとした場合、「粘性の大きい液体」とすると、何かと都合がよかったのだと思います。
# 普通の液体と違うという認識があるために、「非晶質」という
# 「結晶化していない固体 (のようなもの)」という言葉もある
# のでしょうし。。。


このようになんでもかんでも一つの枠でくくろうとすると、逆にわかりにくくなることは結構あると思います。
「ガラスは液体」も、その一つだと思えばよいのではないでしょうか。

参考URL:http://iwao-otsuka.com/doc/wdsdic1.htm
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この回答へのお礼

ありがとうございます。液体の定義がよく判りました。人間の測定時間においては分子は凍結状態だといえるとおもいます。
ただ、やはり溶融状態のガラスと固まったガラスは同じ液体ではないと思います。
あと、ついでにガラスが割れるというのはどういう現象なのでしょうか?

とりあえず参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2004/10/21 23:23

良いアドバイスをいただきました。

(^_^;)

これこそ正に「液体→液状→流動体」の定義をあてはめたものです。

全体があたかも「液体のようになった→流動化した」から、液状化現象というのです。

土本体はあくまで固体です。
「全体として流動体となった」から「液状化した」というのです。
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そうです。


無茶な話です。

液体:液状のもの→流動するもの

これが常識です。あたりまえの話です。

物理的な解析を行うとき(結晶学的に見て),「ガラスは液体だ」というのは、
一般概念から離れたごく一部の世界で必要な解釈です。
ガラス=固体というのは、この世の99.9%で通用する解釈です。

こんな分かりきったことに、長々と書き込む人たちの気がしれません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。専門的な回答じゃないですが何故か的を得ていますね。もう締め切りたい気分になってきましたが、まだ詳しい方がいましたらお願いします。

お礼日時:2004/10/21 19:53

こ‐たい【固体】


--------------------------------------------------------------------------------

物質が示す三つの状態の一。一般的には、一定の形と体積とを保ち、外から加えられる力に抵抗する性質をもっている物体。→液体 →気体
---------------------------------------------------------------------------------

固体ではなくても水は「固体化する」という表現も出来ますね。水は条件なしで「流すと流れるもの」=液体ですよね。
ガラスは常に流れているのでしょうか?だとしたら液体ですね。でも、「高熱を加えると」などの条件付で流れるというのならそれは「液体に変化する」という方がピンと来るのですが…。
あれ?じゃあ水はもしかして気体なんですか?(と訳のわからない事を言ってみる)
太陽くらいの熱で気体になってしまいますもんね~…。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。高熱を加えると流体になるところが、気になりますね。

お礼日時:2004/10/21 18:30

neorolling55さんは、どこかで、水泳の飛び込み台の


一番上から飛び降りたときの水は、コンクリートと同じ
固さ(「硬さ」ではありません。)だと聞いたことは
ないでしょうか? この話は実際の話で、正確には
覚えてませんが、確かコンクリートよりも固くなった
はずです。もっと身近に体験するなら、風呂桶に水を
はって、その水面を思いっきりたたきつけてみて
ください。おそらくあなたの手は水面から下に入って
いかないでしょう。このときの水は、neorolling55さん
の定義からいけば、固体になるはずですね。
なんか不思議な感じがしませんか? 同じ水をみている
のに、ゆっくり手をつけたときは液体で、激しくたたき
つけたときは固体になるということですよね。

水は液体? それとも固体?

でも、水を固体という人はほとんどいないように思います。

この不思議な現象は、水分子の動くスピードと実際に
起こっている現象(今の場合、手で水面をたたきつけること)
の時間の長さによって決まります。液体といっても、
水分子(あるいはその集団)が動かなければ、流れる
ことはできません。それよりも速い時間感覚からみれば
水は流れない とみえるはずです。
同じことが、ガラスにも言えます。無機ガラス、
有機ガラス(非晶性高分子を含む)の種類によらず、
ガラスというのは、非常にゆっくりと流れます。
それこそ、数年から数千年単位でゆっくりと流れています。
そんなゆっくりとした流れしかできないとはいえ、
実際にガラスは「流れる」ことが、実験的に確かめ
られています。No.6の方が書いておられるステンド
グラスのこともその一例です。
No.8の方が書いておられる「液体」の国民的定義、
「一定の体積をもつが、流動性があり、どのような形の器にも入るもの。」
に照らし合わせてみても、ガラスは液体であるという方が、
ガラスは固体であるというより正しいという結論に
なるわけですね。

蛇足ですが、「硬さ」は主に宝石などの結晶性物質の
硬度を表すときに用いられる言葉ですね。一般的には
こちらの文字が使われることが多いようですが、
専門家の中では、ガラスのような物質に対しては、
物質が固体に近いかどうかという意味合いを含む、
「固さ」を用いるのが普通です。
「固さ」と「硬さ」では、測定する物理量が全く
違います。一般的な感覚の硬さに対応するのは、
「固さ」のほうです。
この言葉の使い分けをしていることからも、専門家は
ガラスを液体としてみているのがわかるかと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。例えがよく分かりました。いずれにしても、
高温で液体になっているのとガラス状態に固化している状態では、違う状態だとおもいます。同じ温度と同じ圧力で、同じ素材が全く違う性質を示すのなら、状態が変化していると思うのですが。ガラスを単に液体と呼ぶにはまだ抵抗があります。
回答の定義に当てはめるとPET(ペットボトル)も液体状態だと言えるのでしょうか?
何やら興味が増してきました。有難うございます。

お礼日時:2004/10/21 13:29

国語の辞書には以下のように出ていました。



えき‐たい 【液体】
物質が示す状態の一。一定の体積をもつが、流動性があり、どのような形の器にも入るもの。

少なくとも、国語的な意味では「ガラスは液体だ」とは言えないと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。感覚的な定義では液体には属さないようですね。

お礼日時:2004/10/21 13:07

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