No.1ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
HPLC分析は追っていくと奥が非常に深く、難しいものです。簡単なところから解説しましょう。まず、1)空気のピーク:これは通常溶存酸素と呼ばれ、分析においてはもろに影響します.ですから、様々なメーカーの機器でもデガッサーと呼ばれる除去装置が付いていますが、基本的には移動相は脱気して使用します。それでも、やはり感度を上げ、ノイズ拡大しますとわかります。特に水がリッチの場合は十分な脱気が必要です。しかし、飛び易い有機溶媒が入っている場合は、ただ長時間脱気しますと移動相の組成そのものに変化をきたしますので注意が必要です。この溶存酸素問題の解決には各メーカーでの大きな改良ポイントとなっているのは事実です。
2)溶媒のピーク:これは溶媒によって異なりますが、例えば極微量ながらもNaOH水溶液なんかが入っていると最初の方にいびつで鋭利なピークが検出されますが、分析したいピークに重ならなければ、溶媒由来のピークとして処理出来ますので、問題はありません。
3)保持時間が短いピーク!?:これは、おそらくインジェクションノイズと呼ばれ、ニードルがサンプル溶液を吸った際に発生する機器由来の初期制動を示すものです。ただ、これは分析時間サンプル吸引速度にも由来しますが、おおよそ2~3分付近に現れます。形としては特徴があり、ほぼ一旦鋭利なピーク後ベースラインより下がって、再びベースラインに戻る感じです。
4)サンプル注入量等:これはやってみなくてはわかりませんが、5,10,20uLが主流ですが、機器によっては100uLと多いのが主流の機器もあります。当然、同じ感度で見た場合、注入が多いとピークも大きくなります。注入量に関してはまず、機器に最もオーソドックスな値で行い、大事なのはサンプル吸引速度で溶媒に粘度がある場合は、吸引速度をゆっくり設定しないとちゃんと吸えずに、場合によってはエアーを噛んでしまう場合も…。通常ですと、例えば注入量を10uLとした場合、吸引速度は10~20uL/minで1分以内にインジェクションが終了するように設定しますが、こればかりは何度か設定してみないとわかりません。
5)感度設定:これは設定可能な機器とそうでない機器があり、AUまたはmAU…etc.色々と記載しましたが、確実に使用する種類の機器メーカーがわかればもっと詳細な回答が出来るかと思います。では、頑張ってみて下さい。
この回答へのお礼
お礼日時:2004/11/14 15:13
ご回答大変有難うございます。
3)インジェクションノイズとありますが、2分に現れるピークはおっしゃるとおり、一旦鋭利なピーク後ベースラインより下がって、再びベースラインに戻る感じです。このインジェクションをノイズはどうやって防げばいいのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
横レスですが。
インジェクションノイズを完全に除去することは
#2さんのおっしゃるとおり難しいですが、
打ち込む液相を、移動相と同じ組成にすることで
減少させられる場合があります。
つまり、定性・定量する試料を50%メタノール溶液にしてみる。
可能であれば試してみてください。
また、移動相の脱気ですが、デガッサーを使うには
初期投資をしなくては行けませんが、
それがなくても以下でも可能です。
・ヘリウムパージによる脱気
・超音波吸引脱気
メタノールと水を合わせると気泡が発生しやすいので、
あらかじめ50%メタノールを作成して
脱気した後にHPLCにセットすると尚良いと思います。
あと、UV検出器は感度を調節できませんので
せいぜいランプは新しい物を使うくらいで、
後は打ち込み量を多くするしかありません。
サンプルループとサンプラーのシリンジを
大容量に変えられるのなら、変えてみるのが一番です。
メーカーに問い合わせてみて下さい。
ご参考まで。
No.2
- 回答日時:
こんばんは.再度解説させて頂きます.
インジェクションノイズは基本的には機械ノイズですので妨げ出来ませんし、全く同じ種類の機器でも使用頻度によってノイズの大きさは様々なんですヨ!少しでも減らしたいとしてもメンテ不可な機器もあります…例えばですが島津のHPLCであればほぼメンテ可能です.その他としては、濃度の濃いターゲットピークに合わせて、スケールを大きくすれば見えなくはなるでしょうが…これでは、その他の小さなピークも見えなくなってしまいますのであまりお勧め出来ません.いずれにせよ、分析には何ら影響はしませんのでご安心下さい.しかし、どうしてもインジェクションノイズ付近でターゲットピークが出てしまうのであれば、機器を全く違う種にするか、カラム&移動相を替えるか…ですね.
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