幼稚園時代「何組」でしたか?

疑問に思っていたことがありまして。例えば、
足の遅い(運動の出来ない)家系の人が、ずっと運動ができませんでしたが、
20歳を過ぎてから運動に目覚め、日本代表が噂されるくらいに足が速くなったとします。
結婚して、25歳で子供ができた場合、子供に受け継がれるのは、
子供ができた25歳の時点の情報でしょうか?
後天的に獲得した(失った)能力は、子供に影響しますか?

A 回答 (6件)

こんにちは。

ちょっと悩ましい問題ですよね。
遺伝について、近年でもいろいろ研究が進んで、いろいろな説や現象が報告されているので、あまり単純に説明することは問題があるほか、私自身も自信のない点もあるのですが、あえて、最も基本的な説(まあ、定説)について説明してみましょう。
ポイントは、「特性を遺伝させるのは基本的には2段階。親が胎児のときと、子の受精直後。結局それ故に、トンビが努力してもタカは生まれない(涙)」

親の家系はもともと走るのが遅かったとしても、親自身が努力して走るのが速くなったなら、その子にはぜひ、足の速い遺伝子を与えてあげたい・・・と思うのは当然の親心でしょう。
最近は新しい研究もあり、そのような可能性が完全に否定されているわけではないようですが、実のところ、次のように基本的な原理からはかなり「残念な」状況にあるようです。

① 子に引き継ぐべき親の遺伝子は、努力以前に「金庫」に封印される。
 子に引き継ぐべき親の遺伝子。とても大切ですよね。
 そう、とても大切で、酵素や細菌の攻撃で書き換えられては困るので、実は、親が生まれる前に、「金庫」にしまっておきます。これが、「卵原細胞」、「精原細胞」で、親が胎児のときに(!)体の中でも最も環境の影響を受けにくいシステムの中に組み込まれます。・・・したがって、「努力」の影響も受けにくい・・・(泣)
② 発現しやすい遺伝子は受精直後に決定。しかし、ランダム・・・。
 人間は23組46本の染色体を持つことはご存知でしょう。受精の際には、父母から23本ずつ受け継ぎますが、子の染色体は、例えば染色体A1が父でA2が母という単純でなく、「交叉」が起きます。A1は30%が父、A2は70%父・・・となり、それも、細かい位置はかなり複雑に入れ替えられるそうです。
 その結果、例えば母から、染色体A1に足の速い(高速で動く筋肉)遺伝子をもらったとしても、その遺伝子の直前の「読取開始記号配列」が「日常は読み取らず、非常時のみ」となってしまっていると、A2上で父からもらった「日常で読み取る」との開始記号配列がついた「低速で動く筋肉」の読取が優先されることになり、子は「足が早くならない」ことになります。
 このような交叉は、努力とは無関係にランダムに起こるようで、人類は現在、それを制御できない状況のようです((父親似と母親似が選べない原理ですね。笑)

ということで、基本的には生まれてからの努力や環境は、子の遺伝子に影響しない・・・というのが基本原理ですが、一方、最近の研究では、後天的な(生まれてからの)環境は子にまったく遺伝しない・・というわけではないこともわかってきました。
「エピジェネティック」という考え方で、親の経験した現象に対して子が有利な体質を持つ・・・という意味ではご質問の趣旨に合っているようではあります。
 それでも、現段階では、これは、次のような点から「足が速くなる」ような複雑な点では子供に影響するものではないと考えられています。
○ 遺伝子配列が変わるわけでなく、読取方法(染色体の折りたたみや読取開始のタイミング)が変わるだけ。
○ それも、栄養失調や酸素不足、特定の毒物反応等、きわめて危険な状況への対応のみ。
○ したがって、「練習している本人には遺伝子の読みとり方法」に影響があるかもしれないが、次の世代への受け渡しとなると、特に極端な環境変化のみではないか。
(筋肉内の遺伝子に酸素不足に耐えられる遺伝子が含まれつつも稀にしか読み取られなかった場合でも、練習により筋肉がひんぱんに酸素不足になると、筋肉細胞が増殖する際に酸素不足に耐えられる読み取り方をした細胞のみが増殖できるという淘汰も期待できるだろう。しかし、そのメカニズムも卵原細胞等には届きにくく、届いたとしても特に極端な場合のみに限られるようだ・・・)

で、結局、「進化とは、親の生存環境が子に遺伝するのではなく、親が適用できずに生き残れたかどうかが主な要素・・・」という「定説」は今でも主流のようです。

さてさて、すっかり長くなってしまった上に、あまり楽しい回答ではなですがいかがでしょうか。
お役に立てば幸いです。
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この回答へのお礼

講義を受けているようで、ここまで丁寧なご回答、ありがとうございます。
足の速い遺伝子を受け継いでも、能力を引き出せる状況が「非常時のみ」といった
そこまで詳しい情報を受け継ぐのか、しかも考えられないくらい沢山のパターンでと考えると、
もはや子供の能力は遺伝どうこうを考えるのは無駄かなと思いました。

子供が受け継いだ能力をどう引き出せるかを考えた方が、圧倒的にいいなと思いました。
親とどう過ごすか、学校や生活での経験でどう過ごすか。
その為にも子供の成長に支障がでないように親がちゃんとしてた方が生存率や
その後の末永い継承に繋がる。と言うことですね。いま、育児真っ最中です。がんばります。

よく、近所からこの子のここは父親似、こっちは母親似って言われて、
気にしてもらえて嬉しい反面、似ているという根拠が薄いけど、社交辞令だからあわせなきゃって。
根拠が気になっていました。後天的な要素は、希薄なので、そこは親の生活習慣に
由来するのかなって。

お礼日時:2018/11/28 18:53

後天的能力も少しは影響するらしいということが分ってきましたが、非常に面倒なのと影響が残りやすいものとそうでないものがありそうだという程度しか分っていません。


それにそれはショウジョウバエなどのデータで人類については何も分っていないと言っていいです。
基本的には母胎内で新生児になるまでの間に既に生殖細胞は生殖器の位置へ集まってしまうことが知られているので、産まれたあとの影響はほとんど無く、新生児の最大の問題は母胎内で起きます。
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私は50を過ぎてから興味本位で遺伝子検査を受けました。


検査で判別できるのは速筋型と遅筋型の2種類です。
私は速筋型との診断でした。
つまり瞬発力には優れているものの、筋肉の縮む速度が速いために持久戦には向かないことになりますが、私は学生時代中距離ランナーでした。
子供の頃から運動会には1年生から6年生まで紅白対抗リレーの走者に選ばれてきましたが、放課後はサッカーチームにも参加していたのです。
よって速筋型の私に持久力がついたのは訓練の賜物だったと言えるかと存じます。
しかし今回の質問は逆のケースですよね?
残念ながら遅筋型が速筋型になることは遺伝子学的に不可能なんだそうですよ。
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25歳で子供ができた場合、子供に受け継がれるのは、


子供ができた25歳の時点の情報でしょうか?

25歳で子供ができた場合、子供に受け継がれるのは
子供ができた25歳の時点の情報とパートナーの情報です。
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運動をしたら能力が開花する可能性がある、という部分が遺伝するかもしれないです。


10歳で運動に目覚めたら小学生でも目覚ましい記録を出すかもしれないです。

高学力の親から生まれた子だって、頭のいいまま誕生するわけじゃないでしょ。
勉強しなきゃ頭も良くなりません。
勉強したら好成績を収める可能性がある、という部分が遺伝するかもしれない、ですね。
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運動に目覚め代表になる人は、もともと遺伝的にその素質があったと考えて良いと思います。


遺伝子は成長過程では変化しないですよ。
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