忠臣蔵シーズン(?)ですね。
前々から疑問で、こちらで検索もしたのですが今いちピンと来なかったので、質問させてください。
大石内蔵助は筆頭家老ですから、たぶん赤穂城内で一番上の役職なのでしょうが、ほかの四十七士は、さっと見た感じで「馬廻」という役職が多いんです。
そのほかにも、今風で言うと重役クラス(?)みたいな役職の方はおられないような気がします。
1.馬廻とはどんな役職なのか、またその他の役職についても、彼らは、どの程度の役職についていたのか。
2.他の家老(重役?)は仇討ちに参加せず、浪人となってしまったのか、それともどこかにお抱えになったのか。
3.仇討ちに参加しなかった赤穂浪士は、不遇な人生(?)を送ったのではないか?
長々と書きましたが、よろしくお願いします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
あたりまえの話ですが藩は会社ではありません。
現在のように首脳部が合議制になっているわけでもありませんので、そもそも現代の重役にきちんと対応する職があるわけではありません。いちばん近いのは家老職(数名)です。これに次ぐのが中老職。江戸時代前期だと両者を区別せずに家老と称することのほうが多かったと思いますが、彼らが執行部として藩主に責任を負う合議制を敷いていたところが多いようです。赤穂浪士の特徴はここらあたりがすっかり抜けているところにあるわけですが、よく考えてみれば第一に家老というのはもとの人数が少ない。大石一名参加しただけで参加率2割か3割になるはずですから47/300から言えばそれほど不自然でもないでしょう。第二に家老というのは身分のある人が多い。あんまり血なまぐさいことが得意じゃないのではないか、という想像は容易につきます。
さらに議題が広範囲にわたる場合には、以上のほかに、番頭(戦時にまとまった員数の舞台を率いる責任者。士分の頭と足軽の頭があり、後者が格下。組頭ということもある。奥野将監というのが途中まで参加していましたが脱落しました)、組頭(各部署の責任者。たとえば小姓組の組頭が片岡源五右衛門)、大目付(赤穂浪士では間瀬久太夫)、農政および農村部行政の責任者(通常は郡代。又は郡奉行。吉田又左衛門)、町奉行、勘定方の責任者(通常は勘定奉行)などが会議に出席することもあります。以上のほかに高役となると各地の留守居役(特に江戸)、それから藩主の秘書ともいうべき側用人なのでしょう。
藩というのは基本的に「戦争のための組織」であり、それがたまたま時代が平和であるために行政組織も兼ねているのにすぎません。当然、戦争のためには人数が多いほうがよく、行政にはそれほど手数がかかりませんから、平和な時代の武士は人が余ります。そういう連中をとりあえず一まとめにしておくのが馬廻です。戦時には文字通り藩主の馬廻をかためる親衛隊で、戦場で功績を立てる機会も多く、武勇に優れた一騎がけの武士が多いのですが、時代が平和になると仕事もなく、一朝有事に備える以外には特にすることがありません。
有能な人は馬廻組であってもほかの実質的な仕事の責任者に抜擢されることがあり、本籍を馬廻におきつつそのほかの仕事を兼任することもあるのですが、それ以外はお城に三日に一遍のぼって倉庫番をしたり、無用に詰め所に缶詰にされたりと、じつにひまな仕事であるといえます。ただ、ほかの勘定組(会計)や祐筆組(文書処理)、郷方(農政と地方行政)、普請方(土木)などから比べると身分ははるかに上ですから、藩主側近に仕える近習組(小姓組)と並ぶエリートであり、努力しだいではいくらでも役職を経験することができます。家柄の問題もありますが、組頭や大目付、側用人などは彼らが任命されることが多く、江戸も後期になるとさらに中老から家老へと出世する道もひらかれていました。
要するにあらゆる意味で人材をプールしておくことを目的として、身分はあるけど仕事のない役職が馬廻だとお考えください。
2・3については真偽入混じってはっきりしたことはよくわかりません。しかし浪人になったというだけで当時の武士にとっては十分に不遇な人生であったと思います。ほかの藩に抱えられた人もいたのでしょうが、時代は各藩の財政がきびしくなってゆく時期ですのであまり多くはなかったのではないかと思います。
詳しいご説明ありがとうございました。
>そもそも現代の重役にきちんと対応する職があるわけではありません。
書き方が悪かったですね。それは承知しています。ただ、大石以外は、それほど高い身分の家来ではなかったのではないか、と。そういうことを書きたかったのです。
>赤穂浪士の特徴はここらあたりがすっかり抜けているところにあるわけですが
あんまり身分の高くない人たちが、決行してしまったのかと思って、その中で大石一人だけが家老職だったので、なんか彼だけ異質な感じがしたんです。
>藩というのは基本的に「戦争のための組織」であり、それがたまたま時代が平和であるために行政組織も兼ねているのにすぎません。
なるほど。
馬廻とは、その、暇な時は暇な仕事だったのでしょうが、いざ鎌倉みたいな場合は、陣頭指揮をとっていたのかもしれませんね。
>要するにあらゆる意味で人材をプールしておくことを目的として、身分はあるけど仕事のない役職が馬廻だとお考えください。
それほど低い地位でもなかったのですね。
(人材派遣の会社を少し思い出しました)
私はてっきり、決行した人たちは、あまり高い地位の人たちではなかったのか、と思っていました。
>しかし浪人になったというだけで当時の武士にとっては十分に不遇な人生であったと思います。
そうですね。「峠の群像」でもそんな話が書いてあったような気がします。
No.2
- 回答日時:
>彼ら4人は重役のほうだったのですか?
赤穂浅野家は五万石の小藩ですから、知行二百石だと上級武士です。ただ重役(御用部屋クラス?)と呼ぶほどではないと思います。
他に家老として、大野九郎兵衛・安井彦右衛門・藤井又左衛門などがいたようですが、いずれも討ち入りには参加していません。その後の消息については定かではありませんが、いずれにせよ不遇な生涯だったのではないでしょうか?
岡林杢之助などは、討ち入りに参加しなかった事を兄弟に咎められ、切腹させられたようです。
参考URL:http://members.jcom.home.ne.jp/miloue/akou-roush …
そこまでは重役クラスではなかったのですね。
今風に言うと、中小会社の専務とか、そんな感じでしょうか?
それからすると大石内蔵助以外は、もっともっと下だったわけですよね。
No.1
- 回答日時:
私も忠臣蔵は大好きです。
大石内蔵助は、義士の中で、石高・役職とも群を抜いています。
大石内蔵助(国家老上席(筆頭家老))1500石
赤穂藩全体で5万石ですから、一人で1500石もらっていたというのは、大変なことです。
他は、討入りに参加した幹部クラスでも、
原惣右衛門(足軽頭)300石
吉田忠左衛門(足軽頭・郡奉行)200石+役料50石
片岡源五右衛門(側用人・児小姓頭)350石
小野寺十内(京都留守居役)150石+役料70石
といったところです。
赤穂義士の大半は、100~200石くらいの人だったようです。
もっと身分の低い人では、
三村次郎左衛門(酒奉行・台所役)7石、2人扶持
寺坂吉右衛門(足軽)3両2分、2人扶持
これを見ると、同じ赤穂藩士と言っても、貧富の差が大きかったんですね。
むしろ脱盟した人に、身分や石高の高い人が多いようです。
夜逃げして悪名を残した大野九郎兵衛などは、その筆頭でしょう。
大野九郎兵衛(城代家老)650石
それから、大石主税など若い人は、ほとんど「部屋住み」です。つまり無役で、父親の扶養家族ということです。
馬周りというのは、言わば殿様の護衛兼秘書のようなものだと思いますが、詳しいことはわかりません。
「忠臣蔵四十七士全名鑑」(財団法人中央義士会偏監修、駿台曜曜社)という本に、いろんな話が載っています。
>原惣右衛門(足軽頭)300石 以下省略(失礼)
彼ら4人は重役のほうだったのですか?
幹部クラスということですが、結構上位の方たちだったのですか?
>馬周りというのは、言わば殿様の護衛兼秘書のようなものだと思いますが、
なるほど。
2と3に関しては、どうでしょうか?
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