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サウジアラビアと中国の貿易で特色なところを教えてください。

A 回答 (2件)

サウジも中国もアメリカとの関係が悪いので


孤立気味でお互いに急接近しています
サウジアラビアの貿易相手は輸出も輸入も中国が最大です
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サウジアラビアは冷戦時代からのアメリカの同盟国ですが、ここに来て中国に急接近しています。

 サウジアラビアの輸出先は日本が1位で中国が2位ですが、輸入相手先は中国が1位でアメリカが2位です。 
 サウジが中国に接近している理由は3つありますが、第一の理由は国際的な孤立を避けることです。 サウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害事件後、サウジは国際的な非難にさらされてきました。 特に、表現の自由や人権を重視する欧米諸国からの批判は強く、その世論に押されて、事件後サウジで開催された国際投資会議では、欧米企業の経営陣の欠席が相次ぎました。 こうした背景のもと、欧米諸国ほどこの問題に熱心でない、人権抑圧では同じ穴の狢の中国にサウジが目を向けたことは不思議ではありません。 この状況は、天安門事件(1989)の後、西側先進国から経済制裁を敷かれ、国際的な孤立に直面した中国が(国連で多数派を占める)開発途上国との関係強化に向かったことに近いといえます。
 とりわけ、「一帯一路」を活性化したい中国と接近することは、サウジにとって、欧米諸国からの投資の減少を補う効果を期待できる点でも重要とみられます。

第二の理由は、中国に接近することで、アメリカに圧力を加えることです。 
トランプ大統領は歴代のアメリカ大統領のなかでもサウジアラビアとの関係を重視しています。そのため、カショギ事件に関してもムハンマド皇太子を擁護し続けてきました。 しかし、アメリカ国内ではもともとアルカイダなどイスラーム過激派とサウジアラビア政府の結びつきへの警戒があります。さらに、専制君主制のもとで人権が制約されることへの拒絶反応もあります。とりわけ、厳格なイスラーム体制のもと、女性の社会進出が制限されることへの批判は根深いものです。
 この背景のもと、カショギ事件が引き金となって、連邦議会では民主党だけでなく共和党の間からも、サウジアラビアとの関係見直し、とりわけ武器輸出のキャンセルを主張する声が強くなりました。
 アメリカの外交は大統領の専管事項と思われがちですが、実際には議会が大統領にブレーキをかけたり、逆に後押しする法律を作ることは珍しくありません(例えば、かつての日米貿易摩擦を主導したのは大統領よりむしろ議会でした)。

 この点で注目すべきは、サウジ政府が駐アメリカ大使にリーマ王女を任命したことです。リーマ王女は長く駐アメリカ大使を務めたバンダル・ビン・スルタン王子の娘で、アメリカ政界に太いパイプを持ちます。とはいえ、サウジアラビアの大使に女性が就任するのは初めてのことで、このタイミングでのリーマ王女の起用は、「サウジが変わった」というPR効果を意識したものとみてよいでしょう。

 このような懐柔策を用いる一方で、サウジが中国に接近することは、中国への警戒感では共和党に劣らない民主党にも「あまりサウジを追い込みすぎるとまずい」と思わせる手段となります。その場合、アメリカはカショギ事件をうやむやにしやすくなるでしょう。

 サウジが中国に急接近する第三の理由として、中東での権力闘争を有利に運ぶことがあげられます。
 サウジにとっての宿敵はイランですが、最近ではトルコとの対立も目立ちます。サウジはこれら両国と、シリア内戦やカタール断交をめぐってつばぜり合いを演じてきました(カショギ事件の究明にトルコ政府が熱心なのはこの延長線上にある)が、この構図のなかで中国とサウジは決して友好的な関係にはありませんでした。
今、アメリカはイラン核合意を破棄して、イランへの締め付けを強化しています。そして、トルコがカショギ事件をテコにサウジを追い詰めようとしています。
 このタイミングで、サウジアが中国に接近したことにより、中国はこれまでの中東政策を微調整する必要に迫られています。言い換えると、サウジは中国にとって優先度の高い「一帯一路」を承認することで、中国のイランやトルコへのバックアップを減らそうとしているのです。
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