No.7ベストアンサー
- 回答日時:
ニュートンのプリンキピアは、ユークリッドの幾何学原論に倣って書かれたとのことです。
そこに記された「(1.) 運動の変化は加えられた起動力に比例し,かつその力が働いている直線の方向に沿って行われる。(2.) 運動の量は、速度と物質の積で計られる 」が、彼が行った全ての解析の基になりました。この内容はニュートン力学の公理に当たるものなので、ニュートンは証明されるものと考えてなかったと思います。(証明は出来ないが正しいものとする論理の出発点が公理です)もっとも、プリンキピアには運動量とエネルギーに当たる言葉は出てきません。それらの規定や有名なF=mα式は、ヨーロッパ大陸の科学者が何十年もかけて体系化したものです。その完成した古典力学においても、F=mα式や質量mが公理のように扱われる点で基本的に変わりませんでした。したがって、”F=mα式は証明できない”と考えます。
しかしながら、力学に力Fの定義が本質的に必要なのか検討する価値があると思います。なぜなら、量子力学では運動量(h/λ), エネルギー(hν), 角運動量(h/2π)ほどの重要な意味を力Fが持ってないからです。例えば、電磁量子力学では力Fは仮想光子が有する運動量のやり取りと見なすので、ことさら力Fを改めて規定する必要はありません。
そもそも、力学は運動量とエネルギーそして角運動量を決定することが主要な課題と言えます。力はその過程で重要な働きをすることはあっても、力自体が決定的な意味を有することは少ないと思います。
このため、独立な3ヶの物理量である運動量p, エネルギーE, 角運動量Lに対応した3ヶの式が力学には必要になります。例えば、ニュートン力学では次の3式が重要になります。
p= ∫F dt (1) (= m v)
E= ∫F dx (2) (= m v^2/2)
L= r x p (3)
そして、運動量p (1式)とエネルギーE (2式)の中のFとして次の(4式)が用意されてます。
F = m d^2 x/ dt^2 (4) 中間パラメータ?
これら4式をまとめてニュートン力学の公理と言えると思います。
この力Fは、運動量を得る為には時間積分すれば良く, そしてエネルギーを得る為には空間積分すれば良い被積分関数と見なすことも出来ます。それは甚だ無責任のようですが、mを具体的に定めないまま(4式)を用いる従来からの慣例は実質的にそのように扱っていると言えます。この式から(1式)や(2式)を使って運動量pやエネルギーEが簡単に導くことが出来るので大変便利で目立ちますが、運動量pとエネルギーEを規定する(1式)と(2式)の方が一層重要であると思います。
結局、(4式)のような関数Fを設定すると(1式)から(3式)で計算した運動量(m v), エネルギー(m v^2/2), 角運動量(r x p)が矛盾なく整合する理論体系(つまり力学)が構成できると云うのがニュートン力学です。その際、(1式)から(3式)が整合するために、F=mα (4式)が言わば便宜的に必要になっているように思います。F=mαは上記のように考えるのが妥当ではないでしょうか。
なお上記の考え方では、質量mに特別な意味を持たす必要はなく、精々運動量pと速度vの比率(m=p/v)と考えればよいと思います。そうれば、光子の質量も通常の粒子と同じ土俵で説明できます。
ちなみに、量子力学は次の3式が基本になってます。これらの式は全てプランク定数hを含んでますが、hは”作用”という意味を持ってます。そして、角運動量Lは物質波が有する旋回能力が1回転当たりh/2πの”作用”であり、運動量pは物質波の1波長当たり有する”作用”で、エネルギーEはその単位時間当たり積算される”作用”量と解釈することが出来ると、私は考えます。つまり、これらの式は、天下り的な定義でなく式自体に意味があります。
p = h/λ
E = hν
L = h/2π
なお、ニュートン力学は次の(a), (b), (c)の3式を公理とした方が見通しが良くなると、私は考えます。
m ≡ p / v (a) : 質量の定義.
(運動量p=h/λは定義不要の物理量と見なす)
E = ∫(dp/dt) dx (b) : エネルギーの定義.
L = r x p (c)
力Fは便宜的なパラメータに過ぎないのだが、敢えて規定すれば(d式)となります。
F ≡ dp/dt = dE/dx (d) : 力Fの定義.
(力は単なる中間パラメータと見なし得る)
これらの式では、m vをh/λと置き換えれば(a), (b)は量子力学と整合し得ますが、(c)の角運動量については量子力学のそれとは全く異なる物理量となります。古典力学と量子力学では、角運動量Lの意味に決定的な差があるのです。
(注意: 特殊相対性理論では運動エネルギーに加えて質量起因のエネルギーを考えねばなりません。それと同様に、物質波にも運動成分と質量成分があって、それぞれの波長λがあります。上記文章中の波長λは、全て運動成分波の波長を指してます)
No.6
- 回答日時:
証明などありません。
物理は、世の中の現象を、よりシンプルなモデルで記述し、モデル化し、現象を解明する学問です。ここが重要で。過去の理論を別解釈で掘り返す人がいますが、大半は無意味です。過去の説明よりシンプルな原理から導けた場合にのみ有効になります。さて、F=ma は、ものに力を加えると、質量に比例した度合いで、加速するよ・・・という意味で、こう考えるとうまく現象が説明できるってことです。ニュートン力学の基礎方程式ですね。
ただ、この方程式だけが、普遍的記述かと言えば違います。実は場の理論を応用して導くことができます。これは、場に作用というものを考え、その作用が最小になるように運動は決まる・・・という原理を考えると、導くことができるのです。この形式を使えば、実は古典力学も、量子論も、電磁気学も、同じ理論形式で基礎方程式を導くことができます。そういう意味では、場の存在や作用、最小作用の原理の方が、この世の普遍的なものであり、原則であるとも言えます。
No.5
- 回答日時:
力学は力のつり合いが原理になります。
したがって、m₁v²/r=GMm₉/r²
遠心力と万有引力がつり合っていることが証明と言えば証明ですね。
https://blog.goo.ne.jp/s_hyama/e/dd632f606e5cf94 …
No.3
- 回答日時:
「証明」とおっしゃるのが数学の意味での証明でしたら、まずはmとaとFの数学的定義を与えろ、ということになります。
そんなもんありませんから、もちろん証明はできない。ニュートン力学という数学理論の公理の一つとしてこの等式を前提するってことです。では物理学としてはどうか。加速度は実測できます。が、慣性質量mと力Fをそれぞれ単独でどうやって測定します?むしろこの式は、(単独ではよくわからん)力というものと(単独ではよくわからん)慣性質量というものの関係を与える「法則」です。「慣性質量は品物に固有の値であり時間的に変化しない」と仮定し、また複数の品物の集団について「その全体の慣性質量を足し算で計算できる」と仮定しますと、ある基準になる品物を使えば力Fが定義できる。さて、適当な装置で同じ力Fを何度でも再現できるものと仮定すると、実験によって、品物の質量と加速度が反比例することが示せる。いろんな実験をやって、どれもこの式で矛盾なく説明がつく。そういう意味でこの関係式が成り立つらしいということを実験的に何度も確認する、ということはできます(が、それはニュートン力学が成り立つ範囲での話であり、相対論的な速さで運動する品物では通用しません)。
No.2
- 回答日時:
「力を加えれば運動が変化する」というときに、「力」と「運動の変化(加速度)」の変化の関係を記述したものであり、証明するようなものではありません。
「現実の現象」を記述しただけです。
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