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カントールの対角線論法について質問です。野矢茂樹著の「無限論の教室」によると、
x0 = 0.1111...
x1 = 0.1011...
x2 = 0.0111...
x3 = 0.1010...
...
のように 0 から 1 までの小数を2進数で列挙して、その対角線を取った 0.1010... の小数点以下の 0 と 1 を逆転させた x = 0.0101... が、列挙したはずの 0 から 1 までの小数のどれにも当てはまらないことから、それは矛盾である。したがって実数を自然数と 1 : 1 に対応させることはできない、としています。
以上は、もし実数が自然数と同じ濃度ならば、という仮定の下でのことなので、実数を x1, x2, x3, ... と連番で、つまり自然数の濃度で表したらどうなるのかということを考えています。しかしここでその仮定がないとき、何の仮定もないときに、0 から 1 までの実数を列挙せよと言われたら、やはり上に挙げた x1, x2, x3, ... が生まれると思います。するとやはり対角線論法により矛盾しますが、ここでは仮定がないので仮定を背理法の前提として棄却する訳にはいかず、その矛盾は何の前提もないパラドックスになってしまうように思われます。
私はどこかで間違っているのでしょうか? ネット上ではこれについての言及は見つけられませんでした。どなたかご存知の方、教えていただければ幸いです。
A 回答 (63件中51~60件)
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No.13
- 回答日時:
x1, x2, x3, ... と*添え字に自然数を使う*限り, 「それらで全ての実数を網羅している」ことと「実数が自然数と同じ濃度である」こととは等価だよね.
逆にいうと, 「何の仮定もないとき」には「x1, x2, ... と*添え字に自然数を使って*全ての実数を列挙できる」ということも仮定できない.
もちろん添え字に実数を使っていいなら「全ての実数を列挙する」ことは可能だけど, それはあまりにトリビアル.
No.12
- 回答日時:
もし
x1, x2, x3, ... の列挙は、
それで 0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせを列挙できた
とした
のならば
自然数の集合から実数の集合への全射写像が存在することになり
実数が自然数と同じ濃度ということになるのです
だけれども
対角線論法を使って矛盾するから
x1, x2, x3, ... の列挙は、
それで 0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせを列挙できていなかったという
ことになり
自然数の集合から実数の集合への全射写像が存在しないことになり
実数と自然数は同じ濃度ではないのです
No.11
- 回答日時:
> 私には全実数が可算だという仮定をしてもしなくても、
> 0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせ
> つまり 0 と 1 の間のすべての実数を列挙することは可能だと思われるのですが…。
そんな気がしますか?
これはもう、論理というより気持ちの問題かな?
例えば、S = { 1,2,3,4,5 } という集合の元を □□□ というマスに埋めるとき、
どのように埋めても S の元のうち 2 個は入る場所がありません。
それと同じで、全実数の集合のほうが全自然数の集合より濃度が大きければ、
どのように列挙しても、全ての実数に自然数の添字を付けることはできません。
全ての実数に自然数の添字を付けることができると考えることは、
全実数の集合の濃度が全自然数の集合の濃度以下だと仮定したことになるのです。
仮定したことを、あなたが自覚しているかしていないかにはかかわらず。
>どのように列挙しても、全ての実数に自然数の添字を付けることはできません。
これも私にとって分からない点なのですが、自然数の数も無限で、いくらでも取り出せるのだから、ここからは実数のみで対応する自然数はないよ、という地点は永遠に来ないと思うのです。だから自然数と実数が 1 : 1 に対応すると思っている訳ではないですが。無限がからむと分からないことだらけです。
No.10
- 回答日時:
> そうでしょうか? x1, x2, x3, ... の列挙は、それで
> 0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせを列挙した
> のですから、それは仮定の下でなく、
> 0 と 1 の間のすべての実数を列挙したことになるのはないでしょうか?
いや、そーはなりません。
実数に番号をつけて x1, x2, x3, ... と並べていく作業は可能です。しかし、
それで列に並べることができるのは、実数の中の可算部分集合だけです。
(1)もし実数が可算であると仮定すれば、全ての実数が列に現れることになるので
普通に対角線論法が可能だし、
(2)全ての実数の集合の濃度が非可算であれば、どうやって並べても
自然数で添字づけした列に全ての実数が現れることは決してできません。
列に全ての実数が現れるとしている時点で、
既に全実数が可算だと仮定してしまっているのです。
「仮定する」という文字を文面に書かなかったとしても、
それは記述を省略しただけで、仮定しなかったことにはなりません。
再びお礼の欄で失礼します。
>(2)全ての実数の集合の濃度が非可算であれば、どうやって並べても
>自然数で添字づけした列に全ての実数が現れることは決してできません。
ここですね。私には全実数が可算だという仮定をしてもしなくても、0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせ、つまり 0 と 1 の間のすべての実数を列挙することは可能だと思われるのですが…。
おかしなことを言っていたらすみません。
No.9
- 回答日時:
お礼コメントに対してですが、ここで証明したい事は結局「0から1までの実数すべてを列挙する事はできない」と言う事ですよね(2進数云々と言う条件を外しても本質的には同じ事なので)。
そして今回のお礼コメントに書かれているようにそれは不可能です。なので「すべての実数を列挙する事ができるとすれば」と言う最初の仮定が成り立たないわけですから「自然数と実数は一対一対応させられない」と言う教科書通りの結論になります。こう書くと「その仮定をしなかった時の事を聞いてるんだが」と言われるのでしょうが、その仮定なしにこの作業は何の意味も持ちません。ただ単に「実数を拾い集めて列べているだけ」と言うだけのものになります。そして並べた実数がすべてなのかそれとも一部だけしかないのかも分かりません。いろんな意味で(数学的にも他の意味でも)全く無意味な作業でしかなくなります。
再びお礼で失礼します。
>ただ単に「実数を拾い集めて列べているだけ」と言うだけのものになります。そして並べた実数がすべてなのかそれとも一部だけしかないのかも分かりません。
しかし 0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせを列挙した数の集合は、実数が自然数と同じ濃度ならばの仮定がないときでも、0 と 1 の間のすべての実数を網羅していることになるのではないでしょうか?
No.8
- 回答日時:
一応追記。
実数を列挙する目的は「すべての実数を挙げる」と言うのが目的ですから、実数をただ取り出して並べるだけではなく「それらがすべての実数になっている」と言う事が必要になります。なのですべての実数が網羅されていなければ「列挙する目的が果たせない(≒列挙できていない)」と言う事になります。
回答ありがとうございます。
お礼の欄で失礼します。
>なのですべての実数が網羅されていなければ「列挙する目的が果たせない(≒列挙できていない)」と言う事になります。
仮定のない列挙において、0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせを列挙したのですから、0 と 1 の間のすべての実数を列挙したことにはならないのでしょうか?
No.7
- 回答日時:
「0から1までの実数を列挙」と言われてx1、x2、x3と挙げて行くと言う事は、結局それぞれの実数に1、2、3と言う自然数を割り振っている事になりますよね(現に割り振ってますし)。
なのでx1、x2、x3と言う具合に挙げて行く事自体が「自然数と実数は同じ濃度(一対一対応が可能)」と仮定している事になります。No.6
- 回答日時:
> 何の仮定もないときに
ここがダウト。
> 0 から 1 までの実数を列挙せよと言われたら、
> やはり上に挙げた x1, x2, x3, ... が生まれると思います。
実数を x1, x2, x3, ... と列挙することは
何の仮定も無しに可能だが、
その列挙した列に全ての実数が現れていると仮定することは
全実数の集合が可算だと仮定したことになる。
何の仮定もないのではなく、
仮定したことを忘れているだけだ。
大阪や京都の人にはうっかりさんが多いけれど、
そういうことをちゃんと考えとくのが関東流。
回答ありがとうございます。
お礼の欄で失礼します。
>実数を x1, x2, x3, ... と列挙することは
>何の仮定も無しに可能だが、
>その列挙した列に全ての実数が現れていると仮定することは
>全実数の集合が可算だと仮定したことになる。
そうでしょうか? x1, x2, x3, ... の列挙は、それで 0 と 1 の間のすべての小数点以下の桁が 0 と 1 である組み合わせを列挙したのですから、それは仮定の下でなく、0 と 1 の間のすべての実数を列挙したことになるのはないでしょうか?
No.5
- 回答日時:
そもそも「何の仮定もしていない」と考えている点がおかしいと思います。
実数を列挙云々と言っている時点で既に「自然数と実数は同じ濃度」と言う事を前提としている事になるはずです。背理法における仮定とは「○○と仮定すると」と言う具合に明確に書かれたものばかりではありません。No.4
- 回答日時:
「列挙」とは、ただ並べることじゃない。
漏れなく並べ尽くす、ということです。そして、並べ尽くすとは、すべての要素それぞれに固有の番号をつける、ということに他なりません。「集合Xの濃度が、自然数全部の集合Nの濃度と同じ(|X| = |N|)」という関係は「Xの要素とNの要素を1:1に対応づけられる」ということによって定義されます。だから、|X| = |N| の時、Xの要素を並べ尽せる。
だから、Xの濃度が自然数の濃度より大きいなら、並べ尽くせないのは定義から明らかです。その場合、ただ並べるだけならご自由ですけれども、そうやって作ったリストはXの部分集合Yであって、|X|>|Y|=|N|である。
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× mtrajcp さんは、決して無限にはたどりつかないと思っているのか、無限への過程における有限のみがある思っているのか、どっちなのでしょう?
○ mtrajcp さんは、無限への過程によって無限にたどりつくと思っているのか、決して無限にはたどりつかず、無限への過程における有限のみがある思っているのか、どっちなのでしょう?
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そろそろ質問を閉じさせていただきたいと思います。
返信が追いつかなかった回答者の方を含め、付き合っていただきありがとうございます。最初は相手にされないんじゃないかと心配していたのですが、こんなに反響があるとは。ほとんど反対意見でしたけどね。色々やり取りしましたが、パラドックスになるのではという疑念はついに否定されず、疑念を深める結果になりましたが、私としてはそれもまた良しです。
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