都道府県穴埋めゲーム

パリ不戦条約の条約文を決めるときには各国間で侃々諤々の議論があって、「国際紛争解決のために戦争に訴える」というのは侵略戦争のことであって、「自衛のための戦争まで放棄するものではない」ということは、
その議論の中で確認済みであって、議事録にもハッキリと残っている歴史的事実なのです。

ということを教えていただいたのですが、パリ不戦条約を決める国際会議の参加者たちは、そんな無理な「国際紛争」解釈、「戦争」解釈で、なんで納得できたんでしょうか?

質問者からの補足コメント

  • 最初から侵略戦争はNG、自衛戦争はOKという意味合いの条文を作ればよかったんじゃないでしょうか?そこになんで、「国際紛争」の解釈を噛ませる必要があったんでしょうか?

    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2024/05/01 09:52

A 回答 (5件)

この条約は元々、米国とフランスとの二国間で交渉が行われていたものが、各国を巻き込む形になったものです。


「自衛のための戦争まで放棄するものではない」ということを強く主張したのは米国でした。米国は中南米を自国の勢力圏と考えていて、反米的な動きや米国に不利益な動きがあれば中南米に対して武力干渉を行う意思を持っていました。実際、交渉が開始された1927年当時、米国はニカラグア内戦に武力干渉を行っていたのです。ニカラグアからすれば、これは外国による内政干渉・侵略ですが、米国からすれば自国勢力圏内の自衛のための戦争ということになります。戦争をどちらから見るかによって解釈は変わってしまうのです。ですから、あなたの考え方のように「最初から侵略戦争はNG、自衛戦争はOKという意味合いの条文」を作れば、どちらから見て解釈するのかという大きな問題が出てきます。

しかも、この条約の原署名国15ヵ国を見れば分かるように、日本を除けば、すべて欧米諸国とイギリス連邦の国です。つまり、この条約で意識されていた「国際紛争」とは、第一次世界大戦のようなヨーロッパ諸国間の戦争であって、ヨーロッパ以外で植民地或いは勢力圏を持つ国、いわゆる「持てる国」が勢力圏内の地域・国々に武力干渉することは「自衛戦争」と見なされたのです。

第一次世界大戦の結果、米国は世界で最も有力な国になったため、もしも米国の主張を認めないで米国が条約から離脱したら、条約自体が有名無実のものになってしまいます。イギリスやフランスも世界中に植民地を持っている関係上、植民地支配を脅かすような動きがあれば武力干渉=自衛戦争を行うつもりですから、米国に同調します。
かくして有力国が、それぞれの勢力圏を持ち、イギリス連邦を除く多くの国々が植民地を持っていたために、ヨーロッパでの「国際紛争」に通じる「侵略戦争」と、ヨーロッパ外での勢力圏・植民地関連の「自衛戦争」を分ける考え方が認められ、勢力圏や植民地を持たない国もこれに同意することになったのです。
つまり、当時の国際常識では、こうした解釈が認められるのは必然的結果だったと言えます。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、みなさん、ありがとうございました!

お礼日時:2024/05/05 20:56

> パリ不戦条約を決める国際会議の参加者たちは、そんな無理な「国際紛争」解釈、「戦争」解釈で、なんで納得できたんでしょうか?



実効性を期待している政府や政治家はほとんどいなかったらしいです。
日本も調印するのですが、中国への日本の行動や行為に関して、「侵略しようとしているから、調印を渋っているのだろう」と疑念をわざわざ懐くことはせず、「完全なる国際司法裁判所、国際仲裁々判所、国際調停委員会の設立を為
さねばならぬのは当然の必要である。然るに不戦条約の提唱国たる米国は、国際裁判機関としては単にヘーグの平和条約による仲裁々判所を認めるのみである。調停機関としてはブライアン条約による調停機関を認めるに過ぎない。米国は未だ常設国際司法裁判所に未だに参加してみないのである。斯の如き現状を以て果して不戦条約の標榜する所の国際紛争の平和的処理を完うし得るものなりや否やは問はずして明であらねばならぬ。……又或国家が国際法に反して侵略行為に出たる場合に於て之を懲罰するの実力機関が存在せねばならぬ。……然るに不戦条約は制裁問題に関しては一言も触れて移ゐない」と、実効性、日本の軍事行動の事実上の制約にはならないと説明素手痛そうです。 国際的な外交の雰囲気にあわせようという魂胆が、どこでも多かったのでしょう。
「自衛権ナル概念ハ国際法二明確ヲ欠クノ短所アルト雖、同時二之レカ為広汎ナル解釈ヲ立ツルヲ得ルノ長所」があり、「自衛権ナル用語ヲ以テ漠然タル留保ヲ為スニ止メ、万一英米ノ間二論争ヲ生シタル場合ニハ、第二次ノ討論者トシテ適当二我ニ有利ナル結論二導クコトニ力ヲ致スヲ得策ト考フ」と、実に勝手な理屈を見つけていたようです。
出典は、https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bi …
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理論的には、侵略戦争を禁止すれば、戦争は無くなる。

そのはずだった。
自衛戦争を認めたのは、侵略戦争を禁止したパリ不戦条約を守らない国や、パリ不戦条約に署名・批准しない国からの侵略に備えるためだ。

以上は第一次世界大戦における近代戦争の凄まじい人的損害と物理的破壊への恐怖から、そのような愚行蛮行を二度と繰り返さないために、真摯に喧々諤々とした議論を経て作成された条文だ。

しかし、結局、第一次世界大戦を遥かに上回る人的物的破壊活動となった第二次世界大戦となって、その愚行・蛮行は繰り返されてしまった。

パリ不戦条約の大きな穴は、「自衛を名分にした侵略戦争」だ。この名分は今でも使われている。
ロシアがウクライナ侵攻を始めたのもそうだ。

いくら抜け道を無くそうと頑張っても、所詮、条約は文字の塊であり、文字は解釈次第でいくらでも実質的な改変が可能だ。

日本が憲法改正を1回も行わず、条文の解釈を変えることで状況の変化に対応させてきたのと同じことだろう。

とはいえ、条約は約束だ。勝手な解釈でやりたい放題をやれば、多くの加盟国から制裁や攻撃を受けることを覚悟する必要は出てくるだろう。
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あなたと違ってお子様ではなかったからでしょう。


条約によって戦争が無くなることはない、自衛の手段を否定すれば侵略され放題になる事は普通の大人なら自明のことですね。
この回答への補足あり
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パリ不戦条約には罰則規定がないので、かりに締約国が条約を無視して戦争をしたとしても罰せられない。

だから「国際紛争」の解釈や「戦争」の解釈など、どうでも良かったのです。
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