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特許法100条では、特許権者又は、専用実施権者しか差止請求することができないとありますが、
独占的通常実施権者は差止請求する方法、もしくはそれ相応の手段はないのですか?

A 回答 (2件)

少し前に似たような質問がありましたが、結論的には、差止請求をする方法はありませんが、損害賠償を請求する方法はあります。



特許法には明確に「特許権者又は専用実施権者」と規定されているので特許法に基づく請求はできないのですが、他方で、独占的通常実施権者は、契約により独占的に発明を実施するという債権的な利益を持っています。

そこで、他人が侵害品を販売したときには、独占的にその製品を取り扱うという実施権者の利益を害するので、債権侵害という不法行為が成立するというのが判例・通説になっています。

しかし、差止め請求権となると問題です。不法行為の一般原則としては差止請求はできない(名誉毀損を除く)ので、やはりあくまで損害賠償の請求のみがとりうる手段になります。

参考判例
http://courtdomino2.courts.go.jp/chizai.nsf/List …
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/03 12:49

 下級審の判例で独占的通常実施権者に固有の差し止め請求権を有するとした判例もありますが、否定判例がほとんどであり、学説上も否定するのが多数説です。

その理由は(1)特許権の侵害があっても、通常実施権者は実施の継続を妨げられるわけではない、(2)特許権の規定上、差し止め請求権を行使しうる者は特許権者と専用実施権者に限られていること、(3)通常実施権者が差し止め請求をする必要があるならば、専用実施権の設定登録をすればよいだけであること、などです。
 それに代わる手段としては、特許権者の有する差し止め請求権の代位行使が考えられるのですが、これも否定するのが通説判例です。その理由は、(1)通常実施権者は権利侵害により実施の継続を妨げられるわけではない、(2)債権者代位権は、不動産の移転登記請求権や土地賃借権の保全など、判例が認めている例外的な場合を除き、特定債権の保全のためには行使することはできず、債務者の無資力を一般的な要件とする。(3)特許権者は侵害行為を差し止めるべき作為義務を通常実施権者に対して負っているわけではないから、通常実施権者が特許権者の差し止め請求権を代位行使することにより権利者による債務の履行が確保されるという関係もない、ということです。
 以上から独占的通常実施権者は無理ではないでしょうか。
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