一回も披露したことのない豆知識

私はステンレス鋼の応力腐食割れについて勉強をしているのですが、何らかの影響でき裂が発生した時に一般的に母材(BM部)と熱影響部材(HAZ部)とではどちらがき裂の進展が早く進むのでしょうか?また応力腐食割れによってどちらがき裂進展しやすいでしょうか??わかりずらい質問だと思いますが少しでも知識のある方はよろしくお願いしますm(__)m

A 回答 (1件)

ステンレスに限らず,金属組織は,焼き入れ,焼き戻しなどの方法によって結晶組織が大きく変化します。

焼入れの場合は,結晶組織が細かく,焼き戻しの場合には,逆に大きくなり,硬さや強度,靭性値などの物性が変わってきます。(粒界への不純物の析出なども起こるので化学的な安定性も変化します)。
また,圧延などの加工をして,組織にひずみを生じた材料の結晶組織を均一にするため,特定の温度で再度保持し再結晶化させるなどの方法で,求める材料強度や靭性を達成させています。
さて,溶接などで均一化した組織の一部に熱が加わると,そこの部分は熱影響部となり,加熱前の組織と異なる組織になります。この時の冷却温度プロファイルによっては,急冷による焼き入れ状態に,また,徐々に温度を下げることで,焼き戻し状態になります。
き裂の進展のしやすさは,靭性値として表らわされますが,一般に,硬い組織ほどき裂が進行しやすく,柔らかい組織ではねばり強さが現れます。したがって,熱影響部の冷却温度プロファイルが分からないと,その部分でのき裂の進展のしやすさは判断できません。
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この回答へのお礼

お返事ありがとうございますm(__)m
き裂の進展のしやすさは,靭性値によるということをはじめて知りました。ご丁寧な回答ありがとうございます。

お礼日時:2005/08/26 18:29

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