水素は非常にクリーンなエネルギーであることは理解できます。
ここで知りたいことは、貯蔵に関してです。気体である水素は、単位あたりの貯蔵率は液体であるガソリンと比較すると非常に不利な気がします。例えば、燃料自動車で70MPa貯蔵の技術開発をおこなっているメーカーもあるようですが、それでもガソリン車と比較すると航続距離は短いのではないでしょうか。また、単位熱量もそれほど大きな差異がないのではないでしょうか。
また、気体であるためハンドリングも非常に悪いと思います。
以上のことを踏まえると、超高圧貯蔵が技術的に困難である現状では、とても環境にやさしいエネルギーであっても、使用上不利であれば利用メリットは少ないのではないでしょうか。個人的には、液体のエネルギー源を新たに探索すべきだと思いますがいかがでしょうか。
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
(7)ですが究極のエネルギーシステムということについて補足します。
35年前かにエネルギーに求められていたのは「安さ」で、当時バーレル1.2ドルの石油がそれに該当していたのですが、現在求められているのは環境負荷が少ない事とエネルギー消費の少ない事(もしくはゼロ)です。
環境負荷に関して燃料電池自体は水しか出しませんが、ウエル・トゥ・ホイール(通称WTW, 油田から車輪=発生から消費までの全体を見る)という広く使われている評価の方法で考えると、皆さんも言われているように「どこから水素を持ってくるのか」という問題に突き当たります。
電池自動車・水素エンジン・宇宙ロケットについても、推進エネルギー自体は「無公害」ですが、WTWで考えると同じようにシステム全体ではそうではなくなります。
太陽電池に関しても、WTWで考えれば機材の製造・運搬・設置・廃棄に関して環境汚染とエネルギー消費が発生し、両者がまったくゼロということにはなりません。
バイオエネルギーについても、検討していくと色々環境負荷がかかる事が分かって来ており、理論的な空極のエネルギーという事になると、コントロール出来る核融合、もしくは自然の核融装置である太陽という事になるでしょう。
なぜなら両者は無限(人間的スケールでは)に使用でき、コントロール出来ると言う事は放射能問題も解決できると言う事ですから(人類に出来るかどうかは別の問題)。
No.8
- 回答日時:
>植物や下水汚泥由来のメタンガスは化石燃料ではありません。
いわゆるカーボンニュートラルであるために地球温暖化には全く寄与しません。ただし、少しでもCO2発生を抑制したい現状ではカーボンニュートラルであってもCO2発生は抑制すべきという考え方もあります。植物は成長するまでの間、光合成しますし、アルコールから直接水素を取り出すのであれば、燃やす訳ではありませんので二酸化炭素は排出しないと思うのですが、、、
No.7
- 回答日時:
燃料電池車に関しては、元々液体を燃料としてタンクに入れ、その燃料を改質して水素を取り出して燃料電池に供給し、燃料電池で水の電気分解の逆反応から電気を得て車を走らせるという構想がありました。
しかし改質装置を組み込むのに技術的な課題があり、トヨタ・ホンダが相次いでその課題をパスした「水素供給型」燃料電池車の完成を発表したため、従来のインフラを使い供給・貯蔵の問題を解決出来た筈のメタノール・ガソリン型燃料電池車の開発が先送りされてしまったのが現状です。
水素貯蔵には極低温・高圧・吸蔵合金が考えられていますが、いずれも安全性や容量に問題があり、ナノカーボン利用という未来技術に期待が持たれている様な状況です。
燃料電池技術については、システム単体での無公害とエネルギー効率の高さからの省資源と言うメリットが考えられていますが、現時点では「究極」のシステムとは言えず、他の環境対策手段とレベルの差を争う一選択肢に過ぎません。
ただ個人的な意見としては、現在埋蔵が確認されている燃料(現在のように値段が上がってコストがかけられれば500年分以上)を使い切ってしまう前に、地球温暖化による文明の崩壊という事態に陥る可能性が高いので、その対策の方が先に検討されるべきでしょう。
新しいエネルギーが両方を解決できるなら話は別ですが・・・。
ご返答ありがとうございます。当初は液体燃料の改質からスタートしたのですね。知りませんでした。
水素貯蔵には多くの課題が山積しているようですが、それでもなお水素にこだわるということは、今後の技術革新に期待しているということなのでしょうか。
ひとつお教え願いたいのは、燃料電池技術が「究極のシステム」でないのはなぜでしょうか。このスレで論じられているように、貯蔵等の技術面でまだ不利な点があるからなのでしょうか。
No.6
- 回答日時:
再び失礼します。
No.3です。書いて無い部分のご指摘で書いてある部分を否定されてしまったようなので、一応補足させてください。
まずNo.1の方の意見には全面的に賛成です。ですが、環境問題ではなく資源として考えたとき、石油を使い続けて大丈夫なのか、と言うことです。今の世の中、いくら努力したところで石油の使用量が半分になったりはしないでしょう。いずれなくなる石油に頼るのではなく、あらゆるエネルギーを一旦水素エネルギーに変換することで、石油への依存を減らそうと、そういうことです。
水→水素+酸素について書かなかったのは、水素エネルギーはエネルギーの出発点ではなく通過点としての利用という大前提で話を進めていたためです(生成に関して課題が~はその点での話です)。さらに言えば、太陽光を当てることで直接水の電気分解が可能な材料も、研究室レベルでは作られています(ただし変換効率があまりに悪いため、実用化にどれだけかかるか分かりませんが)。つまり、研究者たちの最終的なイメージは「太陽光+水→水素+酸素+エネルギー」なのです。
私が水素を「エネルギー源」と称したのは、身の回りで言えば「電気」に相当する役割としてです。我々はどこかから直接電気を取り出しているのではなく、様々な発電方法により生み出しています。同じように、身の回りの「エネルギー源」として水素を使うことについて論じました。それにより、もし石油に代わる新しい資源が見つかったとき、とりあえず水素に変換すればすぐに社会に組み込むことができます。何らかの有害物質が出るとしても、一箇所で管理することができます。
元々「水素エネルギー」とはそういう使い方を考えて社会に組み込まれようとしているものです。この先どんなに発電施設・方法が変化しようとも電気がなくなるわけではないのと同様に、水素もその役割を担えるのではないか、そういうことです。
ご返答ありがとうございます。やはり、気体である水素はパフォーマンスが悪いようですね。しかし、おっしゃってるように、それにも勝るメリットが水素にはあるということでしょうか。私も無尽蔵、利用サイクル速度という点で非常に大きなメリットであると思います。
No.5
- 回答日時:
現在燃料電池が非常に注目されて、技術開発が進んでいるのは、油やガスなどから、直接水素を取り出すことができるからです。
ガソリンやアルコールの状態で燃料を搭載し、利用するときに水素を取り出すのです。
通常燃焼させるよりも効率はいいですし環境への負荷も小さいです。
植物を原料としたアルコールや、し尿を原料とした汚泥によるメタンガスなど、化石燃料を卒業することができます。
水素を貯蔵する燃料電池はアポロの頃からありますので、その後普及しなかったのは、おっしゃるような理由であったと思います。
少なくとも電気分解して水素を作るのは意味が無いと思います。
ご返答ありがとうございます。化石燃料からの変換ということですね。それならば液体貯蔵できるため有利ですね。本当は、化石燃料を使用しないという点で水素の液体貯蔵がベストなのでしょうが。
ひとつ、補足しますと植物や下水汚泥由来のメタンガスは化石燃料ではありません。いわゆるカーボンニュートラルであるために地球温暖化には全く寄与しません。ただし、少しでもCO2発生を抑制したい現状ではカーボンニュートラルであってもCO2発生は抑制すべきという考え方もあります。
No.4
- 回答日時:
#3の方へ 説明に致命的な欠陥があります
水→水素+酸素→水 はその通りなのですが
水→水素+酸素
この反応は、外部からエネルギーを供給する必要があります
この点の説明が全くなされていません
ですから、ご説明は、エネルギー源としてでは無く、エネルギーの貯蔵形態です
無くなることの無いエネルギー源に言及するのでしたら、単体の水素が無制限に供給される事を説明しなければなりません
そういう意味で #1の説明の通りです
ご返答ありがとうございます。おっしゃる点は私も気になりました。ただ、私が注目したい点はあくまで貯蔵、ハンドリング等に関することです。水素がクリーンエネルギーであることは承知してますが、気体より液体の方が有利である点から、水素はエネルギー源として不利ではないかということです。
No.3
- 回答日時:
確かに水素の貯蔵は最優先課題の一つであり、パフォーマンスという点においてはガソリンには遠く及びません。
ですが、水素にはガソリンをはじめあらゆるエネルギー候補では達成し得ない2つの利点があるのです。即ち、原料の豊富さと利用サイクルの速さです。言うまでもなく水素の原料は水ですから、原料に困ることはありません。さらに水→水素+酸素→水というサイクルですから、どんなに使用量が増えたとしても全体の量は安定してます。この2つの点において、二酸化炭素の排出という問題がなかったとしても、水素はエネルギーとして有用とされます。言うなれば「どんなに大量に、長期間使用してもなくなることの無いエネルギー源」なのです。
もちろん、貯蔵や生成に関して課題は山積みですが、「なくなる心配のあるエネルギー源」を探すよりも、技術的・社会的に成り立てば「二度とエネルギー問題が発生しない」と期待される水素の利用を目指す方が長期的に見たときに良しとされるでしょう。実際のところ、地球温暖化よりも石油の枯渇を問題視する研究者も少なくありません(私の大学の教授の意見ですが)。
此処数十年だけを考えて別のエネルギー源を探す分には意味がありますが、やはり水素のエネルギー源としての確立は急務だと思います。
No.2
- 回答日時:
水素吸蔵合金というのがあります。
(下記URL参照)
ただ実用化となると、まだまだのようですが・・・
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0% …
ご返答ありがとうございます。この技術は私も知っていました。まだ実用化にはさまざまな困難があるようですね。やはり、液体をターゲットに絞った資源探索がベストではないでしょうか。
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