
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
まず、宗教改革以前のキリスト教世界では、労働に対してネガティブなイメージがあったということを押えておく必要があると思います。
宗教改革以前には神への奉仕が第一義とされ、世俗的成功には宗教的な意義はなかった。
労働は神からの罰(エデンの園から追放されて、働かなくてはならなくなった)であると考えられていて、
勤勉であるということに、宗教的な価値はなかった。
お金を儲けたからといって天国へ行ける訳ではなく、ユダヤ人のように勤勉に働きお金を貯めるのは、むしろ忌むべきこととされていた。
しかし、
予定説・・・この世のすべては神の予定のもとにある
職業召命説・・・職業は神の与えた使命である
という考えを敷衍すると、
「神から与えられた職業を全うした」結果、富を蓄積すること、すなわち「結果としての富の蓄積」は神の予定に沿っている結果であり、卑しいことではないと考えることができるようになった(むしろ神の祝福であるとされた)。
肯定されるのはあくまで「結果としての富の蓄積」であって、
お金儲け・贅沢自体を目的とするのはやはり良くないとされた。
そのため、禁欲的かつ勤勉に仕事励み、蓄積された資本を闇雲な消費に振り向けずに事業の拡大に投じる、という行動様式が生み出されていった。
ということだと思います。
また、ルターが聖書をドイツ語に翻訳した際に、職業という意味の訳語にBerufという単語を使ったのですが、その単語に「はキリスト教的天命」と「世俗的職業」の二重の意味があったため、翻訳版の聖書を読んだ人々には、職業召命説は自然なものと感じられたのでしょう。
ありがとうございました。
なるほど。予定説→職業召命説ではなく、職業召命説→予定説と見ていくと、流れが分かりやすいですね。
参考になりました。
また、カトリックで、蓄財を悪徳とみなしていただけでなく、労働そのものを天罰とみなしていたことを初めて知りました。知識を増やすことができました。
また何かあったら、ご回答お願いします。
No.1
- 回答日時:
私は以下のようなプロセスと考えます。
「神から救済されるかどうかは予め決まっている」
↓
「私が救済されるかどうかは誰にも分からない。神のみぞ知ることだ」
↓
「でも、これだけ一生懸命禁欲的に神から与えられた天職に励んでいるのだからきっと私は救済の予定に入っているはずだ。そうに違いない」
↓
「いや、救済される人はこの程度ではないはずだ。もっと励もう」
ありがとうございます。
この説明はどこかで見たことがあります。
この説明だと、3番目の「一生懸命がんばっているのだから、神から救ってもらえるはずだ」という楽観的な考えがいまいち、ピンと来ないんです。
これって日本人とヨーロッパ人の感覚の差なんでしょうか…?
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