#1921839で回答兼質問させていただいたものです。なんかわからなくなってしまったので質問を別にたてたいと思います。
質問内容はタイトル通りです。複数群の平均の検定にANOVAを使うというのは正しくないのでしょうか?(分散の均一性まではクリアしていることとします。)今まで、
a priori hypothesis なし --- ANOVA → post-hoc の多重比較
a priori hypothesis あり --- 多重比較
だと思っていたのですが、多重比較だけ使う方がより推奨されるのでしょうか?他の質問を見てもANOVAは推奨されていないように見えます。(eg. #1886531)
単に分野の違いとも思うのいですが。私の分野では a priori hypothesis はたてにくいです。分野によってはその結果にある程度見当がついてることの方が多く直接の多重比較が推奨されているのかもしれません。
また、ANOVAをGLMの一部として考えたいと思っているのですが、ANOVAが一般的でないとするとはGLMも一般的でないのでしょうか?よろしくお願いします。
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
Dunnett(1955, 1965)の論文にANOVAは必要ないことが述べられています.理由はANOVAで有意差がなくてもDun
nettでは有意差が認められるからです.私も数回遭遇しました.PCが普及する前の20年ぐらい昔は,必ず分散分析表を作成し論文中に表示しました.この表の誤差項が以後の検定(Dunnett, Tukey, Duncan)に必要なためです.現在はPCの普及によって分散分析を実施しなくとも誤差項は瞬時に計算できるからです.単にグループ間に差があるかを見る場合はANOVAのみでよいと思います.その他は#1さんの意見を推奨します.したがって,ノンパラメトリック・順位和検定のKruskal-Wailsも同様です.多重性を考慮し,検出力が高いSteelなどを推奨します.この回答への補足
回答ありがとうございました。先生の(ですよね)立派なホームページも見させていただきました。確かに毒性試験でしたらtype I error の方が実際の影響がマイルドな気がします。逆にtype II errorの方が好まれる立場もあるのかもしれない(例えば副作用もある薬とか)と想像しました。(素人考えですみません。)単なる好奇心ですが1955年、1965年のDunnettの論文のあと何も論争はなかったでしょうか。
多元配置あるいは繰り返しのあるANOVAはpost-hocも許されるが、なるべく検出力の高いものが推奨されるわけですね。納得です。この場合、ANOVAはしなくてもいい(あるいはしない方がいい)という考え方もあるのでしょうか。あっても不思議はない気がしますが如何でしょうか。
追加質問をここに書かせていただきます。多重比較の前提は各群の正規性でしょうか、それとも各群間の分散の均一性でしょうか?#1921839では先生方の意見が違うのでよけいこんがらがっています。ANOVA使わないのなら正規性のみ、ANOVA使うなら分散の均一性が前提の気がしますが、如何でしょうか。
理解力がよくない方なのでご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
結果に見当がつけられるとか、a prioriに仮説がたてられるとか、そういう話ではありません。
一言で言えばANOVAと多重比較検定を繰り返すことで、そこに検定の多重性が生じるからです。それでは何のために検定の多重性を考慮して多重比較を行うのかわからなくなってしまいます。また、誤解されているようですが、これはANOVAを否定するものではありませんし、ましてやGLMが一般的でないなどとはまったく意味していません。ANOVAと多重比較を同時に用いるのが誤りだと言っているだけです。そもそもの興味が個別の群間比較にあるのなら、ANOVAではそこまで判らないのですから、初めから多重比較をするべきだというのが現在の通説です。平均値の一様性が棄却されれば十分な場合もあるでしょうし、多元配置の分散分析は単なる平均値の比較とは意味合いが異なりますから、そういう場合は分散分析が必要になります。GLMにあってはANOVAとは比べものにならないくらい広いクラスの分析を包含するモデルですから、まったくの見当違いをなされています。
確かに現在でも多くの文献で、ANOVA→post-hoc多重比較、と使われているのは事実ですが、多くの人がやっているからといって正しいことにはなりません。それだけ多くの人が誤って使っているのです。私の推測ですが、多重比較法があまり発達しておらず、コンピュータプログラムも限られていた頃は、Bonferroni法を除いては、Fisherの制限LSD法が多く使われていたのだと思います。そして制限LSDのANOVA→群間比較という手続きが他の多重比較法にも誤って慣用され、定着してしまったのではないかと考えています。ちなみにFisherの制限LSD法は4群以上の比較には正しくないことも現在では示されています。
ただしScheffeの方法だけは分散分析と同等なので、同時に用いても問題ありません。即ち分散分析で有意差があった場合はScheffeの方法で少なくとも一つ以上の対比に有意差があることを意味します。しかし、群間の対比較にはTukey、対照との比較にはDunnettが推奨されますから、Scheffeの方法は特殊な対比の検定の必要がある場合以外はあまり用いないと思いますが。
この回答への補足
詳細な説明ありがとうございます。できれば文献を紹介していただけないでしょうか。取り寄せて自分で勉強したいと思います。基本的な考え方に関しては理解しました。ただ、いくつか質問が残ります。
1. > 一言で言えばANOVAと多重比較検定を繰り返すことで、そこに検定の多重性が生じるからです。
>多元配置の分散分析は単なる平均値の比較とは意味合いが異なりますから、そういう場合は分散分析が必要になります。
とすると、多元配置の分散分析、あるいは繰り返しのある分散分析のあとのpost-hoc testは検定の多重性が生じるから推奨されないのか、あるいは可能なのかどちらでしょうか?もし可能なら、一元配置のみ多重性を否定されるのはエレガントさに欠けるというのか、少し抵抗を感じてしまいます。
2. 実学的ですが、SPSSという名前の統計ソフトを使っています。有名な統計ソフトと聞いていたのですが、「一元配置の分散分析 --- post-hoc」ができてしまいます。(需要があるから残してあるだけかもしれませんが。)もう少し正確な統計ソフトを使う方がいいと思うのですが、何か推奨のものがありましたら教えてください。
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