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No.2
- 回答日時:
専門家ではありませんが、研究室の教授が群論の専門家で、同僚がFTIRとラマン分光をしていました。
対象とするものの違いは群論の対称性についての議論から導きだされます。赤外吸収は入射光に対する透過率を観測、ラマンは光により励起後が低い準位に移るときにフォノン分だけ異なる準位に行く時の散乱光を観測していると言うとこまでは分かりました。が実際には何をみれるのかというところは、私も同じところでつまずきました。参考URLから理解が深まれば幸いです。
反転対称性を持つCO2と考えると
対称伸縮振動
C=O=C
→→ ←←(原子の移動方向)
O=CとC=Oで見ると双極子モーメントが変わっているけど、左右対称なので、分子全体としては変化なし。(ラマン非活性)
分子の電子雲の形状は縮む方向変化しているので、分極率は変化(ラマン非活性)
逆対称伸縮振動
O=C=O
→←← →(原子の移動方向)
O=CとC=Oで見ると双極子モーメントが変わっており、左右非対称であるため、分子全体として分極あり。(ラマン非活性)
分子の電子雲の形状は変化しているけども、左のO=Cは電子雲が縮む方向で、右のC=Oは広がる方向で、平均的には電子分布は変化していないので分極率は変化なし。(ラマン非活性)
私の素人ながらの理解で申し訳ありません。
参考URL:http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/hikari/kumazaki/lect …
No.1
- 回答日時:
原理よりも、経験的(一般論?)な違いということで。
同じ物質を赤外とラマンの両方にかけたとすると、
(1)ラマンの方が、骨格振動(-C-C=C-など)のピークが強く出る
(2)赤外の方が、官能基(-COOHなど)のピークが強く出る
といったところがあるように思います。
さらに、利用する波長域の違いも「両者の対象とするもの」に違いを
生じます。ラマン分光は赤外よりも短い励起波長(近赤外~可視)を
使います。そのため、
(a)赤外では吸収が大きすぎるもの(例えばH2Oとか)があっても
分析可能になる場合がある
(b)測定ビームをより小さく絞れるため、顕微分光に向く
(c)逆に励起光により蛍光を強く発生する対象には不向き
(d)赤外で低波数振動を捉えようとすると波長が遠赤外域になって
しまうが、ラマンでは励起波長のすぐ傍の波長域となる
などの違いが出ます。
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