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大学で化学を習い始めています.

化学反応のところで生成エンタルピーがよく出てきます.

高校の時は「反応エネルギー」か何かだったとおも運のですが,なぜ,エンタルピーを使うのでしょうか?

エンタルピーって,「定圧下」でのエネルギー変化ですよね.定圧下に限定するのは何か意味があるのでしょうか?

A 回答 (3件)

まず,エネルギーとは何か,きちんと考えましょう.


単純に気体の膨張収縮を考えましょう.反応のことは考えません.このとき,気体のもつエネルギーとは,各分子のもつ運動エネルギーの総和です.また,平衡状態における運度エネルギーの総計が温度というものの本質的な意味になります.
気体を加熱するということは外から熱エネルギーを与えるわけですから,系はエネルギーを受け取ります.このとき,体積を一定に保てば与えたエネルギーはすべて温度の上昇,つまり内部エネルギーの造化に使われます.しかし,圧力を一定に保とうと思えば膨張するしかなく,そのためには外力(その圧力状態を保つためには外から同じだけの圧力を受けていなければならない)に逆らって仕事をする必要があります.だから同じだけの熱エネルギーを与えても温度は低圧のときほどには上がりません.逆に言うと同じだけ温度(内部エネルギー)を上げるには,余分の熱を与える必要があるわけです.そこで,体積変化分を込みにして,正味与えなければいけない熱としてエンタルピーを「定義」したわけです.
化学反応の場合も同じで,反応による内部エネルギー変化のうちいくらかが体積変化による仕事に使われれば,実質的に熱として出てくる分は内部エネルギー変化とはずれがでてきます.定圧下で実際に熱として見える分と内部エネルギーの変化とは違うということです.
さて,なぜ化学で定圧下を重視するのかといえば,現実の反応系の多くは定圧下でしか扱えないからです.
たとえば溶液を考えましょう.温度が上がれば膨張しますが,これを圧力をかけて抑え込んで定積条件を維持することはできるでしょうか? 現実的には無理ですね.したがって,定圧下での議論を重視するのは必然なのです.
もちろん,気相系では定積条件での反応等は可能です.その場合はエンタルピーを考えるより,内部エネルギーを直接考えた方が簡単ですね.

もう少しすると自由エネルギーという概念をやると思います.これは正味取り出せる仕事という意味ですが,これも定圧条件下で定義される Gibbs の自由エネルギーと定積条件下で定義される Helmholtz の自由エネルギーがあり,後者は化学系の熱力学ではあまりまじめに議論しないと思います.それは定圧下の方が,化学反応を考えるうえでは一般的と言えるからです.
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この回答へのお礼

よくわかりました。ありがとうございます!

お礼日時:2006/06/10 10:55

 大学の物理化学で、熱力学を深く学習されれば理解できると思うのですが、私自体、勉強し始めは質問者と同じ疑問を抱いていました。



 以下の事項を習った後、もう一度よく考えていただけば、わかるかもしれません。私がそうでしたので、ご安心ください。

・エントロピー(「乱雑さ」と言われ、大きくなろうとする。通常の熱力学によるアプローチと、統計熱力学によるアプローチがあり、難しい。)
・自由エネルギーの差分が反応エネルギー
・ヘルムホルツの自由エネルギー(Helmholtz free energy)は等温等積過程の自由エネルギー
・ギブズの自由エネルギー(Gibbs free energy)は等温等圧過程の自由エネルギー。単に自由エネルギーといった場合、ギブスの自由エネルギーを指す場合がある。
・化学ポテンシャル…モル当たりのギブスの自由エネルギー。さらに、ヘルムホルツの自由エネルギーを、温度と「体積」と一定のもとでモルで偏微分しても、化学ポテンシャルになる。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB% …
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この回答へのお礼

ありがとうございます!

お礼日時:2006/06/10 10:55

↓を見ればヒントになるかも。


最終的にはエントロピーも気になるはずですが。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3% …
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