
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ハマグリの研究の経験者です.
分類学上ハマグリ属(Meretrix)として知られているものを列挙すると,
ハマグリ(Meretrix lusoria)
-日本(本州以南の内湾)
チョウセンハマグリ(Meretrix lamarckii)
-日本(鹿島灘以南)からフィリピン(外洋に面した潮下帯)
シナハマグリ(Meretrix petechialis)
-韓半島から中国沿岸
タイワンハマグリ(Meretrix meretrix)
-台湾,ボルネオなど
ミスハマグリ(Meretrix lyrata)
-ベトナム,海南島など
この他にも東南アジアからインドにかけて5種が認識されていますが,まだ分類学的研究の余地が残されています.
Natsuさんの聞かれてるのは,おそらく日本のハマグリでしょう.
一般に日本の砂浜に生息する二枚貝(ハマグリ,アサリ,シオフキ,バカガイなど)の天敵は,ツメタガイやアカニシといった巻貝です.ツメタガイは化学的穿孔という方法で二枚貝の殻に外側から丸い穴をあけ,そこから中身を食します.砂浜に打ち上げられた二枚貝の殻に1~3mm位の穴があいていれば,それはまずツメタガイの仕業です.
日本での生息地として有名なのは,三重県桑名です.
でも先の方もおっしゃるように,もう過去のようには採れません.
実際,絶滅危惧種にハマグリを指定している県もあります(山口県など).
ほかに知っているところは,熊本県の宇土というところです.
ただここではあまり大型のものは採れなさそうです.
ハマグリの漁獲高が100tなのに対して,300tの漁獲高を誇るのが,チョウセンハマグリです.やはり鹿島灘が代表的な産地です.また南西諸島やフィリピンにも分布域が及んでいるとも言われています(種子島では確認済みです).
チョウセンハマグリはハマグリよりも前後(普通の人の感覚では横)に長く,成貝の大きさは13cm以上にもなり,この属の中では最大です.殻自体の厚みもあり,昔から白い碁石の原材料として使われてきました.
よくスーパーで見かけるのは茨城産や三重産のものですが,茨城産のものはまずチョウセンハマグリと思って間違いないでしょう.注意が必要なのは三重県産ですが,どうやら三重県で養殖しているシナハマグリを三重県産として売っているような気がします.シナハマグリでない三重県産のハマグリはほとんどありません.見分けるポイントは,シナハマグリはハマグリに比べて貝の膨らみが弱いことと,比較的安定した模様が殻の表面に出るということです.一般的な模様は,くすんだ白地に雷のような褐色のジグザグが出るというものです.
さて生態ですが,摂食について触れると,ハマグリは海水中のけんだく物を海水ごと入水管から取り入れて,それをえらで濾しとります.残りの海水は出水管から排出します.あと幼生は…,
止まらなくなりそうなのでこの辺にしておきます.
もっと詳しい情報が必要なら知らせてください.
あと,役に立ちそうなサイトは残念ながら見つかりませんでした.
この回答へのお礼
お礼日時:2002/03/22 07:25
すごいです!ハマグリを研究されてた方にアドバイスいただけるとは!!サイトを探しててもここまで詳しく説明しているところはなかったので、ものすごく参考になりました。
一つ気になったのが幼生についてなのですが…。もしよろしければ続きを教えていただけませんか?よろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
幼生についてですが,生まれてから着底するまで漂泳生活をおくる期間があります.この間は海水中の浮遊物を栄養として摂取することで成長します(ちょっと記憶が定かでないので要確認).着底してからは砂の中にもぐり込んで水管だけをにょきっと出して海水を取り入れて懸濁物中の有機物を濾過します.これまでの古生物学の研究から,少なくともこの摂食方法はカンブリア紀以降現在にいたるまで,最も多くの二枚貝が採用してきた基本的な食性であると考えられています.
あとハマグリの生態でおもしろいのはアサリなどにも見られるようにカニが殻の中に共生(寄生?)することがあることです.インドから取り寄せたMeretrix casta というハマグリの中に,ピンノという小型のカニが入っていました.このカニはどうやらハマグリの摂取した栄養を横取りしているようです(どうやって横取りしているかは知りません).私が見つけたそのカニはメスで,ちゃっかりと小さな卵をたくさん抱えていました.もしそのだったならハマグリの中から小さなカニ達がたくさん出てくるということもあったんでしょうか?確かに殻の中はカニにとって安全そうですが,ハマグリにとってはきっといい迷惑なんでしょうね.
生き物って面白いですね.
この回答へのお礼
お礼日時:2002/03/24 18:12
私にも経験があります。アサリの中にカニが入ってるのって、アサリが食べてしまったものではなくて、逆だったんですね。びっくりです!幼生についても詳しいご説明をありがとうございました。本当に助かりました。
No.1
- 回答日時:
下のページが分かりやすいかと思います。
蜃気楼の蜃の字が「お化け蛤」を指すなんて知らず、勉強になりました。
今、店頭に並んでいるのはほとんど中国産です。
かつて桑名のような内湾でもハマグリは取れましたが、今は水質の悪化や埋め立てで限られたところにしか生息しないようです。
茨城県鹿島灘が国内産のほとんどを産出しています。
http://www.sopia.or.jp/kasima/
参考URL:http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/01/03/ …
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