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アインシュタインの一般相対性理論で重力は空間の歪みだ、みたいなことを言っていたと思うんですが、空間の歪みを描いたイメージありますよね。薄い布の上に物を乗っけて布が引っ張られたような絵です。
あれ素人にもイメージしやすいんですが、あれは3次元空間の歪みを2次元に見立てて描いていますよね。だから質問自体が変かもしれないんですが一応。

空間の歪みを描いたイメージにおいて、重力による歪みの方向を仮に下方向とすると、逆、つまり上方向へ空間を歪ませる力ってあるんでしょうか?
重力による歪みが凹だとすると、凸の歪みって事です。
もしそういう力があるとすると具体的にはどういったものなんでしょうか?
重力(引力)の反対だから爆発?って思ったんですが、もし爆発によって空間が歪むとすると光にも影響しますよね(重力レンズの逆?)。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

 重力とは何か、ということは、よく分かっていないのが実情です。

人間に分かっているのは、重力は「いかに」作用するか、ということで、「何か」は分かっていません。「いかに」作用するかは、実験によって知ることができます。その結果得られた法則が、ニュートンの万有引力の法則です。万有引力の法則を四次元に拡張して、一般座標変換に対して共変な形式にしたものが一般相対性理論です。ですから、一般相対性理論も「いかに」作用するかを記述する理論に過ぎません。一般相対性理論では、重力場を時空間の歪みとして記述しますが、この歪みも、重力が「いかに」作用するかを記述する方便であって、重力の本質を示すものではありません。ということで、空間が凸に歪んでいる、という概念そのものが、現在知られている重力に対応しないものである以上、意味のない問いであるということになります。
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この回答へのお礼

なるほど、重力についてよく分かっていないのが実情なんですね。非常に解りやすい解説でした。
ありがとうございました。

お礼日時:2006/11/06 20:38

大学で相対論を学んでいるものです。


私は専門家ではないので、参考程度に聞いてください。

>重力による歪みが凹だとすると、凸の歪みって事です。
もしそういう力があるとすると具体的にはどういったものなんでしょうか?

 凹の歪みに対する凸の歪みという考え方自体が無いように思います。
例えば、目の前の空気を見て表や裏(上・下)が判断出来ないように、宇宙空間も上や下といった概念はありません。
 確かにメディアで相対論が取り上げられる時に、よく宇宙空間(物理的には『時空』と言う)が曲がったゴム盤や薄い布のように例えられますが、それはあくまで一般人に時空の歪みを直感的に(ですが曖昧に)説明しているに過ぎません。
 実際、相対論では時間と空間を同じものとして考えます。(1秒=c(光速)メートルという単位系を使う。)

また、重力は単極子モーメントと言って、引力しか存在しないことが知られています。ですから、重力に斥力は存在しません。
他方、磁力(磁石の力)は双極子モーメントと言って、+と-の2つの力(つまり、引力と斥力)が存在することが知られています。
電気の力もこの例です。

 あと、(運動)エネルギーとは大きさしか持たない量なので、+と-の符号自体にはたいした意味はありません。+と-の符号は基準の取り方によって変える事が出来ます。
 例えば、今、あなたがビルの屋上に立っていて、上から鉄球が落ちてくる場合を考えてみます。自分より上を落下している物体の運動エネルギーを+、自分より下を落下しているときの運動エネルギーを-と取れます。この場合は+と-の基準になっているのは『あなたがいる高さ』の位置です。

 また、強力な重力源に向かって発射された、質量を持った宇宙船(参考までに言うと光には質量がありません。)は加速はしますが光速に到達することはありません。相対論的には質量を持った物体が光速の速さを持つためには無限のエネルギーが必要だからです。ただ、地球に止まっている人から見ると強力な重力源に向かった宇宙船は重力源に近づくにつれて宇宙船の速度が遅くなるように感じます。つまりブレーキがかかっているように見えます。しかし、宇宙船に乗っている人から見ると、変わりなく同じ速度で進んで見えます。
 
 このように光速に近い物体の運動は、私たちが経験している運動からは考えられない現象が起こります。
 この原因は、時間の進み方が『誰がどの運動を見ているか』によって変わるからです。
 このように運動の見え方が相対的であるので、相対性理論と言う名前がついています。

 長々とした文章、申し訳ありません。お役に立てば幸いです。
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この回答へのお礼

いろいろ教えていただきありがとうございました。
興味があるって程度ですが、いろいろ勉強して理解を深めたいと思います。

>また、重力は単極子モーメントと言って、引力しか存在しないことが知られています。ですから、重力に斥力は存在しません。

重力には引力しかないことが知られているんですね。勉強になりました。

お礼日時:2006/11/06 20:35

凸の歪みがあるとすれば「反重力場」ということになるでしょう。

重力の斥力という事です。斥力は磁石を思い浮かべていただければいいでしょう。SとNを近づければ、磁石はくっつこうとします。これが「電磁気力の引力」。逆にSとS、NとNを近づけようとしても、絶対にくっつこうとはしません。これが「電磁気力の斥力」。これの重力版が「反重力場」ということです。爆発の様な訳の判らないものではありません。

空間の歪みは確かですから、やはり「逆重力レンズ効果」が観測されるでしょうね。

ただ、残念ながら「反重力場」すなわち静止質量が-になる物質、運動エネルギーが-になる物質というものは発見されていません。ありそうだと予想さえありません。

この回答への補足

Scullさんの解説を読んで、新たな疑問が浮かんだんですが、

仮に質量が-になる物質が在ったとして、質量+の物質は+同士引き合い集まるにつれてその質量(引力)を増していきますが、質量が-になる物質は同じ-の物質に対して引き合い集まりその斥力を増していくんでしょうか?
それとも-同士でも反撥し合い、集まることはないんでしょうか?
もし後者だとすると、質量-の物質は常に単体で存在している事になり、空間に及ぼす影響が小さく観測できない(=存在しない)ということにはなりませんか?
また、質量-の物質を質量+の観測機で発見することは可能なんでしょうか?

あと運動エネルギーの事についての質問ですが、
例えば強力な重力元(ブラックホールとか)へ向けて何かを発射した場合、光以外の質量を持つ物質は加速しますよね。これが、+の運動エネルギーなのかな?と思うんですが、もしその速度が光速に達した場合、そこで加速が止まる訳で、その時点からブレーキとなりうる何らかの-エネルギーが生じるような気がするんですが違うんでしょうか。きっと根本的に解っていないんでしょうね?

もし宜しければお時間のあるときに教えてください。

補足日時:2006/11/05 14:46
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この回答へのお礼

素人なので分かりやすく説明して頂き助かりました。引き合う力に対して、反撥する力、まさに斥力って事ですね。少し解ったような気がします。

> ただ、残念ながら「反重力場」すなわち静止質量が-になる物質、運動エネルギーが-に> なる物質というものは発見されていません。ありそうだと予想さえありません。

予想でもないんですね。勉強になりました。
爆発ってのは大ボケでした。

お礼日時:2006/11/05 14:46

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