No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>「ある事実」を命題というのか、
>それともその言語的表現を命題というのか
論理学や言語学では,どちらの意味でも使われます。
>「私は独身である」という言明は命題ではないと思う
考えすぎのように思います。
命題とは真偽を与えうるものであればいいんです。
現実世界で真理値が与えられなくても,いっこうに構いません。
「百年後に人類は滅亡する」だって,百年待たなければ真偽は分かりませんが,百年後には真理値を与えうるわけですから,立派な命題です。
論理学では「可能世界(possible world)」というものを考えます。
ある可能世界で真理値が与えられるならば,立派な命題です。
ある世界では「太陽系の惑星は9個である」が真だし,また別の世界では8個が真です。
形式論理学的に言えば,述語が一つの肯定平叙文はすべて命題です。そうでないと,命題に付くはずのいろいろな操作子(否定・疑問など)やモダリティ(「にちがいない」「はずだ」「ねばならない」)がつけられないことになってしまう。
「私は独身ではない」
「私は独身であるべきだ」
があり得ない文と言うことになってしまう。
第一,「「私は独身である」というのは真である」,と言える以上,命題としか言えませんよ。
#「私は歯が痛い」も同じように,命題だと言えます。
#ただ,普通の平叙文は「命題+断言のモダリティ」です。
#日常言語で,単なる命題だけを発話することはありません。
#その意味では,「言明は命題ではない」というのは正しい。
#言明はモダリティであって,命題の外にあるものです。
#でもそれは命題の中身とは無関係です。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
とにかく解説書によって説明がバラバラなので頭が痛くなります。
ある書物によれば、「ある事実」を命題といい「その言語的表現」を言明という、と解説されいますし、又ある書物によれば「私は歯が痛い」は真偽が一定していないので陳述ではないと解説されていています。
その場合「真偽の定まった文を命題と呼ぶ」が正しいとすれば「私は歯が痛い」は命題ではないということになり、又逆に「私は歯が痛い」が命題であるとすれば「真偽の定まった文を命題と呼ぶ」という定義は間違いということになるんですよね。
いずれにしろご説明では、「ある事実」もその言語的表現も真偽の与えうるものであれば命題であるといってよい。
ということでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それと是非お伺いしたいのですが
「わたしは歯が痛い」という文は真偽が一定しているといえるでしょうか?
よろしくお願いいたします。
No.6
- 回答日時:
#4です。
#5さんの投稿に対するお礼を述べるための横レスを再度お許し下さい。
#5さんへ。
素人の疑問に大変丁寧に対応していただき心より感謝いたします。
「禿かどうか」ではなく、「フランス王は存在しない」ことに例文の意味があったのですね。
失礼しました。
無知ほど強いものはない・・・、といったところでしょうか。(^^;)
過去のURLも拝見いたしました。
ある部分までは非常にわかりやすく説明していただいているように感じますが、私の理解能力の限界も同時に思い知らされます。
真とも偽とも判定しようがなくとも、記述論的には命題として成立し得る場合がある、ということなのですね。
そうなると、
「命題」という概念を理解することにどのような意義があるのか(現実的に役に立つとか立たないとかのレベルは無視して)、
というまた新たな疑問が湧いてくるのですが、これ以上、この欄をお借りすることは88mmyyさんに対して失礼になると思うので再質問は控えます。
「>不確定性原理のコペンハーゲン解釈」というのは、
捉え方によってどのようにも解釈できる、といったような意味なのでしょうか。
いずれにしても本当にありがとうございました。
88mmyyさんも快く横レスを許していただきありがとうございました。
「そんなこと許した覚えはない? 」
確かに・・・。
私もそのうち何かの質問を立ち上げるかもしれませんので、その時までの貸しということにしておいてください。
良い質問をしていただきありがとうございました。
わけがわからないままでしたが、何となく良い勉強のきっかけを得たような気がします。
頭を痛めながら前に進んでみますか・・・、とりあえず。(^^;)
No.5
- 回答日時:
うーむ,まさか「現在のフランス王」ではなく,「はげ」の方に反応があるとは。
詳しくはこのカテのQNo.2575777(http://okwave.jp/qa2575777.html)をご覧ください。命題は真理値を与えることができればいいので,
>命題自体は「常に真と定まった文」でなければならない
では狭すぎます。
「木村拓哉は女だ」は(たぶん)「偽」ですが,「偽」という値を与えうるので,命題です。
ま,ウィトゲンシュタインのように,ラッセルの部屋に行って,「このへやにサイはいない」ということにさえ,納得できない人は沈黙を守る以外ないでしょう。(頭のよすぎる弟子をもつ大変だ!)
繰り返しになりますが,私は形式意味論者なので,述語が一つの肯定平叙文はすべて命題です。
#「誰が聞いても異論を唱えようがない事柄」
#これは難しい。
#不確定性原理のコペンハーゲン解釈の問題とかあってね。
#ここまで来ると私の手には負えません。
#あしからず。
No.4
- 回答日時:
素人ですが、命題については私も是非知りたいので、多少横レスも含まれていますが参加をお許し下さい。
#2さんのご回答の、
「現在のフランス王ははげている」
という例をお借りして、私の考えを述べます。
これは、「はげている」ことが「常に真であって矛盾がない」とは言えないと思うので命題ではないように思います。
つまり、いくら禿げていても「え? あのぐらいでは禿げているとは言わないだろう。」という解釈をする人も中にはいる可能性があるでしょうから。
「現在のフランス王は頭頂部の○%に毛が生えていない。」(頭頂部というものが明確に指定可能な場合)
あるいは、
「Aさんは丸坊主である。」であれば命題と言えると考えます。
「真偽の定まった文を命題と呼ぶ」ということに関してですが、
『【ある真偽を定めるため】の基盤足り得る確固たる真実、またはその真実を表現している文』を命題と呼び、
命題自体は「常に真と定まった文」でなければならないという風に解釈しています。
つまり、命題は誰が聞いても異論を唱えようがない事柄、またはそれを表わす文であろうと思っています。
#2さんに教えていただきたいのですが、
1、
『#「真偽の定まった文を命題と呼ぶ」という定義
#は,論外だと思うが。
#「現在のフランス王ははげている」
#は,どうするんだ?』
という部分は反語的な表現のようにも思えるのですが、実際に意図されるところをもう少し詳しく教えていただけないでしょうか。
2、
命題の解釈が様々であるとはいっても、良く使われる言葉だと思うのですが、
この言葉を使用する場合には、命題という言葉の解釈に言及してからでないと論理的な会話にはならないということになるのでしょうか。
知りたいところです。
横レス失礼しました。
88mmyyさんはどう思われますか?
No.3
- 回答日時:
>「わたしは歯が痛い」という文は真偽が一定しているといえるでしょうか?
さまざまな可能世界を考えるならば,一定していません。
というか,一定する必要もないし。
少なくとも命題の定義とは無関係。
>「私は歯が痛い」という文は陳述でしょうか。
陳述は使う人によって定義が異なります。
その違いは命題の定義以上です。
ま,単に単にstatement あるいは declarative ということでしたら,陳述です。
もっとも陳述ではないという定義では,狭すぎて,理論として使い物にならないんじゃないかと思いますけど。
>あまりに頭が痛いので先に進むのは止めにいたしました。
いやいや,気にせず,進んでください。
そのうち頭が痛いのが快感になります。
他人の頭も痛くしてやろうと思うようになります。
そうなれば,あなたも立派な哲学者です。
No.2
- 回答日時:
>「ある事実」もその言語的表現も真偽の与えうるものであれば命題であるといってよい。
私が言ったのは,
表現そのものを命題と呼ぶこともあれば,表現の内容を言うこともある,
ということなんですが。
>解説書によって説明がバラバラなので頭が痛くなります。
説明がバラバラなのは,
1.入門書と専門書の違い
入門者には多少正確さを欠いても,分かりやすい表現が求められる。
専門的には誤りであっても構わないし,その方が入門書としては正しい。
2.立場の違い
哲学にも派閥があります。サール,オースティン,グライスなどの日常言語学派や,ラッセルやウィトゲンシュタインのようなケンブリッジ学派など,さまざまです。
ご質問を拝見すると,ケンブリッジ学派を念頭に置かれているようですね。
おそらくはご存じでしょうが,ラッセルとその弟子のウィットゲンシュタインでも違います。
「このへやにサイ(カバ)がいる」が事実かどうか,とかね。あるいは,「この部屋には火があるが、私は火があるとは信じない」(ムーアのパラドックス)とか。
頭を痛くするのはこのくらいの段階に来てからにしましょう。
とりあえずは,いろんな定義があるんだなぁ,程度で先に進んでください。
#にしても,
#「真偽の定まった文を命題と呼ぶ」という定義
#は,論外だと思うが。
#「現在のフランス王ははげている」
#は,どうするんだ?
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