
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
飽和カロメル電極(以下SCE)は参照極として使用されます。
まず基本として、参照極は高インピーダンスの装置に繋がれており電流はほとんど流れず、反応はごくわずかしか起きません。したがって、反応は「進んでいく」ということはありません。
また溶液内は常に電気的中性が保たれています。たとえば電極内からCl-が出ていくと、KCl結晶が溶けるのではなく、電気的中性を保つために反応式が右へ動いて、電極に電子が溜まることになります。つまり、電極内部から出ていったり入ったりするCl-を検出することになります。KClを用いていますので、実際にはCl-が出ていくときにはK+が入ってくることになります。この駆動力は、もちろん、測定したい電位差によるものです。
SCEは標準電極として使われますが、標準電極として大事なのは温度に対する安定性と経時変化に対する安定性です。
SCEではKClが飽和していますので、温度による溶解度変化のために電位の温度依存性があり、この点はKCl濃度を一定に保った電極(実物は見たことがありませんが)に劣ります。しかし過剰のKCl結晶を入れておけば溶液は常に飽和していますので、内部の液が蒸発して濃度が変わるといったようなことがなく、安定した電位が手軽に得られることになります。

No.2
- 回答日時:
#1のお答えにもありますが、飽和KCl溶液を用いることにより塩化物イオンの濃度が精密に決められます。
カロメルの溶解度積は決まっているので、塩化物イオンの濃度が決まれば全ての化学種の濃度が決まり、起電力が決まります。
この起電力を一定に保つためにKClを飽和させているのです。
これによって標準電極としての機能が果たされます。
この回答への補足
KClの飽和=Cl-の飽和ではないのでしょうか?Hg2Cl2(s)が電子をもらい、Cl-が生成された場合、Cl-飽和状態の液に溶解できないので、はじめカロメル電極はカソードとしての役割はできないのではないかという疑問がでてしまいます。どうでしょうか?
補足日時:2007/01/30 11:53No.1
- 回答日時:
反応の方向よりも反応が平衡状態にあるということが大事です。
反応の平衡定数は温度が一定だと一定の値となります。よって、塩化物イオンの濃度が一定となり電極の性質が完全に規定されます。
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