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「生まれる」「生れ」の送り仮名について質問します。私は、「生れ」という書き方に疑問を感じ、電子辞書で調べてみました。まずは、広辞苑。「うまれる」は「生まれる」と書いてあるのですが、「うまれ」とか「うまれ~」というのは、「生まれ」ではなく、「生れ」「生れ~」でした。次に漢字源。「う・まれる」の他に、説明文として「生まれながらにして~」とありました。これらについて、国語的には何が正しいのでしょうか。学校教育ではどうなっているのでしょうか。また、いつ頃どのようになったのでしょうか。教えて下さい。

A 回答 (3件)

学校教育では、動詞を「生む」「生まれる」、名詞を「生み」「生まれ」と送ります。



送り仮名は、その名の通り(1)「送り仮名の付け方」(昭和48年 内閣告示・訓令 昭和56年一部改正)という法令によっています。これは、(2)「送りがなのつけかた」(昭和34年 内閣告示・訓令)を改訂したものです。
国の決めたよりどころではありますが、言論表現、あるいは個人の言語生活を束縛するものではないことが、(1)の前書きにも書かれています。

(明治以降、いわゆる正書法の一つとしての送り仮名法はいくつか出されてきましたが、その内容を調べるための資料・時間はないので、省略させていただきます。)

(1)は、七つの通則からなり、本則・例外・許容によって構成されています。本則は文字通りであり「原則」とほぼ同義。例外は本則が適用されないもの、許容は本則以外に認められるもの、のことです。学校教育では混乱を避けるため、本則並びに例外が適用され、許容やなおがき(但し書き)の部分は、中高校では基準とはされません(小学校ではもちろん)。「生れ」と送るのは、本則では「生まれ」と送るとなっているが、「生れ」という送りも許容されるということです(通則2による。)よって、冒頭述べたように、学校では「生まれ」と送られ、場合によっては教師によって「生れ」も許容されていると教えられるわけです。(学校は規範を教えるところですから、特に小中学校=義務教育では、「生れ」と送ると、教師によって誤りとされまるのが普通です。市販のものを含め、国語の教材はそのように作られています。)
ただ、上記のように、(1)は刑法のように人や社会を縛るものではなく、また、その中で許容とされ、しかも戦後まで((2)が出されるころまで)は「生れ」の方がむしろ一般的であった(あるいは、厳密な規則はなかった)と考えられるので、広辞苑第二版補訂版(昭和51年初版 私の手元にあるもの)にはそのように載っています。しかし、手元の広辞苑第五版による「逆引き広辞苑」では、「生まれる」となっています。現行第五版の本冊については持っていないので、書店で調べてみたいと思います。質問者の方は、第何版をお持ちでいらっしゃいますか。

さて、肝腎の(1)に書かれた決まりですが、それについて、次にご説明いたします。

通則1には、次のようにあります。以下「 」内、また「 」内の( )などかっこの部分も原文通り。・・・は回答者による省略を示します。
「本則 活用のある語(通則2を適用する語を除く。)は、活用語尾を送る。例 憤る 承る 書く(後略)」
活用語尾、つまり形の変わるところから送るということです。これは動詞のほとんど、形容詞。形容動詞の多くに適用されます。

以上を受けて通則2には、次のようにあります。
「本則 活用語尾以外の部分に他の語を含む語は、含まれている語の送り仮名の付け方によって送る。(含まれている語を〔 〕の中に示す。〕 例 動かす〔動く〕・・・生まれる〔生む〕・・・起こる〔起きる〕・・・」
以上は、いわば通則1の例外((1)内の術語である「例外」とは異なります。)です。「起こる・起きる」ののように、活用語尾を送ると、ともに「起る」となり、区別がなくなるものどうしの場合は、特にかき分けが重要です。それに対し「生まれる・生む」の場合は、混同するおそれはさほどありません。【ただ、他動詞の方を通則1に従って「生む」とし、自動詞も通則1に従って「生る」とすると、「生」に、「う・うまれ」という二つの訓ができてしまいます。しかし、その二つは本来同じ意であり、それに二通りの訓を当てるのは無駄です。そこで、自動詞の方を他動詞に合わせて「生まれる」と送り、「生」の訓を「う」に統一したのではないでしょうか(以上、【 以降は回答者の私見です。)。また五段他動詞から派生した下一可能動詞「生める」と「生まれる」は、通則1に従うと「生る」で、区別ができなくなります。

ただ、通則2の後半には、「許容」として次のように書かれています。
「許容 読み間違えるおそれのない場合は、活用語尾以外の部分について、次の( )内に示すように、送り仮名を省くことができる。 例 浮かぶ(浮ぶ)生まれる(生れる)・・・」
上記で少し触れましたが、自動詞を「生れる」と書けば、他動詞「生む」やその可能動詞「生める」と混同するおそれはないわけです。

また、通則4には、
「本則 活用のある語から転じた名詞・・・は、もとの語の送り仮名の付け方によって送る。・・・」
ここでは、例に「生まれ(生れ)」が挙がっていませんが、その理屈に従えば、「生まれ」が本則で、「生れ」は許容となると考えられます。

なお、何度も出てきた(1)の全文が載ったURL(文化庁HP)を下に貼っておくので、参考になさってください。

参考図書 
「日本文法辞典」(有精堂)
「『ことば』シリーズ」の3と19(文化庁)その他辞書など
 

参考URL:http://www.bunka.go.jp/kokugo/frame.asp?tm=20070 …

この回答への補足

広辞苑は、第5版、1998年11月発行のものです。電子辞書でなくて、ちゃんとした本になっているものなら、このような説明があるのでしょうか?回答者さんが言われているように、学校教育の場において「生れ」が間違いとされるのであれば、辞書にも「生まれ」として「生れ」は説明として→「生まれ」とすべきだと個人的には思うのですが。

補足日時:2007/06/01 22:24
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。お礼がすごく遅くなったことをお詫び致します。

お礼日時:2007/06/01 22:23

送り仮名をどうするかは、次の順番で決めます。



1.常用漢字表を見る。
2.漢字使用等についての内閣通達を見る。

「生まれる」については、常用漢字表では小学校1年生に配当されていて、そこで「う-まれる」と指定されているので、「生まれる」が正しいことになります。
次に「法令における漢字使用等について」を見ると、「活用のない語で読み間違えるおそれのない語」は、送り仮名の省略が認められています。
「生まれる」の「ま」は活用で変化しないので、省略も認められるということになります。

この回答への補足

しかしながら、辞書にそのような注意書きが一切書かれていないことに、疑問を感じますね。

補足日時:2007/06/01 22:16
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。お礼がすごく遅れまして申し訳ありません。

お礼日時:2007/06/01 22:14

「生まれ」「生まれた」と習いましたが、


「生れ」「生れた」でも良くなったと、新聞に載っていた事が有りましたね。
いつだったかちょっと忘れました。
ごく最近の事ではないですし、25年以上前でもないと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。お礼がすごく遅くなって申し訳ありませんでした。

お礼日時:2007/06/01 22:13

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