
「輝かして」と「輝かせて」という言葉の使い方には、文法的にどのような違いがあるのでしょうか?
パーツとしては、動詞「輝かす」と助詞「て」になると思い、辞書で調べてみたのですが、大辞林の例文には「目を輝かして話を聞く」とあります。「輝かせて」という使い方は、文法的に間違いなのでしょうか?
「輝かせて」は分解すると、動詞「輝かす」+助動詞「せる」+助詞「て」になるのかなと考えてみたのですが、それですと「輝かす」と「せる」の使役の意味が重複するので、文法的に正しいのかどうか気になります。文法的に正しいと言えなくても、それはそれで現代語として一般的な言い方、という言葉も世の中にはありますが、「輝かせて」もその部類なのでしょうか?
それとも、「輝かせて」はただ単に発音的に「輝かして」の慣用的な言い方であったりしますか?
日常生活ではどちらを使っても意味が通じるのであまり問題ないと思いますが、仕事等でなるべく正しい日本語で文書にしたいとき、用法の正確性を理解して使いたいので質問しました。
ご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひ教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「輝かす」は本来自動詞「輝く」から派生した他動詞で、「鐘を鳴らす」「湯を沸かす」などと同類です。
ただもとの「輝く」が五段活用なので、使役形の「輝かせる」との区別がつきにくいのです。
関西弁などで「生徒に教科書を読ました」、「部下に責任を取らした」のように言うことがあります。
それぞれ「読ませた」、「取らせた」が正式な形です。
「食事を済ました」「耳を澄まして」などは派生他動詞で、正しい形なのですが、一方で使役形の「済ませる」、「澄ませる」という正しい形があります。
東京の人は「ア列+して」「ア列+した」を聞くと、方言や崩れた形の「読ました」、「取らした」と同類のように感じられて、「食事を済ませた」、「耳を澄ませて」に“矯正”したくなりがちなのです。
「目を輝かせて」もその例に漏れません。
もとの自動詞が五段活用でない場合は、自動詞「起きる」の派生他動詞「起こす」は使役形の「起きさせる」とは形が明らかに違いますから、「起こした」が「起きさせた」の方言だと感じられることはありません。
「輝かして」と「輝かせて」は「し」と「せ」の違いしかなく、使役表現としての「輝かせる」は正しい形として存在するので、「し」を「せ」と言うことが多くなってきたのです。
結論として、「肩を聳やかせて」は許容されませんが、「目を輝かせて」は一般的には誤りとする必要はありません。
「子どもを甘やかせる母親」も、現時点では正しくありません。
動詞によって、派生他動詞「~す」がある場合ない場合、また「~せる」が正しい形としてある(一語として一般に定着している)場合があるのですね!
五段活用の場合の区別がつきにくい、と難ポイントを明確にしてくださり、理解しやすくなりました。
多くの動詞とその使用例をご紹介くださったこと、判別基準を明確にしてくださったこと、また地域性についても解説してくださったこと、それら全てが勉強になり応用にも使えて大変助かりましたので、ベストアンサーにさせていただきたいと思います。
ありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
「輝かして」→他動詞「輝かす」の連用形「輝かし」 + 接続助詞「て」。
「輝かせて」→自動詞「輝く」の未然形「輝か」 + 使役の助動詞「せる」の連用形「せ」 + 接続助詞「て」。
という構図になるかと思います。
どちら使役の意味になりますが、他動詞と自動詞では、どう違うのか、ということになりそうです。
「目を輝かして」のように他動詞の場合、「目を!輝く状態にさせる」というニュアンスがあると思います。
「溢れてくる感情の力によって目を輝かして~」などといった、意志の力を強く感じさせる表現。
それに対して、
「目を輝かせて」のように自動詞の場合、「目が輝く!という状態にさせる」といったニュアンスではないでしょうか。
「溢れてくる感情に押し流されたかのように目を輝かせて~」のように、目が輝く状態は、あくまで結果的に、自動的に訪れているイメージがあるように思います。
「鳴かぬなら鳴かしてみようホトトギス」は、ホトトギスを力ずくでも鳴かせる、という意志を感じます。
「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」は、何とか、ホトトギス自身が自発的に鳴く状態にさせる、というニュアンスを感じます。
以上、個人的な感覚にすぎませんが。
詳しい構図、なるほどです。
「輝かせて」は自動詞「輝く」の活用なのですね!
自動詞・他動詞について考えてなかったので、目から鱗が落ちました。
ニュアンスの違いについても、参考にさせていただきます。
ありがとうございました!
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