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「美しい花を咲かすヒマワリ」と
「美しい花を咲かせるヒマワリ」とではどちらが正しい日本語でしょうか。
この場合、自発ということで表現したいのですが。

私は「咲かせる」の方が正しいと思うのですが、根拠がわかりません。
「咲く」は自動詞、「咲かす」は他動詞と書いているものもありますが、辞書には「咲かす」という単語は載っていません。
どなたか教えてください。

A 回答 (6件)

五段活用の動詞は、


鳴る-鳴らす
回る-回す
戻る-戻す
のように、自動詞と他動詞が明確に対応している語が、多く見られます。
これでいくと、
咲く-咲かす
の自動詞-他動詞対応も、あながち間違いとはいえないのですが、一般に、「~く」型の動詞を接尾辞「す」によって他動詞化するのは、あまり耳になじまない感じはしますね。
行く-行かす
聞く-聞かす
引く-引かす
歩く-歩かす
・・・と、どれも、「まあ、言わないことはないけど、行かせる、聞かせる、引かせる、歩かせる、のほうがしっくりくるなあ」という感触ではないでしょうか。
新聞の見出しなんかに、「女児死なす」なんて、見ないこともないんですけどね。

一応、この他動詞が「ある」として話を進めますと、
「咲かす」は、
未然形:咲か-さ(ない)、咲か-そ(う)
連用形:咲か-し(ます)
終止形:咲か-す
連体形:咲か-す(時)
仮定形:咲か-せ(ば)
命令形:○
と活用する、「サ行五段活用」の一語の動詞として扱います。

「咲かせる」は、
カ行五段活用の動詞「咲く」の未然形「咲か」に、使役の助動詞「せる」が接続したもので、動詞+助動詞の二語で構成されています。
ちなみに、使役の助動詞「せる」は下一段型の活用を起こすので、
未然形:(咲か)せ(ない)、(咲か)せ(よう)
連用形:(咲か)せ(ます)
終止形:(咲か)せる
連体形:(咲か)せる(時)
仮定形:(咲か)せれ(ば)
命令形:(咲か)せろ、(咲か)せよ
と活用します。

ゆーめーな歌の歌詞の一説にも、
「いつの日~か~花を咲かそうよ~~~」
というのがありますから、
「サ行五段活用の」「咲かす」は、一応、市民権は得ているのでしょうね。
でも、もう一つのゆーめーな歌には、
「そ~の花を~咲かせ~ることだ~けに、一生懸命にな~ればいい~~」というのがありますから、こっちは、「咲か-せる」を採用しているわけですね。

ところで、「咲かす」にしろ「咲かせる」にしろ、意味としては「使役」(ヒマワリが花に「咲く」という行為をさせる)になります。
いずれにせよ「自発」にはなりませんのでご注意を。
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この回答へのお礼

えっ! 自発では使えないのですか。
「赤い花をさかせるバラ」
なんていうのは、使役ですか。
困ったな。

お礼日時:2007/12/11 14:01

「咲かす」の成り立ちを考えてみると、「咲く」の未然形に使役を意味すると思われる「す」が付いていると考えられますよね。

でも、口語の助動詞の「せる」は、下一段型に活用することになっていますから、終止形及び連体形は「せる」で、「咲かせる」となるはずです。「花を咲かせるひまわり」の「咲かせる」は、「咲く」の未然形に使役の助動詞「せる」の付いたものだと判断して良いようですが、「咲かす」のほうは、そうではないようですね。
 では、文語の使役の助動詞「す」の付いたものと考えるとすると、これは、下二段型に活用しますから、終止形は「す」ですが、連体形は「する」となり、「花を咲かするひまわり」でなくてはいけません。
 そうなると、どうにも説明がつかなくなるわけですが、文語の「咲かす」で、一語であるような感覚があって、それが使われる中で五段活用化したものだと考えるのがよいのかも知れません。「咲かす」で一語だと考えて、他動詞とすれば、「花を咲かすひまわり」もあり得ることになります。「読ます」とか、「書かす」とか、「飛ばす」とか、その他にも同様の表現で、五段活用として使っていそうなものがありますよね。言葉の進化の一つかも知れません。
 以上思いつきなので、何の根拠もありませんが、参考になさってください。
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#4です。


二行追加する際に挿入の場所を間違えました。

 >「しびれを切らして」を「しびれを切らせて」と言う人もいるようです。
 >「砂糖を切らせている」と言う人も出てくるでしょう。

これはもとの動詞が下一段の場合の例で (「切れる」→「切らす」)、

 >「身体を揺らせて」、「髪の毛を垂らせて」のような言い方が普通になると思います。

の後に続けるべきものだったので、訂正させて下さい。。
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本来は口語でも「咲かす」(サ行五段活用) なのですが、関東の人は終止形はともかく、「咲かした」の形を方言のように感じて「咲かせた」と言う傾向があるようです。



五段活用の自動詞から使役的な意味の他動詞を派生する場合、「…ア列+す」 (五段活用) となります。
これと未然形に使役の助動詞「せる」が附いた「…ア列+せる」が混同されがちなのです。
 「鐘が鳴る」→「不平を鳴らす」「不平を鳴らした」
 「肩が凝る」→「工夫を凝らす」「工夫を凝らした」
 「岩が動く」→「机を動かす」「机を動かした」
 「蝶々が飛ぶ」→「ヤジを飛ばす」「ヤジを飛ばした」
 「水が澄む」→「耳を澄ます」「耳を澄ました」
最後の例も、関東の人の間では、終止形は「耳を澄ます」でも、「耳を澄ました」より「耳を澄ませた」のほうが正しいと感じる傾向があるようです。

もとの動詞が上一段活用の場合、使役的他動詞は「…オ列(稀にウ列)+す」 (五段活用) となります。
これと未然形に使役の助動詞「させる」が附いた「…イ列+させる」は形が歴然と違うため混同が起こりにくいのです。
 「落ちる」→「落とす」
 「下りる」→「下ろす」
「落とす」と「落ちさせる」、「下ろす」と「下りさせる」を混同することはないでしょう。
また「昨日財布を【落とせた】」は文法上あり得ない形 (可能動詞は別) です。
そこが「咲かす」「咲かせる」の場合との違いです。「咲かせる」は使役形としてならあり得る形ですから。
現に「尽きる」からは「尽くす」が派生していますが、それと別に「あいそを尽かす」と言いますね。
そうすると「…ア列+す」になるので、「あいそを尽かした」でなく「あいそを尽かせた」と言う人が出てくるわけです。

もとの動詞が下一段活用の場合、前の二つの中間です。
 「負ける」→「負かす」
 「荒れる」→「荒らす」
「荒らす」と「荒れさせる」は歴然と違いますし、「猪が畑を【荒らせた】」が間違いだということはわかります。
問題は「…ア列+す」です。
私の個人的な予想ですが、「身体を揺らせて」、「髪の毛を垂らせて」のような言い方が普通になると思います。

「済ます」と「済ませる」の場合、本来は「済ました」でしたが、今では「済ませた」と言うほうが一般的になりました。
関東の人にとって「済ました」が方言のように感じられることについて触れておきます。
使役形の「読ませた」を方言で「読ました」と言うことがあります。
 「あいつにやらしてみよう」
 「言わしてもらえば」
これらは「やらせて」、「言わせて」が正しい形です。
そのため東京の人が「…ア列+して」を聞くと、それは方言で、「…ア列+せて」が正しいという規範意識がはたらくのでしょう。
「耳を澄ませた」が優勢になっていく(?)のもこれが原因の一つと考えられます。
「しびれを切らして」を「しびれを切らせて」と言う人もいるようです。
「砂糖を切らせている」と言う人も出てくるでしょう。

今となっては、「このままでは済ませない」は「済ます」の可能動詞「済ませる」 の打ち消し (済ますことができない) として受け取ってもらえず、
「済まさない」 (済ますことをしない) ととられる可能性が高いため、「このままでは済ませられない」と言わなければならなくなりました。
私は「済ませられない」には耐えられないので、「済まされない」と言うことにしていますが、可能動詞が使えないのですから、やむを得ないでしょう。

>すま・す【済ます】
 [動サ五(四)]《「澄ます」と同語源》
 ……
 [可能]すませる
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%B …
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%B …
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 口語体と文語体の違いでしょう。


 どちらも正しい日本語だと思います。ただし、口語体で使われるならば「咲かせる」が良いと思います。

 「せる」(下一段活用):使役の助動詞
 「す」(下二段活用):使役の助動詞(文語形)
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
文語体なのですか。
よくわかりました。

お礼日時:2007/12/11 14:02

>とではどちらが正しい日本語でしょうか。


「咲かせる」です。理由は正しい活用だから。
しかし、口語では許容されています。
「お前に任せる」を「お前に任す」という人は
少なくない。
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この回答へのお礼

なるほど。
簡潔なご説明、ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/11 13:59

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