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密度行列が実対称行列かどうかで悩んでいます。
[参考URL] http://militzer.gl.ciw.edu/diss/node13.html

一番簡単な密度行列の例を考えます。
rho(x;y) = <psi(x)|psi(y)>
psi(x)は多体波動関数とします。

ここで、例えば上記URLのサイトには、「任意のエルミートなハミルトニアンに対しては、rho(x;y)=rho(y;x)である」とかかれています。
しかし、rho(x;y)=rho(y;x)であるためには、密度行列が実対称行列である必要があるように見えます。
<psi(x)|psi(y)>=<psi(y)|psi(x)>であるためには、<psi(x)|psi(y)>は実数でなければならないからです。

このような表記は他の論文にも見られまして、かの有名なkohnさんの論文Phys Rev Lett 76 3168(http://prola.aps.org/pdf/PRL/v76/i17/p3168_1)の2ページ目第8式に同様の記述があります。

密度行列ははたして実対称行列なのでしょうか?
なお、孤立系の様に波動関数が実数のみで表現できてしまう場合は除きます。三次元周期系のような場合を考えています。
よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

PAM123 さん:


> H=p^2/2m+V(R)として位置固有状態を基底とする特別の
> 場合についてのみ言っているということになるのでしょうか?

おっしゃるとおりと思います.
参考URLでも
For sake of numerical simulations, it is convenient to change to a position-space representation.
という記述のあとに問題の式が出てきています.
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この回答へのお礼

まとめてこちらに。

> Hamiltonianは基底の選び方によって、実対称にもエルミートにも・・・

という事が議論の中心のようですが、確かに複素基底で行列表示すれば、エルミートであるというのは理解できます。
結局私の質問に対する最良の回答は「適切な基底を選べば、実対称行列として表示可能」ということになるのでしょうか。

> rho(x;y) = <psi(x)|psi(y)>

上記の例ですと、<R|rho|R'>=<R|psi><psi|R'>ですから、|psi>が複素ベクトルである限り、この形で行列表示した場合は、エルミートである。ということになるのでしょうか。
一方変形していって、<R|rho|R'>=<R|exp[-beta H]|R'>/Zとしたとき、ユニタリー変換が発生していて、実対称行列となる。ということでしょうか?

[参考URL]ではたしかに「For sake of numeri・・・」と言っていますので、なんとなくそうなのかなーとは思ったのですが・・・少し疑問が残ります。

[kohnさんの論文]では、<R|rho|R'>=<R|psi><psi|R'>の形の定義式で密度行列を導入した後すぐに、rho(x,y)=rho(y,x)との性質を紹介しています。「実対称行列として表示可能」という意味で紹介しているとも解釈は可能ですが、今ひとつ納得行きません。この論文は純粋に数値計算手法を述べており、また境界条件についても特段の制約を設けてはいません。(もっともLetterですので、はしょっているのかも知れませんが・・・。)

(この論文の中でも)通常の多体Hamiltonianは複素数を含まないのにエルミートと言っているのもかかわらず、演算子rhoはsymmetricと主張するのは一貫性が無い様に思うのです。rhoはエルミートであると言えばいいのに、わざわざ実対称とした意味はないのでしょうか?(うーん、考えすぎなのかなぁ?)

また、rho(x,y)=rho(y,x)という”関数”の性質が、基底の選び方に左右されるというのも、いまいちふに落ちません。
(もっとも、”関数”として見てはいけないのかもしれませんが。)

んー、もう少し考えさせてください。

お礼日時:2007/05/01 16:21

siegmundさん、atushi256さん。

補足、回答ありがとうございます。
siegmundさんの言うように、数値計算上の目的で、特殊な場合で話を
するというように理解する方がいいようですね。

>「適切な基底を選べば、実対称行列として表示可能」
これはエネルギー固有状態を基底に選べば一般的に可能ですが、
これは自明であまり、意味がないです。位置固有状態について
一般のHamiltonianで成立するのか?というのが、疑問で
おそらく答えはNoだとおもう。では、URLの言ってる事は?
どうも解らない。

>また、rho(x,y)=rho(y,x)という”関数”の性質が、基底の選び方に >左右されるというのも、いまいちふに落ちません。
rho(x,y)=rho(y,x)が一般的なHamitonianで、位置固有状態を基底
とした場合に成立するのか?ですが、
まず、rho(x,y)=「rho(y,x)の複素共役」は一般的に言えてるわけです。ここで言われてるのは、虚部が存在しないというさらに強い主張ですが、これは上で言ったようにHamitonianの一般的性質からだけではでてこないようです。H=p^2/2m+V(R)では大丈夫そうですが、これは1体のHamitonianです。2体や3体の相互作用が入っても成立するのか?
とかいろいろ疑問がおこります、
なので私が最初に思ったのは多体であるという性質(粒子の入れ替えに対する(反)対称性)から、出てこないのか?ということです。

まだあまり考えてないですが、考えてわかりましたら、また書き込みます。
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この回答へのお礼

まず[Density-functional Theory of Atoms And Molecules ]の中に、rho(x,y)=rho(y,x)^* という記述を発見しました。

http://www.amazon.co.jp/Density-functional-Molec …

その後読み進めても、特に複素共役が取れることはありませんでした。

------------------------------------------

多体Hamiltonianを位置表示したときに、私の知る限り、複素数が出てくることは無いので、そういう意味で、実対称であると思います。

(スピン演算子が出てくるようなハミルトニアン[t-j modelとか]、相対論は無視しています。通常のコーンシャム方程式を使った計算などでは、この仮定はそんなにおかしくは無いと思うのです。)

------------------------------------------

> なので私が最初に思ったのは多体であるという性質
>(粒子の入れ替えに対する(反)対称性)から、
> 出てこないのか?ということです。

これは、おそらく無いと思います。
[kohnさんの論文]で取り上げられているのは、1粒子密度行列ですので、交換すべき粒子がないからです。
2粒子密度行列の場合rho(x1,x2;y1,y2)となるため、x1とx2(またはy1とy2)を入れ替えられます。
今問題となっているのは、xとyの交換であって、これは粒子の入れ替えではないからです。

-------------------------------------------

また1粒子密度行列のN representability conditionはその固有値が0と1の間であることと、tr[rho]=Nであることだと思います。
このことから、密度行列が実対称であるとは出てきそうに無いです。
(密度行列の対角成分が実数であることは明らかですし、固有値が0と1の間であることと、実対称であることには関連性がなさそうだからです。エルミートであれば、固有値は実数なので。)

------------------------------------------

あまり引っ張ってもこれ以上はなかなか結論が出そうにありませんので、最終的な答えは、自分でいろいろ計算したり論文読むうちに分かるだろうということにしておきます。

ただ個人的には、位置表示した限りでは、上にも書きましたが、Hamiltonianに複素数は普通出てこないので、実対称だと言い切ってもいいのではないかなぁと思っています。

ありがとうございました。

お礼日時:2007/05/06 02:16

Siegmund様。

No2と3のものです。
私も、HamiltonianはHelmit演算子だから、その行列表現がHelmit行列になるというのは、特に不思議はなかったのですが、質問者様の挙げているURLでは、それが実対称になるという主張をしています。私も実対称までいえるかどうか?は基底のとりかたに依存すると思ったので、この主張をどう導出するのか?がわからないでいます。
このURLの記述はどうとらえたらいいと思いますか?
H=p^2/2m+V(R)として位置固有状態を基底とする特別の
場合についてのみ言っているということになるのでしょうか?
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物理屋の siegmund です.



Hamiltonian はエルミート演算子です.
具体的に正規直交基底を設定して,それによる行列要素を並べたものがハミルトニアンの行列表示です.
エルミート演算子の行列表示ですからエルミート行列であるのは当然ですが,
実対称行列かどうかというのはあまり意味を持ちません.
基底の選び方によって実対称行列になったり,実対称行列でないエルミート行列になったりします.
行列表示は基底の選び方によるわけで,
基底を変更すれば対応する行列は unitary 変換を受けることになります.
言うまでもありませんが,実対称行列はエルミート行列です.

わかりやすい例をお目にかけましょう.
大きさ S=1/2 のスピンが1個だけあって,x 方向に磁場 h がかかっているという簡単な系を考えましょう.
スピンの i 成分(i=x,y,z)を S_i と書くことにして,ハミルトニアン H は
(1)  H = - h S_x
です.
本当は -gμ_B (hbar) h S_x ですが
(g は g-因子,μ_B は Bohr磁子, (hbar)は Planck定数を2πで割ったもの),
そこらへんの因子は h に含めてしまいました.
よく知られたスピン演算子の行列表現(Pauli 行列)は
(2)  S_i = (1/2)σ_i
        ┌   ┐
(3)  σ_x=│0 1│
        │1 0│
        └   ┘
        ┌    ┐
(4)  σ_y=│0 -i│
        │i  0│
        └    ┘
        ┌    ┐
(5)  σ_z=│1  0│
        │0 -1│
        └    ┘
ですから,(1)を行列表現すれば明らかに実対称行列です.

ところで,スピン演算子の行列表現は(3)~(5)に限られるのではなくて
        ┌    ┐
(6)  σ_x=│0  i│
        │-i 0│
        └    ┘
        ┌   ┐
(7)  σ_y=│0 1│
        │1 0│
        └   ┘
        ┌    ┐
(8)  σ_z=│1  0│
        │0 -1│
        └    ┘
でもOKです.
要は,大きさが 1/2 になっていて
(つまり,S_x^2 + S_y^2 + S_z^2 = S(S+1) = 3/4),
交換関係
(9)  S_x S_y - S_y S_x = iS_z
などを満たせばよいわけです.
これだと,(1)の行列表現はエルミート行列ではありますが,実対称行列ではありません.
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この回答へのお礼

siegmundさん 回答ありがとうございます。

上のほうにまとめて書きましたので、そちらを参照してください。

お礼日時:2007/05/01 16:29

No1の回答をしたものです。

回答する側が質問するのも変ですが、
すみません。わたしまだ理解できてません。
<R|exp{-H/b}|R'> = <R'|exp-{-H/b}|R>を証明することが
目的で、それは
<R|H|R'>=<R'|H|R> ---(1)
を示せばよい。のはわかります。ひらめいた内容は(1)が自明ということだと思いますが、すみません、そこがよくわかりません。
(1)は自明なんですか?Hamiltonianはポテンシャルに虚数が入らなければ実数という、ことの意味もいま一つ理解できません。

具体的にH=p^2/2m +V(R)かつ、位置表示と仮定して、つまり
位置演算子 =R 運動量演算子=-ih∇として計算すると
<R|p^2|R'>=ΣEi<R|Ei><Ei|R'>= p^2*exp{p(R-R')} のp-無限大から無限大の積分。なので、RとR'を入れ替えても結果は同じで対称。
ポテンシャル項はV(R)は実数なので、<R|R'>=δ(R-R')で対称。
のように示せるのですが、位置表示でない場合や、もっと一般のHamiltonianの場合でも示せるのでしたっけ?
つまりHamiltonianであることから演算子がもたねばならない
性質のみからはでないのでしたっけ。つまりどんなHをどんな正規直交基底で行列表現してもかならず、対称行列になるとはいえないのでしたっけ?
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この回答へのお礼

PAM123さん 返信ありがとうございます。

> No1の回答をしたものです。回答する側が質問するのも変ですが、
> すみません。わたしまだ理解できてません。

議論が深まるのは歓迎です。実際私の中で、すこし考え方が変わりそうです。

まとめて上のほうに書きましたので、そちらを参照してください。

お礼日時:2007/05/01 16:38

うーん。

いろいろ計算してみましたが、導出できませんねえ。
なんかあっさり書いてあるけど…。
多分数学的な変形だけで出てくるのでなくて、物理的な仮定による
のだと思いますが…。
多体系であるということ。
すべての固有関数に関して和をとる。
あたりから出て来きそうな気がするのですが、よくわかりません。
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この回答へのお礼

計算していただいてありがとうございます。

お礼を書いているうちにひらめきました!

-------------------------------------------------------
[参考URL]のサイトにあるように、

<R|Density Matrix(DM)|R'> = <R|exp[-beta H]|R'>であるならば、
ハミルトニアンHはポテンシャル項に複素数を持ってこない限り実対称行列ですから、密度行列も実対称行列となるのは自明です。
(ハミルトニアンはいつもエルミートと言われていますが、複素数を含まないのに、なぜエルミートと呼ぶのでしょう?エルミートであるのは確かですが・・・。対称行列で十分な気が・・・。)

定義から、(簡単のため総和のインデックス&コンスタント項は省略)
<R|DM|R'> = <R|{Σexp[-beta E]|Psi><Psi|}|R'>
H|Psi>=E|Psi>であるから、
<R|DM|R'> = <R|{Σexp[-beta H]|Psi><Psi|}|R'>

Σexp[-beta H]|Psi><Psi|において、exp[-beta H]は総和の外に出せることと、{|Psi>}が完全正規直行規定であるとすれば、完全性からΣ|Psi><Psi|=Identityとなって、

Σexp[-beta H]|Psi><Psi|=exp[-beta H]Σ|Psi><Psi|=exp[-beta H]

以上より<R|DM|R'> = <R|exp[-beta H]|R'>

よって、DMは実対称行列。
---------------------------------------------------------

というわけで、実対称行列みたいです。
(証明があっていれば・・・。)

ただ、実際にコンピュータ等々で定義式である<R|{Σexp[-beta E]|Psi><Psi|}|R'>から計算する場合、世界のお偉い方さんは密度行列を実対称行列として扱ってるんでしょうか?

実際に密度行列を実数行列として扱った経験があるような方がいれば、すごく安心できるのですが・・・。

お礼日時:2007/04/27 20:46

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