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法学のレポートの課題です。社会規範として作用する存在には法の他にも道徳や宗教などが考えられそれぞれに存在意義があるが、特に法が存在している意義を理解することが大切である。さらに、わが国の法は、明治の社会を境に、今日、先進諸国の国々と同種のルーツ、原理をもつものでもある・・というような観点からまとめると良いと言われたのですが、まとめられなくて困っています。なにかレポートを書くための手がかりが欲しいです。よろしくおねがいします。

A 回答 (3件)

「法」が存在している意義、それは近代国家の権力者の権力濫用と関連しています。



前近代において、法がなかった時代には領主等による刑罰権の恣意的な濫用がなされていました。これは日本でもみられることですが、その日の裁判官の気分により軽微な犯罪でも死刑になってしまったり、刑の執行方法も火あぶり等、残虐なものであり、犯罪が多分に倫理的色彩の濃いものであったりと、刑罰権の行使というものは、犯罪取り締まり目的を大きく超えて、国民の生活を脅かすものですらありました。
民事などにおいても権力者の恣意的な法の適用により不当な判決が数多く為されました。

それがフランス革命等により領主からの支配から解放されるようになると、個人の自由が大きく認められるようになり、「権力者のための刑罰」ではなく「権力者の権利をうまく制限するような刑罰」が求められるようになりました。民事においても権力者というものはしっかりと監視しておかないと不当な判断を下すようになるからなんとかするべきだと思われるようになりました。

そこで、そういった権力者による恣意的な濫用がなされないために、裁判の手続きやトラブルが起こった時の解決方法を明文化して、明文に示されているように裁判を進行させるなどによって不当な判決や恣意的な法の適用をなくそうとしたのが法のはじまりであり、存在意義です。


日本法の特色ですが、
1 全体的に諸外国と比べて刑罰が軽い(理由は調べてください)

2 戦前の反省から倫理的、宗教的意味合いの強い刑罰があまり存在しない

3 立法による法制定の意欲があまりないため、それをカバーするための判例の役割が非常に大きい

等でしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございました。

なるほど....もし法がなかったらどうなるのか、という点から書きはじめてみようかなと思いました。

この課題のポイントを的確とらえていらっしやいます。コンパクトに要点をまとめていただけていただいて、ありがとうございます。教えていただいたことを、自分のことばでどう表現していけるかが問題ですけどね。

大学生になってまだ間もないので、高校までの学習法との違いに戸惑いを感じます。自分の頭で考えることに慣れていないので、こういった課題はつらいです。

お礼日時:2002/07/02 11:30

観点が示されているだけに、まとめやすそうでありながら、その実大変に苦しいですね(笑)。



私は法学には「超」がつくほどのド素人ですが、ヒントになる程度のことは述べられると思っております。

道徳、宗教などとともに、確かに社会規範として作用することを主な目的として、「法」は作られたと思います。特に明治以降は、司法面を支えるものとして、大きな役割を持ってきました。
ただし日本では、その法の文章そのものに、非常に大きな力を持たせているという側面があることを見逃してはなりません。少し拡大して考えれば、裁判において、「判例」が非常に重要視されることも、日本の法に対する考え方を端的に表していると思います。

「このような事件・事例があった場合、無罪と考えるか有罪と考えるか。どの程度の罪悪と判断するか」と判断に困った場合、日本では、今までに作られている法律の文章読み取りそのものを頼りにします。だから、法律を作るときには、一字一句に非常に神経を使い、決して曲解されることのないように、完璧に武装した文章が作られます。よって、これを覚える人たちは大変な苦労をすることになります。文章が一人歩きをしても大丈夫なように作られているわけです。

ところが、欧米では、見た目は同じ法律の文でも、背負ってきた文化が違います。向こうでは、法は、「携わった当事者たちが、その場で見出すもの」という考え方が根底にあるのです。

アメリカの陪審員制が、それを端的に物語っております。

ある事件がおきたとき、有罪か無罪かを判定するために、陪審員を含めた法廷全体では、状況を、心情的にも正確に再現しようとします。弁護士たちが述べ合う中で、法廷全体では、「ああ、そんな状況の中ならば、人間は、このような判断をして動くのが、より人間としての正しいあり方のはずだ。」というように一人一人が価値を判断していきます。

この場合、既存の法律は補助的な役割をしているに過ぎず、最終的な決め手は、法廷にいるみんなが、その状況における「法を見出す」ことにゆだねられます。

数年前におきた、日本人の高校生がアメリカで拳銃に撃たれた事件で、アメリカの法廷は無罪の判決を出しましたね。日本ではとうてい考えられない事態ですが、アメリカの法廷では、裁判というエンターテイメントショーが繰り広げられる中で、陪審員たちが、「おお、なるほど、その状況では、どんなアメリカ人だって、銃を撃ってしまうに違いない、彼に罪は認められない」という、「法」を見出してしまったのです。

法律の文は、決め手として使われるか、補助的な役わりに過ぎないか。ここに、日本と欧米の差が現れていると思います。繰り返しますが、日本の法律の文は、それだけが一人歩きしてもよいように、完全武装が施されます。欧米では、法律、道徳、宗教などが強く絡み合うことを当然としてきているので、それほど完璧な文章ばかりとは限りません。(「犬は夜中に集会をしてはならない」などという、わけのわからない法律のある地域もあると聞きました。)

的外れかもしれませんが、何かの参考になりましたら幸いです。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。

教科書に書いてあることとは違っていますが、個人的にとても興味深い内容で、拝見しながら「なるほど!!」と頷いてしまいました。日本法と欧米法にそういう違いがあるなんて、今まで知りませんでした。いかにも、という感じはします。おもしろいですね。

ひとつ利口になれたようでうれしいです。私は大学1年生ですが、法学は専攻ではありません。正直つまんないなぁと思っていたのですが、このようなお話は楽しいですね。

とても為になりました。ありがとうございました。

お礼日時:2002/07/02 04:46

1 法の存在意義が問われる問題でしょう。


 設問の趣旨からすると、道徳や宗教の戒律などの規範があるにも関わらず、なぜ「法」が必要なのかを問われているものと思われます。
 従って、戒律などの規範と法の違いを説明し、「法は倫理の最低限」についてまで言及すれば足りると思います。

2 大陸法や英米法との違いについて問われている問題でしょう。
 設問の趣旨は、法学史について問われていると思われますが、大陸法や英米法との関係についてまで触れる必要もあるかもしれません。
 従って、明治以前の「法度」などの規範と明治以降の法の違いについてと、導入過程について触れておけば足りるでしょう。「民法出て忠孝滅ぶ」というのがキーワードかも知れません。

書いてみると、以外と簡単ですよ。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございました。

要点をずばり!!指摘して下さいました。どこまで言及すれば良いのかが明確になり、書きやすくなりそうです。あとは文章力の問題??

「書いてみると以外と簡単」かどうかはわかりませんがアドバイスを参考に書いてみようと思います。                      ありがとうございました。

お礼日時:2002/07/02 05:05

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