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1.中動態が見られる言語と具体例を紹介していただけませんか?
2.印欧語ではなぜ衰退したのでしょうか?

A 回答 (1件)

ギリシャ語では中動態はよく発達しています。


古代から現代までずっと現役です。衰退したわけではありません。

能動 luo「私は洗う」→中動 luomai「私は自分を洗う=水浴する」
能動 graphomen「我々は書く」→中動 graphometha「我々は文通する」
能動 akuo「私は聴く」→ 中動 akuomai「私は耳をすませてよく聴く」

中動態には再帰的・相互的・強意的などの用法があります。
再帰の意味を明確にするために再帰代名詞を伴う場合もありますが必須ではありません。

中動態は多くのテンス・アスペクトで受動態と同じ語形です。例外は未来とアオリスト(=単純過去)です。受動には語幹末に-the-が付きます。直説法一人称単数だと、

現在 能 luo 中 luomai 受 luomai
完了 能 leluka 中 lelumai 受 lelumai
未来 能 luso 中 lusomai 受 luthesomai
ア  能 elusa 中 elusamen 受 eluthen

古典語で中動と受動が別形だった未来とアオリストが、現代語では違う表現の仕方になったので、ギリシャ語は今では中動と受動の動詞形態上の区別を失いました。現代語の文法書では中受動(mediopassive)という用語が専ら用いられています。

ギリシャ語は現在も動詞語尾の屈折がよく行なわれているほうなので、中動態の形態上の特徴も保たれたのでしょう。

中動・再帰の表示が語尾から再帰代名詞(or 再帰代名詞起源の形態素)に重点が移った言語(多くのロマンス諸語やゲルマン諸語など)では話し手の意識にはのぼらなくなったのです。
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この回答へのお礼

nakanonanako さまにご回答いただけて、幸せ!

お礼日時:2007/09/05 13:41

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