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No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>それともたんなる私の錯覚でしょうか?
「たんなる」とは言いきれませんが、或る意味、錯覚の部分があります。それと、後で述べる、近代自我の葛藤や、「若い年代でも、作品が書けて認められた」という時代状況・文化状況も関係します。
太宰は詩人ではなく小説家ですが、自我意識に敏感で、同様、自殺や死への傾向が、若い詩人や作家に多かったことは事実です。例えば、芥川も、漠然とした不安を理由に自殺しています。
しかし、太宰の場合なら、同時代にすでに文壇で名をなしていた川端康成に、芥川賞をわたしにください、という手紙を書きますが、川端はそれを無視しましたが、川端は長生きしてノーベル文学賞をもらい、その後、行き詰まって自殺しますが、これは老年の自殺です。
青春の詩をよんだ詩人が若死にしたかと言えば、明治の島崎藤村は、若死にしていません。樋口一葉は、詩人ではありませんが、才能を惜しまれつつ若く死にましたが、これは貧困によるところが大きいです。(しかし、樋口の才能が認められ、その作品の発表の場があったという文化状況も関係するのです。地方で、中央文壇との接触なく、若くして死ねば、作品もすべて消えて、いまに残りません)。
1900年頃に生まれたはずの西脇順三郎は、確か90歳前後まで長生きしていますから、詩人が若く死ぬということはありません。ただ、青春的な詩を書いた詩人(立原道造など)は、若死にしたので,後々まで、作品が愛されたとも言えます。
全体に平均寿命が短く(人間50年というのは、明治・大正だと、まだそうでした)、普通の人でも、若く死ぬ人が多かった時代ですから、例えば、宮沢賢治の死などは、貧困によるところがありますが、しかし、四十まで生きれば若死にとは言えなくなります。
中原中也でも、友人の小林秀雄はずっと長生きしています。詩人に限ってみても、北原白秋も長生きしていますし、萩原朔太郎も若死にではありませんし、夭折した詩人だけを見ると若死にしているように見えますが、同じ詩人で、青年的な詩を書いていた人で、長生きしている人もたくさんいるので、最初に述べたように「錯覚」だということです。
昔は平均寿命が短かったのですし、肺結核は死病でしたし、詩人だから結核になりやすいのか、肺結核になったので、詩を書いたのか分かりませんが、青年的な詩の詩人で、若くして死んだ人は数え易いし、印象に残るということがあります。しかし、長生きしている詩人も大勢いるので、やはり、錯覚です。
明治・大正の詩人、小説家、思想家は、基本的にインテリが多く、西欧文化をある程度知っていて、西欧の「純粋芸術」の理想などもあり、また「近代的自我の葛藤」に悩んだ人が多く、そういう人たちのなかで若くして死んだ人は、この問題意識が鮮明に残っているので、現代の読者にも共鳴できる部分があり、作品や名前が残っているので、そういう印象があるのです(太宰などが、その典型でしょう)。
一般の人も、病や貧困で若くして死んだ人は、まけないぐらいたくさんいたのですが、今から振りかえると、そういう名もない人の若死になどは、意識にも昇らないので、比較的に名の残っている文学者で若くして死んだ人の印象が強いのです。何といっても、彼らは作品を残し、現在に伝わっているので、余計に印象があるのです。
この回答へのお礼
お礼日時:2002/08/22 20:53
ご回答ありがとうございました。
asterさまのお考えを内心聞きたかったもので、大変うれしくまた内容はわかりやすく納得しました。
今後ともよろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
栄養面、疫病、医療の未発達などが考えられます。
経済の困窮が詩人たちにはついてまわりますから、食べずに書物を読んだり書い
たり・・・つまり食費を惜しんで本を買っていたというようなこともなさってい
たんじゃないでしょうか。
そのころの詩人をはじめとした、芸術化の方々が印税でがっぽりもうけていたと
いうはなしは聞いたことがありません。
もちろん裕福なご家庭に育った作家の方々もいたとは思いますが、イメージとし
ての短命、不幸、貧困は否めませんね。
ただしあなたの”なぜ”に明確な回答を導き出すのは困難です。
あくまで事実と傾向にたよるしかないと思います。
自信なし。
No.1
- 回答日時:
こんにちは!
自信は全くないですが、あくまで私の憶測の域を出ない考え、ということで。
詩人(文学者)は感受性の豊かな方がほとんどで、現実社会と自分の内面にある感情など(上手く表現できないので申し訳ありません)との葛藤を常に続けられていると思います。決して現実生活に対応できないというわけではないのでしょうが、現実社会には不条理なことも多々ありますので、その不条理に対して思い悩み苦しむために自殺を選んだりするのかもしれません。
もちろん自殺ばかりが死因ではないですね。栄養失調などにより肺炎・結核などの病気が体を蝕むことも考えられます。当時は今ほど医学も発達していないのでこれらの病気が命取りになることは良くあることだったのではないでしょうか。
童謡作家の金子みすゞも薄幸の生涯を短命で終えています。
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