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エンジン性能曲線にて、トルクが上昇してから再び下がるのはなぜなのでしょうか?
慣性力の影響があるのでしょうか?

A 回答 (7件)

エンジン開発エンジニアです。


NAエンジンにおける慣性過給効果では、インマニ径と長さ、ポート径、バルブタイミングで体積効率のピーク(エンジンがもっとも多く空気を吸い込むポイント)となる同調回転数が決まります。最近のエンジンではトルクの谷を防ぐために、連続可変バルブタイミング、可変吸気管長のデバイスで同調回転数を可変させています。ただし、可変するにも限度はありますので同調回転数を過ぎればトルクは低下していきます。

可変デバイスがない頃は、細く長い吸気管=低回転で同調する実用車、太く短い吸気管=高回転で同調するスポーツ車。バルブタイミングはオーバーラップ大、かつ吸気遅とじで高回転に同調しますが、低速でのアイドリングはできなくなります。可変デバイスのない、今日のF1エンジンのアイドリング回転数は4000~5000RPMくらいです。

また、一般的なエンジンでは高負荷でノッキングが発生しますので、ノッキング回避のために点火時期をリタードすると、体積効率MAX=トルクMAXとはならないこともあります。これはエンジンの基本設計(圧縮比、燃焼室形状、燃料オクタン価、冷却性能、カムプロフィールなど)によるものです。

ターボエンジンでは過給圧を制御することによって、トルクをフラットにできます。但し、低回転および高回転高負荷はノッキング回避のために点火時期をリタードせざるおえないので限界があります。
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2級整備士の専門学校を卒業した者です。


ブーストかんたらは解りませんが、トルクについてなら。

トルクとは回転力、つまり、力です。どれだけの力があるかどうかです。

力、身近なもので考えてみましょう。パンチ、キック、踏みつけ、ハンマでぶったたく、(とパンチ以外は仕事でよくすることだったりする)

上記は何かを押していまよね。

エンジン内でピストンを押すのは何か?
爆発した空気です。

混合気の爆発力=トルクとなる訳です。(正確には、約=です)
※混合気=ガソリン(燃料)と空気が混ざった気体

で、トルクは混合気の爆発力、
より、エンジンの性能を上げるためにこの爆発力を追求し
トラックなど重い車体を動かすために爆発力があるディーゼルエンジンがあり、
燃費を良くするために、少ない燃料で高い爆発力を生む事を考えてきて、今も考え続けられています。

爆発力を決める要因は何か?
基本は
  ・混合気の量
  ・混合気の混ざり具合
です。
それに点火時期が加わり、ピストンにピストン上死後10度で最高の爆発力が加わるようにしています。

混合気の量についてです。
限界まで吸い込める混合気が最大の混合気の爆発力になります。
簡単に言えば、1000ccのエンジンと3000ccのエンジンどっちの方がトルクがあるかと言えば、3000ccの方でしょう。
つまり、2000ccも多く混合気を吸い込むことができるからです。

同じ排気量でスロットルバブル全開時、アクセルペダルベタ踏む状態でバルブタイミングとバルブリフトについてです

エンジンが低速回転時、混合気は容積分吸い込むことができます。しかし、慣性効果が少ないので、容積分しか吸い込むことができません。また、下死点後、インレットバルブが閉じるので、下死点から上昇した分、インレットバルブ側から抜けてしまいます。
ですので、容積分しか吸い込むことができないのです。

慣性効果、これが混合気の吸い込み量に大きくかかわってきます。

車で言えば、急ブレーキをかけてもすぐに止まりませんよね。車は幾分かはすべりますよね。つまり、物体が動いているものは、動きを止めようとしても動き続けるということです。
で、ピストンが下降し、混合気を吸い込みます。
混合気は吸い込まれる=運動エネルギーを貰います。ピストンが下死点にきます。ここでピストンが上昇するので、空気を戻そうとしますよね。
でも、運動エネルギーを持った混合気は、混合気を圧縮してさらにシリンダの中に入ろうとします。ですが、ピストンが上昇しているので、混合気自体での圧縮できるにも限りがあります。この限界を超えるとインレットバルブ(ポート)から混合気が逆戻りします。
混合気自体で圧縮できる限界のところ、インレットバルブから逆戻りする寸前でインレットバルブを閉じることができれば容積以上の混合気が吸い込めます。充填効率が高くなります。

バルブタイミングを考えると、
エンジン回転数に合わせて、インレットバルブが閉じる位置を制御できると、一番良い充填効率になる訳です。
低速回転時は、下死点、
中速回転時は、下死点後…
高速回転時は、・・・・(後で)

低速回転時と中速回転時では、理想のインレットバルブの閉じる位置が違うのです。どっちかに合わせてしまうと、どっちかが悪くなる。

高速回転時は、充填効率が悪くなります。インレットバルブが閉じるまでに中速回転時のように混合気自体で圧縮されません。
と、いうのは、中速回転時と高速回転時を比べると、混合気が充填されるまでの時間が違うからです。エンジン回転数が早い=ピストンの上下運動が早いということです。

エンジン回転数が1分間に3000回転、つまり、1秒間に50回転、「ピストンが上から下へ行き、下から上に行く」のを50回している訳です。
1分間に6000回転、つまり、1秒間に100回転、「ピストンが上から下へ行き、下から上に行く」のを100回している訳です。

3000回転に対して6000回転では、2分の1の時間で、シリンダ内に空気を入れなければなりません。

インレットバルブが開き、ピストンが下降します。これで混合気を吸い込み始めます。混合気に運動エネルギーが徐々に加わります。車で言うと巡航速度になるまでの時間ですね。
ピストンの下死点に来ても、まだ、空気は充填しきれていません。空気が重たくて(もしくはピストンの下降速度が速くて)真空状態が発生しています。例えば、人が犬に追いかけられているとします。犬より早いと犬よりも距離が大きくなりますよね。犬よりも遅いと距離が縮まりますよね。
つまり、犬が混合気、ピストンが人、ピストンの方が早くて混合気がついてこれない訳です。
そうなると、真空状態が発生し、中速回転時のように混合気自体で圧縮されることがなくなります。その結果、充填効率が低くなるので、爆発力が低下します。つまり、最大爆発力ではなくなるのです。

となれば、早くからインレットバルブを開けば良いのです。
高速回転時は、インレットバルブを早く開く
これがバルブタイミングの考え方です。

また、インレットポートが大きくなれば、吸入できる混合気の量も多くなります。例えば、細いストローで水を吸い込むのと、太いストローとで吸い込むのでは、どっちの方が力がいりますか?
細い方の方が力が必要とされますよね。
つまり、インレットポートが大きくなればなるほど、充填効率もアップする訳です。だから、2バルブよりも4バルブ(インレット、エキゾースト各2本)の方が良いのです。

で、オーバーラップというものをご存知でしょうか?インレットバルブとエキゾーストバルブ両方が開いている時間です。低速時の吹き抜けというものがあります。インレットバルブとエキゾーストバルブ両方が開いているので、インレットバルブから入った混合気がエキゾーストバルブへ行き、燃えないまま、排気管の方へ行ってしまうことです。

なぜ、これを書いたのかと言うと、最大トルクを上げるために、バルブタイミングやインレットポートの大きさ、ポート数を上げても低速回転時には燃料の無駄が生じてしまうということです。さらには、充填効率が悪化し、トルクが弱くなってしまう。

で、この問題解決のために、バルブタイミング制御が生まれ、バルブリフト制御が生まれたのです。バルブタイミング制御は、インレットバルブの開閉時期を変える制御です。
バルブリフト制御は、ホンダのVTECて、低速時は、1つのバルブを小さく開き、中側は2つのバルブを小さく開き、高速時は、2つのバルブを大きく開くようにしたものです。

これらで、使いやすいエンジン性能にしている訳です。

以上でだいたいのエンジンがトルクが上昇してから再び下がるのです。

余談ですが、
同じ混合気でも燃え方によって爆発力に差が生じます。
理想の燃え方は、スパークプラグで点火した後、急激に一点から広がるように爆発することです。
急激に爆発できるかどうか?急激に爆発すればするほど、一揆に周りの空気を押しますよね。身近な例で言えば、ハンマで押すよりも、勢いをこめて叩いた方がより強い力が加わりますよね。
一揆に周りの空気を押す爆発力が理想の爆発なのです。
で、これを決めるのが混合気の状態なのです。混合気自体燃えやすいものですが、ピストンが高速で動く中、それを基準にして考えると早く燃えているとは言えないことがあります。所詮、爆発と言えども、火で物の燃やしているだけです。火を早くつけることができれば、できるほど早く燃える訳です。そこで、乱流効果、スキッシュエリアを改良し、ピストンヘッドの形状を改良し、燃焼室を改良し、スワール、タンブルと言った乱流を作り出しています。乱流を作ることによって、燃える速度が上がり、爆発力も向上します。

以上、参考になれば、…長々書いて私も暇人ですね。
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 結局の所、エンジン出力は、単位時間にどれだけの空気+燃料を燃焼させることができるかによって、おおむね決まってしまいますし、出力を回転数で割ると、トルクは必然的に決まります。


 同じ量の空気を、高回転で燃やせばトルクは小さいですし、低回転で燃やせば、トルクは大きいのは、物理的に当然のことです。
 F1のようにNAエンジンでできるだけ高出力を得ようと思えば、20000回転近く(ピストンがどれだけの加速度に耐えられるかに懸かっています。)にチューニングを合わせて、できるだけ多くの空気を取り入れて、燃料を燃やします。(やろうと思えば、高回転でもトルクがほとんど落ちないセッティングは可能なようです。)
 昔のターボF-1の時代には、回転を上げる代わり(ピストンの強度が必用で、重くなるので、加速度が厳しくて、せいぜい10000回転)にターボで空気を押し込んで、多くの燃料を燃やすことで出力を上げていました。(1.5リッターエンジンに、無理やり空気を押し込んで、1000馬力以上を発生させる燃料を燃やしていました)
 それでは、この時代は、何で出力の限界が決まっていたかと言うと。
 内燃機関の効率は、どう頑張っても30%まで達しません。という事は、1000馬力発生しているエンジンでは、2000馬力以上のエネルギーを主に熱として、排出しなげればいけません。これを、貨物船ではなく、レーシングカーに積もうとすると、車体構成としての限界が有ったようです。(予選一発勝負の時は3ラップ限定エンジンとかで1500馬力近く出ていたと言う話もありましたが。)
 現在のレースでは、F-1以外のほとんどのカテゴリーでは、リストラクターと呼ばれる規定で決められた内径と長さの輪っかが吸気経路に嵌められて最大吸入空気量を決められています。従ってエンジン特性は低回転から高回転まで、ほとんど一定出力で、トルクは高回転になるに従って真っ直ぐ下がる特性になっています。(WRカーは3000回転くらいで、とてつもないトルクを発生しているらしいです。)
 市販車の場合は、近年まで最大馬力が280馬力に自主規制されていたことや、実用性、燃費、耐久性、の問題で、(実際に頻繁に使用するのは、せいぜい3000回転ですからね)高回転ではトルくが落ちるセッティングとなっています。
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No2さんです。


>(2)ですが、吸気量が最も多くなる回転数になるとトルクが下がるのでしょうか
>吸気のタイミングが合うというのはエンジンが何回転の時である、というように限定されるのですか(=最大トルクの時なのですか)
>それ以降の回転数の時は、吸気のタイミングは合わないのでしょうか
どうも私の表現が足らなかったようで、吸気量が最も多くなる回転数になるとトルクは上がります。吸気のタイミングが合うのは通常3000回転位、最大トルクも同じ位で下記URLでもそうなっています。一般にはトルクの山は1つだけですが複数のものもあります。

>(3)ですが、回転数が上がることで空気との攪拌がよくなり燃焼効率が上がると、何故トルクが下がるのでしょうか
3000回転から上昇していくと吸排気タイミングのズレが大きくなって行き、摩擦損失も大きくなって行くので、生み出すトルクに対するロスの割合が多くなってトルク低下になります。5000とか6000回転を最大トルクにする事もできますが、3000回転前後が最大トルクの回転からズレ、一般ユーザーには使いにくいエンジンになります。こういうエンジンもありますが、購入層が承知の上なので構わないのです。

吸排気タイミングの1例を
吸気バルブの閉じ時期が早いと吸気未完で吸気不足、遅いと吸気がポートに戻り(吸気慣性で余分に吸気されている為と、圧縮工程に入る為)吸気不足。

参考URL:http://www.honda.co.jp/factbook/auto/ACCORD/1977 …
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もっと簡単に言うと、


爆発圧力が拡がるよりも速くピストンが下がってしまうから。
従って、最大トルク発生回転数を過ぎるとトルク自体は下がり
ます。

次に、ピストン上昇に排気が追いつかない所の回転数で、出力
も頭打ち。それ以上の回転数ではフン詰まりに成り、これが抵
抗となり、出力も下がる。と謂う事です。

吸気タイミングが最大効率で働くのは、お察しの通り、最大ト
ルク発生回転数付近。

何故かと謂えば、日常では殆ど意識しませんが、空気は、相当
に粘性の大きな、且つ重い気体だからです。こんな重い物体は
幾らムチで引っ叩いても、おいそれと運動量を変えてくれませ
ん。大きな粘性の為に、攪拌云々も、決して回転数に比例しま
せん。

故に、最大トルク発生回転数までは、確かに、攪拌も効果を発
揮しますが、そこを過ぎると幾ら頑張っても、粘性抵抗に打ち
勝つ為に力が使われて仕舞います。

→デブの集團を押し出すのに、ただ闇雲に速く突きゃあいいっ
てもんじゃない。って事です。一番疲れない(最大効率、即ち
最大トルク)押し出し速度が在りますでしょう。

結論。
回転数×ピストンの往復運動から生まれる力...正確には、
ピストン有効圧力...は、回転数に比例せず。
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>慣性力の影響


もあります。エンジン回転が上昇するとバルブの開閉タイミングとピストン下降による吸気のタイミングが合い(慣性も)、吸気量が最も多くなる回転数があります。もう一つは燃料の燃焼で、回転数の上昇と共に燃料と空気の攪拌が良くなり燃焼状態が良くなります。当然、最も効率が良くなり燃費も最良となります。可変バルブタイミングにすれば低速から高速まで全てタイミング良くできますが、吸排気ポートやバルブ、燃焼室やピストン、等の形状までは可変にできないので、やはり高回転ではトルク低下になります。最大トルクを高回転に持ってくる事もできますが、低中回転域が使い難いエンジンになるので特別な車種のみに採用されています。

この回答への補足

迅速なご回答ありがとうございます!
理由は、
(1)慣性力
(2)吸気量が最も多くなる回転数がある
(3)燃焼効率の向上

が影響していると考えられるのでしょうか?
知識不足ですみません。勘違いしていることばかりかもしれないですが、再び質問させてください!

まず、(2)ですが、吸気量が最も多くなる回転数になると、
トルクが下がるのでしょうか?
トルクはエンジン性能曲線ではある回転数で最大となり、
その後回転数の上昇と共にトルクは減少傾向にある気がするのですが。。。
吸気のタイミングが合うというのは、
エンジンが何回転の時である!というように
限定されるのですか?(=最大トルクの時なのですか?)
それ以降の回転数の時は、吸気のタイミングはあわないのでしょうか?

また、(3)ですが、回転数があがることで空気との攪拌がよくなり、
燃焼効率があがると、何故トルクが下がるのはでしょうか?
エンジン性能曲線では、回転数の高いところでトルクがあがっていないと思うのですが。

↓にも補足させていただきましたが、
トルク=クランクシャフト半径×ピストンの往復運動によって生まれる力
だとしたら、
回転数が上昇すればするほど、燃料と空気との攪拌がさらに良くなり、結果、ピストンの往復運動によって生まれる力は大きくはならないのでしょうか?
ご教授よろしくお願い致します。

補足日時:2008/03/06 21:57
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 一般的には、給排気系が、チューニングされている最適領域を外れるため。


 ターボ車では、ターボの容量の限界だとか、耐久性を確保するために、わざと高回転でブーストを落とす制御をしている場合もあります。
 1万回転オーバーの世界では、燃焼の伝達速度の限界が問題になってきます。

この回答への補足

御早いお返事ありがとうございます!

諸元表に記載されているトルクというのは、
クランクシャフトの半径×ピストンの往復運動によって生まれる力

でよかったでしょうか。
知識不足ですみません。

なので、エンジン性能曲線のトルクが下がるのは、
ピストンの往復運動によって生まれる力があるところで何らかによって下がるからですよね?

それがブーストを落とす制御をしているのと関係があるのだと思いますが、知識不足でよくわかりません。
また、ブーストを落とさない制御もしていることもあるのでしょうか?エンジンの回転があがると、
初心者の私はただ単純にピストンの往復運動によって生まれる力は大きくなるのではと思ってしまいました。
よろしければもう少しご教授お願いします。

補足日時:2008/03/06 21:46
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