
Na^+ の有効イオン半径 = 1.02 Å
Cl^- の有効イオン半径 = 1.81 Å
なので、NaClの格子定数(予想値)は、それぞれの直径の和で "5.66Å"
実際にX線回折で格子定数を測定すると "5.63Å"(多分正確)で微妙に少なくなっていたのですが、これは何故ですか?
百科事典引くと、”通常イオン結晶では最近接の陽イオンと陰イオンの間の距離は各イオンの半径の和に等しいか、あるいは少し大きい"となっているので、逆のはず?だと思うのですが。
有効イオン半径の "有効"の意味もいまいち不明です。調べてみると実際の結合長により近く補正した値みたいですが・・。詳しく解説してくださる方いらっしゃればお願いします。
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
> 実際にX線回折で格子定数を測定すると "5.63Å"(多分正確)で微妙に少なくなっていたのですが、これは何故ですか?
予想値 5.66Å と実測値 5.63Å は誤差範囲内で一致する、としてよいのではないでしょうか。
というのは
NaClの格子定数(予想値)= 2*(1.02Å + 1.81Å) = 5.66Å
ですから、有効イオン半径の精度を ±0.01 Å とすれば
格子定数の予想値の精度 = 2*√((0.01Å)^2+(0.01Å)^2) = 0.03Å
となるからです。
> 有効イオン半径の "有効"の意味もいまいち不明です。
イオン半径は、たとえ同じイオンでも、決め方と決めた人によっていろいろな数値になります。
例えば
理化学辞典(岩波書店)ではポーリングのイオン半径:r(O2-)=1.40Å, r(F-)=1.36Å,
化学大辞典(東京化学同人)ではシャノンの有効イオン半径:r(O2-)=1.40Å, r(F-)=1.33Å,
化学便覧(丸善)ではシャノンのcrystal radius:r(O2-)=1.26Å, r(F-)=1.19Å
が「イオン半径」の表に載っています。
このように「イオン半径」といってもいろいろ種類があるのですけど、私が知る限り「有効イオン半径」といったときには、シャノンの有効イオン半径を一義的に指すようです。
R. D. Shannon and C. T. Prewitt, "Effective ionic radii in oxides and fluorides", Acta Cryst. B25, 925-946 (1969).
http://dx.doi.org/10.1107/S0567740869003220
R. D. Shannon, "Revised effective ionic radii and systematic studies of interatomic distances in halides and chalcogenides", Acta Cryst. A32, 751-767 (1976).
http://dx.doi.org/10.1107/S0567739476001551
シャノンの有効イオン半径とポーリングのイオン半径とのいちばん大きな違いは、シャノンの有効イオン半径では、「配位数によってイオン半径が異なること」がきちんと考慮されていることです。より詳しくは「Shannon Pauling イオン半径」でググって出てくる文書(幸か不幸かそれほど数はありません)をご覧下さい。
No.1
- 回答日時:
イオンの大きさをイオン半径で表します。
でもビー玉やパチンコ玉のようにはっきりとした大きさが決まるものではありません。イオンでも原子でも周辺にボヤっと雲のように電子が分布しているだけなんですから。
そこでどこまで近寄ることが出来るかで大きさを見積もる事にします。
(通常ファン・デル・ワールス半径がイオン半径よりも大きいのはファン・デル・ワールス力が静電引力よりも弱いのであまり近くにまで近づくことが出来ないからです。)
格子定数はそういう距離の測定の1つです。でもこの測定で分かるのは合計だけです。NaXでいろいろXを変えた時の距離のデータ、YClでYをいろいろ変えた時の距離のデータに合うように平均的な値を各イオンに割り振ったものがイオン半径です。相手が変わればいくらか近寄り方が変わるでしょう。結晶構造が変わった場合も近寄り方が変わるでしょう。
うまく合うように決めた平均的な値だと思いますので実際の測定と合う時もずれる時もあるはずです。
>少し大きくなる
時も小さくなる時もあると思うのですが。
比較的大きさが近いところにある元素の組み合わせのデータから求めたイオン半径を離れた所にある元素の組み合わせに対して使うと「少し大きい」ということが出てくるのかもしれません。
NaClとKClは同じ結晶形ですがCsClは結晶形が異なります。
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