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国鉄の車両ですが、電動機の冷却風を車体側から取り込むために妻側や側面にルーバーがありましたが、台車搭架のモーターの冷却風をなぜわざわざ車体側から取ったのでしょう。
今まで気にならなかったのですが、そういえばブロワーや風洞も見たことがありません。
どのような風回りなのでしょう。
主抵抗器のブロワーはわかりやすいのですが。

A 回答 (4件)

昔の電車や貨物列車のブレーキには鋳鉄の制輪子が使われており、これは停車等ブレーキ使用時に盛大に鉄粉を撒き散らしていました。

そのため、駅周辺の線路は鉄粉の錆で真っ赤になっていたほどです。
また、電車路線沿線の宅地化や道路の舗装化も現在ほどは進んでおらず、畑などからくる土埃もかなりのものでした。

モーターの冷却というのは、基本的にモーターの電機子に組みつけられた羽根が電機子と共に回転することによって強制的に通風を行なうのですが、新性能電車はカルダン駆動による高回転モーターが採用されて冷却用に取り入れた空気内の異物に対してシビア(高回転であるゆえに、小さな異物でもモーターが損傷する可能性がある)になったため、上記の鉄粉や埃などからモーターを保護するためにわざわざ吸気用ルーバーと風洞まで設けて冷却用空気を取り入れているものと推測されます。

旧性能電車の主電動機は、吊り掛け式という駆動方式ゆえに大トルク・低回転のモーターだったので、モーター直付けや床下設置の吸気濾過器で済み、ここまでシビアな設計はしなくてもよかったようです(それゆえに旧性能電車にルーバーを設けた車両はいない)。
ただ、72系電車の台枠に103系や113系の車体を載せたいわゆる「アコモ改造車」にはちゃんと吸気ルーバーが付いているところをみると(モハ62などはオリジナルの113系車体に無い、車体側面ルーバーがある)、この風洞は旧性能電車でも有効であるようです。

103系などの通勤型(101系は除く)の吸気用ルーバーは車体側面戸袋部にあり、そこから戸袋を風洞の替わりにして空気を床下まで導き、床下台枠の隙間に作られた風洞を通り、モーター直上から蛇腹式のダクトでモーターに導かれます。

近郊型・急行型は妻面に吸気取り入れ口があり、そこから妻面内に作られた風洞を通り、床下風洞を経由してモーターに空気を送っています。
また、クモハ165やクモハ475のような制御電動車の運転台側や、モハ164-500番台のように妻面に中間運転台の窓があって妻面内に風洞が設けられない車両は、屋根上に大型の押し込み通風器を2基設けて、そこから客室とデッキを仕切る壁内に設けた風洞を通して冷却用外気を床下へ送っています。
近年、近郊型の中間電動車に運転台取り付けを行なった車両については、運転室至近の戸袋部に吸気ルーバーが設置されていますね。

特急型も近郊型・急行型と同様に妻面に吸気取り入れ口があるですが、風洞は妻面内に埋め込まれているのではなく、妻面に風洞ダクトそのものが露出している構造でした。

なお、積雪地帯を走行する車両では、この妻面のダクトでは雪の侵入を防ぎきれず絶縁不良等雪を原因とする事故が起こる為、電動車の車体端部に雪切室が設置され、ここで吸気した外気から雪を分離した後にモーターに送るようになりました(最初の採用は北海道向け711系)。
この雪切室は、東北・上越新幹線用として開発された200系新幹線にも遠心分離式のものが採用されており、吸気容量が大きい為か雪切室下部に遠心分離された雪の排出口が見られます。

また、通勤型や近郊型の車体中央付近の扉の戸袋部に設置されているルーバーは床下の電動発電機の冷却用吸気口です。

近年は、高架化や地下化の進展、沿線の宅地化に伴って土埃も減少し、貨物列車も昔から比べると本数が減った上に制輪子も合成制輪子が採用されて鉄粉の散乱も減った為にこのようなルーバーを採用した車両が減少したのだと思います。

余談ですが、バスにも電車と同じようなことがおこっています。
昔の(リアエンジン)バスのエンジン用吸気口は、屋根上に設置された長いダクトの先にありましたが、最近のバスの吸気口は車体後ろ上部隅にあります。
道路の舗装化が進展して土埃が減少したために、以前のような長いダクトを設けなくてもよくなったのですね。
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この回答へのお礼

いやあ、ありました!
ヤマケイの広田尚敬さんのフラッシュ写真、DT21B台車にしっかり写っていました。
これですか、何の変哲もないただのジャバラですね!
これはHO模型でも作りこむ人はいない部品ですね。
おっしゃる事にも納得です。
ありがとうございました。
すべて解決です。

お礼日時:2008/09/03 22:35

走行中の電車の床下は車輪や制輪子から出た埃が飛んでいたりして空気が汚いので、冷却風は車体の上の方から取っているとも聞いたことがあります。



最新のインバータ車でも、よく見るとちゃんとルーバーがついてますよ。
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この回答へのお礼

その様ですね。
最近は鉄道をめったに利用しないので、インバーター車の事がうとくて・・・

お礼日時:2008/09/03 22:37

>台車搭架のモーターの冷却風をなぜわざわざ車体側から取ったのでしょう…



雪害防止です。
自然通風では雪を一緒に吸い込み絶縁不良となり、直流機の時代にフラッシュオーバー事故が起こったからです。
雪の降らない地方の鉄道会社では、モーター自身にストレーナを背負わせた自冷式も多々あります。

>そういえばブロワーや風洞も見たことがありません…

電車では、モーターの内部にファンがあり、吸い込んでいるのです。
風洞は、外からでは見えにくいだけでつながっていますよ。

機関車では、ブロワーによる強制通風です。

以上、直流機の時代に某電機メーカーで電車モーターの設計に携わった者からでした。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
鉄っちゃんやって○○年、仕事で機械屋になって○○年、今頃になって具体的なところで疑問である事に気付きました。

雪切室がそうですね。
電車では自冷なんですか。
ブロアーの他冷で低速高負荷にも対応しているのかと勘ぐってしまいました。
で、お話からすると今のインバーター交流モーターではもう付けなくなったのでしょうか。

でも本当、今頃になってこんなささいな事で関心しております。

お礼日時:2008/09/02 23:41

強度が要求される台車枠に大穴を空けるわけにはいかないので、車体の側面から冷却風を取り入れる構造です。

モーター側に羽根があり、モーターの回転で冷却風を吸い込む構造ですね。風道は外板と内張りの間を通り(形式によっては戸袋を活用してます)、台車上部から蛇腹の風道でモーターにつながれています。

車両工場公開などに行くとたいていは、検査のために外されている台車がありますから、見れますよ。
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この回答へのお礼

なるほど!
それで103系も205系も戸袋部に口があるのですね。
妻面も近い場所ですね。
博物館に行ったら首を突っ込んで確認したいと思います。
バカ丸出しになりますけど・・・

お礼日時:2008/09/02 23:21

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