No.2ベストアンサー
- 回答日時:
数学者や(戦闘的な)平和主義として知られるラッセルですが
哲学者としては懐疑主義者として知られており
特に「世界5分前仮説」のような思考実験が有名ですよね。
(まあ、数学者・平和主義者としても懐疑主義者であることは間違いないですが)
世界5分前仮説とは、世界が5分前に出来たかもしれないという仮定から
始まる一連の思考実験です。我々は「記憶」によって過去を知覚できますが
これすら「初めから過去の記憶を持った状態で誕生した」と仮定すれば説明が
ついてしまいます。
つまり、我々が「因果律」と呼んでいるモノはあくまで経験上存在しているように
<<見える>>ものであって、絶対的な自然法則では無いことを示しています。
こういった因果律の存在しない世界では未来の記憶を持っていることもありえるのです。
このあたりは当時の「常識」を破壊することが仕事であった哲学者ならでは
の思考でしょうね。結局のところ、世界が5分前に出来ていたとしても
あるいは、未来の記憶を持っていたとしても我々には大した影響が無いのです。
我々は現在にしか干渉できないのですからね。
ただし、因果律が無いならば人類は完全に正しい理論に到達できないことを示した
という意味では大きな意味を持つ思考実験であったと思います。
ただし、これらは300年ほど前のイギリス経験主義という哲学・政治思想の根幹であり
ラッセルはその紹介を解りやすくしたに過ぎません。
この回答への補足
>我々は「記憶」によって過去を知覚できますが
ひとつお伺いしたいのですが、「過去を知覚」するの知覚というのはもはや存在しない過去の知覚をある仕方で表象する異なった知覚なのでしょうか?
もしそうであるとしたら記憶と想像とはどのように区別されるのでしょうか?
No.7
- 回答日時:
ANo.5です。
私の読み違いでしょう。言い訳では在りませんが、ラディカルに活動していた書記長時代に夜学の法学部に通いながら読書したものでして、多分理解・受け取りの間違いでしょう。≪>カントにおける、アプリオリなる時間。これを≫という部分を取り外すことをご了解ください。
創造の主格、行為・経験・意識・認識の真の主格を私たち経験世界の根底意識とおきます、いえ、として存在している。そういう根底存在の時間。という意味でのフレーズです。ですからこの私たちも含めて、やはり全創造界はその存在の意識の内容、結果、客体objectであるという、ことになりまして、そこに(そういう客体たる意識意識に)は時間は個別断続にならざるを得ない。
しかし、本来は一体的で全体であるという、論理証明を超えた(不可能な)提言です。
No.5
- 回答日時:
カントにおける、アプリオリなる時間。
これを物自体の、つまり存在自体の時間というなら、それは一連で断続はないのでしょうね。その中の、経験や知覚、認識や行為という個々の集積内容を過去や何かの記憶というなら、それは時間そのものの記憶とはいえないですよね。単に経たといわれることの事件、個々のことの集積、連関でしかない。といえましょうか?
時間そのものではなく、物自体の時間の中のあるものの展開がなされ、そして更に別のものが登場していく。
そういう中で、物自体の時間がぶっちり途切れること、或いは同じことですが、開始することは、創造や出現を出た話ですね。
そういう中での、個々の内容だけの話で、展開と終息、開始と展開で未来の記憶がない状況での過去や現在の事物や現象は存立が不可能かとも存じます。
伝わらないかとも存じますが、私には説明も超えた事なのですが、過去の記憶とは、現在・未来を含んだもので、それを意識に上せないだけだと存じております。
偶々意識になっているのが、過去だということではないでしょうか?
未来が現在になると、それが現在だという意識が出来る。
それだけではないかな、と存じますが。
私たちヒンドゥ文化の精進のものは、あまり先の未来は措きます。現在はもう過去となります。瞑想ですね。太刀風三寸という、未来をみての、現在です。これは現在であり、正に未来でもあります。
繰り広げられたか、いまだ繰り広げられないか、の違いはありますが、事象の記憶、意識には過去と未来があるのでしょうか。
現在はそういうことの意識状態ですか。
そして、意識自体や時間自体は私たち、記憶や経験の結果の集積を持たされているものの範疇ではない。行為者でもないし意識者でもない。経験や認識している主格でもない。というのが実態ではないかと、只、痛感しておりますが。
論理や理論での、演繹や機能などでの論述は出来ません。
説明でのお伝えはできない、事項と存じます。私の場合は。
参考URL:http://kikitai.teacup.com/qa4409643.html
この回答への補足
krya1998さんご回答ありがとうございます。
>カントにおける、アプリオリなる時間。これを物自体の、つまり存在自体の時間というなら、
ちょっとこの部分が引っかかりました。
超越論的感性論、第六項、これらの諸概念からの結論、でカントはこう述べています。
「時間は、内的感官の形式、言い換えれば、私たち自身と私たちの内的状態の直観の形式以外のなにものでもない。
No.3
- 回答日時:
未来の記憶がないのは偶然でしょうか?
必然ですね。 時間の存在という世界で生きる生き物には必然として生じる現象ですね。一方、時間存在のない世界では偶然といえないことはないですね。そこでは本人の記憶にある因果律のみがよりどころですね。そこでは目に見える現象については過去・現在・未来の識別さえ不可能でしょうから。
この回答への補足
mmkyさん、わざわざありがとう御座います。
>そこでは本人の記憶にある因果律のみがよりどころですね
記憶というのは「過去へ向かう感じ」を伴いますが、この過去性の感じというのはどのようにして生まれるのでしょう。
時間存在の無い世界では心象の持続がないわけですから因果律も存在しないのではないでしょうか?
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