いけず言葉しりとり

原子量の基準としてC(12,6)=12を用いてますが、この定義をC=6に変えるとどうなるかという問題があったのですが、以下の数値が変わるそうです。

1gの水素分子の物質量

解説には原子量の基準を1/2倍にすれば分子量・式量も1/2になる。よって、1gの水素分子の物質量は2倍となる。

と書いてありました。思ったのですが、1molの定義は「Cが12gあるときのC原子の個数」です。原子量の定義が変わっても質量の定義が変わらないのでは、1molの定義は変わりません。よって質量、物質量の両方の定義が変わらないので「1gの水素分子の物質量」も変わらないと思ったのですが、どうでしょうか?

A 回答 (5件)

> 質量、物質量の両方の定義が変わらないので「1gの水素分子の物質量」


> も変わらないと思ったのですが、どうでしょうか?

あってますよ。うるさいことを言えば、「Cが12gあるときのC原子の個数」ではなくて「12Cが12gあるときの12C原子の個数」ですけど、考え方はあっています(12Cは質量数が12の炭素)。

モルやキログラムを定義している機関(CIPM, 国際度量衡委員会)と原子量を定義している機関(IUPAC, 国際純正・応用化学連合)は、全く別の機関です。ですので、「原子量の定義がもし変わったとしてもモルやキログラムの定義が変わるとは限らない」と考えるのは自然です。

ですけど、#2さんの回答にもあるように、「原子量の定義を変えるのならば、モルの定義も一緒に変えるべきだ」という考え方もあります。現代のモルの定義は1971年に定められたものなのですけど、もとを辿れば、分子量(式量)にgをつけた質量に含まれる物質の量を1molとする、という考え方に基づいて定義されたものだからです。そう考えれば、1gの水素分子の物質量は2倍となるという答えも間違いではないです。

どちらの考え方も一理ありますので、どちらでもいいと私は考えます。もしこのような問題がそのまま今年のセンター試験に出題されたら、不適切な問題として非難されるのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>モルやキログラムを定義している機関(CIPM, 国際度量衡委員会)と原子量を定義している機関(IUPAC, 国際純正・応用化学連合)は、全く別の機関です。

てっきり同じところが決めていると思っていました。それではこの問題自体に問題がありますね。

>もとを辿れば、分子量(式量)にgをつけた質量に含まれる物質の量を1molとする

確かに教科書にはそのような説明がなされています。しかし、その前に「12Cが12gあるときの12C原子の個数」という説明もなされています。これではどちらを基準とすべきかが不明瞭ですね。ちなみにこの問題の出典は今年のセンター予想問題の一部です。参考程度に以下に載せておきます。

問・現在、原子量の基準として、C(12,6)=12を用いている。仮にこの基準をC(12,6)=6とした場合、数値が変わるものを、次の(1)~(5)から一つ選べ。

(1)2molの塩素分子と反応する銅の物質量
(2)標準状態で22.4Lの体積を占める気体中の分子量
(3)1gの水素分子の物質量
(4)窒素原子1個の質量
(5)標準状態における48gのオゾン分子の占める体積

正解 (3)

お礼日時:2008/12/27 01:28

>う~ん, これはちょっと微妙な問題ですねぇ....


>ま~, どっちとも解釈できるわけですが....

>と、思うんですが、どうでしょう?

こういう内容の問題を単に「いくらになるか」という形式で問うことは意味がありません。

記述式で「こう考えたら、こういう風になる、」という論述の内容を問うものであればまだしもですが。

化学での定義は単独で成り立っているものではありません。他の多くの定義と整合性を持つように決められているものです。
原子量の定義にしても歴史的に変遷があるわけです。質量数12の炭素C(12)の原子量を12とするという定義をするまでは原子量という量がなかったのではないのです。水素の原子量を1とする、酸素の原子量を16とする、質量数16の酸素O(16)の原子量を16とする、色々あります。少しでもあいまいさがなくなるようにということで定義という形をとっています。どの基準で考えても大きく値が変わるわけではありません。定義だから勝手な数値に決めてしまっていいというものではないのです。連動している他の量に影響がでます。

定義だから勝手に決めてもいいという立場でありながら他の定義されている量との連動性は考慮しているというのが質問文の中にある回答です。
でも他の量も定義という形をとっているので連動ということは考えなくてもいいとする人も出て来るでしょう。質問者様はそのように考えたわけです。

1molの定義である
>「Cが12gあるときのC原子の個数」
の中の12という数字はどこから出てきたものかを問うか、問わないかです。

連動性を問題にするのであれば原子量の定義自体も他の量の定義に連動しています。歴史的にいろんな量が整合性を持つように様に決まってきたというのは連動しているということです。その場合、原子量の値だけを勝手に大きく変えることは出来ないということになります。
原子量の定義が全てに優先するが、他の定義は原子量の定義に連動していると考えるとどうなるかということであればそういう風に明示して問うべきだろうと思います。

議論の必要な問題です。最終的には「こういう風な事情を考慮するとこういう風に考えるのが妥当ではないか」というようなところに落ち着くという性質のものでしょう。

・原子量について
原子量の値の決定では一番軽い水素原子の質量をを1とすると他の原子の質量が整数になるという大きな経験則を踏まえています。それが後に質量数という裏づけを得たというような事実もあります。勝手に基準を変えて一番軽い原子の質量を1/2としなければいけなくなる状況を作り出すということはありえないのです。
原子量は数値としての最小単位が物質としての最小単位と対応付けられて決まっているというところに意味があります。1/2という原子量を考えるということは最小単位の質量の半分の粒子を考えるということになります。

炭素の原子量が6になるという場面を考えることは出来ます。分子の存在が知られていなかった時には単体の水素の質量を基準に取るということが行われていたと考えられるからです。その場合、水はHO、メタンはCH2です。ドルトンの時代の化学式です。

こういう前提でもって考えると他の量がどういう風に決まるかを知ることは当時の文献を読むときには必要なことになるだろうと思います。上で示した例では原子量が変わる事によって化学式も変わっています。
でも水素の原子量が1/2になるという想定自体、そういう歴史的な問題意識とは関係がないということを表していますから、恣意的な問題だということになります。歴史的な問題意識が背景にあるというのであればそれが分かるような問題文にするべきだと思います。

※後に分子の存在が認められた段階で基準を水素の単体ではなくて水素原子に取り直しています。炭素の原子量が6から12に変更されているのです。定義だから水素原子の原子量が1/2であってもかまわないという立場はとっていないのです。原子量の決定では数値の最小単位が物質としての最小単位と対応付けられているのです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

単位は連動しているので、勝手に変えられても困ってしまいますね。

>最終的には「こういう風な事情を考慮するとこういう風に考えるのが妥当ではないか」というようなところに落ち着くという性質のものでしょう。

その通りだと思います。単位が1つ1つ独立しているものなら、よいのですが質量や体積など様々なものと絡んでいるので大変なことになってしまいます。

単位や定義を理解しているか確認している問題だと思うのですが、ちょっと不適切な問題であると感じました。

ちなみに、この問題は今年のセンター予想問題の一部です。以下にその問題を載せておきます。

問・現在、原子量の基準として、C(12,6)=12を用いている。仮にこの基準をC(12,6)=6とした場合、数値が変わるものを、次の(1)~(5)から一つ選べ。

(1)2molの塩素分子と反応する銅の物質量
(2)標準状態で22.4Lの体積を占める気体中の分子量
(3)1gの水素分子の物質量
(4)窒素原子1個の質量
(5)標準状態における48gのオゾン分子の占める体積

正解 (3)

お礼日時:2008/12/27 01:20

似たような問題は、過去に共通一次試験や京大の入試でも出たことがあります。



もともと「分子量(式量)にgをつけた質量に含まれる物質量が1mol」ということなので、原子の個数(アボガドロ数)は直接的には関係ありません。

したがって、
C=12のとき、H2=2 なので、2gで1mol(1gで0.5mol)
C=6のとき、H2=1 なので、1gで1mol
となります。

ただし、アボガドロ数を基準に考えたほうが問題は解きやすいです。
「C=6」ならば「C 6gが基準」で、
「アボガドロ数はC 6gに含まれる原子の個数」
となります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>もともと「分子量(式量)にgをつけた質量に含まれる物質量が1mol」ということなので、原子の個数(アボガドロ数)は直接的には関係ありません。

教科書には様々なmolの定義?があるので何を基準にしてよいかが、わかりにくいので混乱しているところです。この場合は問題の趣旨に沿った考えで解くのがよさそうです。

お礼日時:2008/12/27 00:58

う~ん, これはちょっと微妙な問題ですねぇ....


「モル」の定義に出てくる「0.012 kg」がどうなるか, ってところですね.
歴史的には, 物質量として「グラム原子」や「グラム分子」という「質量数に直接連動する単位」を使っていたわけですから, 「炭素 12 の原子量を 6 に変更した場合, モルの定義に表れる 0.012 kg は 0.006 kg に変わる」という解釈はありです.
ま~, どっちとも解釈できるわけですが....
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>どっちとも解釈できるわけですが....

このような問題は本当に困りますね。何をどうしてよいかがわからなくなります。この問題ではおそらく、C(12,6)の相対質量 (原子量)にg/molをそのままつけろ、ということを意味してるのかもしれません。

お礼日時:2008/12/27 00:53

問題の主旨によります。

定義を変えた場合の話なら、ご質問者の考えが正しいです。
Cの原子量が変わると、アボガドロ数もそれにつれて変わります。アボガドロ数が、原子量にグラムを付けたときの粒子数であるという前提で、ですが。そしてその場合、物質量は、相対的に固定されます。

もし、その問題で、アボガドロ数が別途、指定されていたら、ココが縛られてしまいますので、アボガドロ数に合わせて、全ての物理法則が変更されることになります。

と、思うんですが、どうでしょう?
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

何を根本とするかで違う結果は出てしまうのは困りますね。いまのところは、このような問題が出ないことを願うばかりです。

お礼日時:2008/12/27 00:51

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