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セロトニンの脳内神経回路について次のことに教えてくださるようにお願いします。
先日、セロトニンについて調べていましたら、セロトニンは脳幹の縫線核にある神経細胞でトリプトファンから合成されて、そこから細胞の軸索というケーブルみたいものを使って、脳内の各部へ伝わっていくと書いてありました。
そこで、疑問なのは、縫線核から細胞の軸索が伸びて直接に行くのでしょうか。、例えば、縫線核から大脳前頭野まで軸索で直接行くのでしょうか。私のこれまでの理解では、セロトニンを伝える神経細胞が幾つもあって、各細胞の軸索のリレーのバトンのように、シナプス間をいくつもの細胞を伝わって行くと思っていたのですが。どう理解すればよいのでしょうか。
 この点の疑問についてよろしくお願いします。

A 回答 (3件)

こんにちは。


脳内高次領域に上向する5-HT(セロトニン)は「直接投射」です。前頭野まで直通で繋がっており、「中継細胞(リレー細胞)」はないはずです。

大脳など上位中枢に投射される「5-HT(セロトニン)の含有細胞」は中脳背側部に「背側縫線核」「正中縫線核」として分布・密集しています。
これがどういうことかといいますと、
「5-HTを放出する細胞は縫線核にしかない」
ということです。
我々の脳内には「5-HTを中継する細胞」というのは存在しません。
5-HTの接続は、この小さな神経核群から出発した「神経束(軸策の束)」が脳内を遡り、枝分かれしながら大脳・辺縁系・小脳などの広い領域に「無数の神経終末を伸ばしている」とイメージして下さい。このため、5-HTは中枢系広域に一斉投射され、脳の覚醒状態を一様に制御します。
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この回答へのお礼

ruehasさん、こんにちは。
いつも、適切なご教示をいただき、ありがとうございます。
私はリレー細胞方式かと思っていましたが、そうではないということで、また、一つ脳内のことを知ることができ、とても嬉しく、感謝申し上げます。
 ノルアドレナリンやドーパミンの神経回路も「直接投射」と理解してよろしいでしょうか。

お礼日時:2009/06/16 13:27

こんにちは。


#2です。丁寧なお礼を頂きありがとうございます。

>日中においても「興奮性接続」と「「抑制性接続」の情報伝達、情報処理が行われているようなきがしているので。よろしくお願いします。

はい、その通りです。
これは前回の「+信号が流れやすくなる」という私の説明の言い回しが不味かったですね。NAなどで覚醒状態が高まるならば「+も-も、両方とも流れやすくなります」。まず取り敢えず、夜寝ているときにGABAがたくさん出て脳の働きを抑制するということはないです。
中にはGABAによって組織そのものの働きが丸ごと抑制されているというのもありますが、これは特別な例です。基本的にはGulやGABAは脳の覚醒状態を変化させるものではなく、そのほとんどが「情報伝達に用いられる伝達物質」です。我々が何かを見たり、聞いたり、考えたりするときに使われています。寝ているときは頭が休んでいるのですからGulもGABAも両方とも極端に少なくなります。ただ、夢を見ているときなどは結構流れていると思います。
ここで流れている情報といいますのが「0,1信号」ですね。GABAは脳の働きを抑制するのではなく、「0信号を作るのに必要な細胞の興奮を抑制するため」に用いられます。

このように、Gulの興奮とGABAの抑制は0,1信号の情報伝達に用いられるものであり、睡眠や入眠といった「脳の覚醒状態とは直接の関係はありません」。目が覚めれば活発になりますが、寝ているとときは運動神経も使いませんし感覚神経からの入力情報もありませんので、分泌量はどちらも必然的に少なくなります。
では、NAの修飾作用によって興奮も抑制も両方とも流れやすくなるならば、それでは脳内で「+-の差し引きは同じではないか」ということになります。これに関しましては、「NAの促通効果」で言いますならば、これは「正の修飾作用」であり、「+」の方だけを優先して流しやすくします。私も全部分っているわけではないので簡単な説明でカンベンして頂きますと、これは、NAの修飾作用を受けた細胞は「通常ならばGABAで抑制されるはずの信号も流してしまう(促通効果)」ということです。
それから、頭が冴えて注意力が高まるのはこの促通効果のせいだけではありません。NAといいますのは何かあったときに一斉に投射される伝達物質ですが、実は5-HTといいますのは「起きている間は常に一定量」が分泌されています。つまり、我々の注意力や記憶力といいますのは、安静時には5-HTによって抑制されているというわけです。ボウッとしているときの記憶がないのはこのためですね。
NAの投射はこの5-HTの抑制を覆して注意力を引き出します。逆に言いますならば、脳が「嫌な思い出」を作るときには、我々の記憶力というのはNAの分泌のせいでだいたい高まっています。その代わり、事が済んでNAが止まりますならば、脳は5-HTの抑制効果によって自然と安静状態に戻るようになっています。

先の回答でも述べましたが、我々の脳内で覚醒状態を変化させる働きをしているのはNAや5-HTといった「修飾性の作用を持つ伝達物質」です。ところが、ここでひとつ頭に入れておいて頂きたいことは、このような伝達物質が睡眠や入眠などとどのように関わっているのかというのはまだはっきりとは分っていないということです。これは、一般に知られている「Mel(メラトニン)」などの生理作用とはまた別の話です。
例えば、NAの興奮状態では眠れません。
では、5-HTが安静状態を作れば静かに眠れます。
これは経験上の事実です。
ところが、ならば
「NAは起床物質」
「5-HTは入眠物質」なのかといいますならば、これは違うそうです。
少なくとも現時点では、脳科学の先生方もこのようなことは一言も仰っていないです。当然ですが、私も説明できませんので、この辺りはちょっとカンベンして下さい。

今回は、「寝ているときにGABAが脳の機能を抑制しているということはありません」ということで宜しいでしょうか。
そして、

>そんな状態の中で、何か、緊張するような出来事に出会うと、NAが大脳新皮質や大脳辺縁系などのある部分へ直接投射されて、情報の流れをより速める。また、その後に、それを鎮めるために5-HTが直接投射されていくというふうに理解しました。

これを承知して頂ければ結構だと思います。
これが、Gul・GABAなど「情報処用の伝達物質」と、
NA・5-HTなど「覚醒・安静用の伝達物質(修飾作用)」との役割の違いです。
ひとつ付け加えておきますと、先に触れましたが、NAというのは何かあったときに一斉に投射される物質ですが、5-HTといいますのは脳を安静状態に戻すために「常時一定量」が供給されているということですね。
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この回答へのお礼

ruehasさん、おはようございます。早速のご回答、感謝申し上げます。
よく理解できました。
ます、寝ているときにGABAが出ていると思ったこと、間違っているということガッテンです。眠っているときは、情報が入ってこないのですから、GulもGabaも必要なしということですね。
 日常生活の平常の状態のなかで、情報伝達のためにGulやGABAが活動し、より注意したり、緊張したり、集中したりするときにNAが分泌したり、また、その興奮が過ぎると、安静状態にもどるように5-HTが活動しているという状態かなと理解しました。
 ruehasさんのお陰で、脳内の化学物質のことが段々分かるようになってきました。心から感謝です。

お礼日時:2009/06/19 08:56

こんにちは。


#1です。何時も回答をお読み頂きありがとうございます。

>ノルアドレナリンやドーパミンの神経回路も「直接投射」と理解してよろしいでしょうか。

はい、そのように考えて良いと思います。
我々の脳内で「中継細胞」といいますのは信号を遠くに送るというのもそうなんですが、これは主に「情報伝達」や「情報処理」を行う神経組織に見られる構造です。
その代表的な接続といいますならば「Gul(グルタミン酸)」と「GABA(γアミノ酪産)」であり、
「興奮性接続:Gulを受け取ってGulを放射する(+信号)」
「抑制性接続:Gulを受け取ってGABAを放射する(-信号)」
といったものです。
受け取った信号を+や-にして出力するためにはどうしても「中継」という構造が必要になります。我々の脳内ではこのような興奮性と抑制性の接続が直列もしくは並列に使われることによって「0、1の情報処理」が行われています。

これに対しまして、
「5-HT(セロトニン)」
「NA(ノルアドレナリン)」
「DA(ドーパミン)」
こちらは直接の情報をやり取りするのではなく、覚醒状態や情動を変化させるために「脳内広域に一斉投射される伝達物質」です。
このようなものを「修飾作用」といい、NAと5-HTでは興奮性・抑制性と正反対の働きになります。
例えば、Gulをやり取りしている伝達細胞にNAが投射されますと、「促通効果(正の修飾作用)」によって+信号が流れやすくなります。このように、NAが分泌されますと中枢系広域で信号伝達が活発になりますので、脳の覚醒状態は亢進され注意力も高まります。これに対しまして、5-HTは余計なことに神経を使わないようにして脳を安静状態に戻す役割を担っています。
末梢神経系ではNAなども信号伝達に用いられていますが、このような働きをする「修飾性の神経核」といいますのは何れも「脳内の特定の場所」に集中しており、そこから方々の組織に対して「直接投射の枝葉」を伸ばしています。中には特殊なものもあるかも知れませんが、概ねみな直接投射と考えて頂いて良いと思います。
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この回答へのお礼

ruehasさん、おはようございます。今回も、さっそく、ご回答をいただき
ありがとうございます。
よく分かりました。
私なりに次のように理解しました。
例えば、夜、寝ているときは、いつもの中継細胞間を抑制性接続のGABAの方が、多く流れていて、日中は興奮性接続のGULの方が多く流れている。そんな状態の中で、何か、緊張するような出来事に出会うと、NAが大脳新皮質や大脳辺縁系などのある部分へ直接投射されて、情報の流れをより速める。また、その後に、それを鎮めるために5-HTが直接投射されていくというふうに理解しました。
 ただ、日常生活のなかで、
「興奮性接続」(GUL)と「「抑制性接続」(GABA)の情報伝達、情報処理で具体的に理解できそうなものはないでしょうか。私は、夜は「抑制的接続」かな、そして、日中は「興奮性接続」かなと考えたのですが、日中においても「興奮性接続」と「「抑制性接続」の情報伝達、情報処理が行われているようなきがしているので。
よろしくお願いします。
いつも、ありがとうございます。

お礼日時:2009/06/18 05:56

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