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 テレビで刑事ものを見たり、映画で戦争ものを見たり、あるいは遊園地のジェットコースターに乗ったり、これらは、「恐い」という感情になり、緊張や不安のノルアドレナリンが出ていると思うのですが、「面白い」というか、やみつきになります。
 「恐い」ときにノルアドレナリンが出いると思うのですが、なぜ、「面白い」と感じるのでしょうか。そんな時は、脳内ではどんな脳内物質が流れているのでしょうか。
 他人の悪口を、誰かに話すと、スットするという場合があります。悪口をいっているということは、自己を守るという防衛反応と考えると、ノルアドレナリンが出ていると思うのですが、どうしてスットした楽に気持ちになるのでしょうか。ノルアドレナリンに、「快楽」を感じさせるものがあるのでしょうか。

A 回答 (1件)

こんにちは。


何時も熱心に調べておられますね。
「NA(ノルアドレナリン)」は「覚醒状態の亢進」及び「ストレス対処反応」として分泌されるものでありますから、これが脳内で直接の快感や報酬反応を発生させるということはないです。で、このようなとき脳内ではNAと一緒に「DA(ドーパミン)」の分泌のあることが知られており、これが「快感」や「やみつき」の原因と考えてられています。

DAといいますのは大脳辺縁系を中心とする「報酬系回路」に投射され、脳内に快感・幸福感をもたらす伝達物質です。ですが、ジェット・コースターやホラー映画でNAが分泌されているというならば、それは脳が環境からのストレスに対処しなければならない状況であるということです。ならばこのとき、脳内に快感を発生させる必要はありません。
このため、私はこれまで大脳辺縁系・偏桃体への入力が「報酬刺激でない場合は」、腹側皮蓋野A10のDAは解放されないと考えていました。ですが近年、ジェット・コースターなどの興奮状態で脳内にDAの分泌のあることはほぼ事実として確認されています。
ストレスに対して分泌される「BE(β-エンドルフィン)」はA10DA核の抑制を強制解除しますので、これによってDAの分泌は報酬入力がなくとも開放されます。ただこの場合、それが原因であるかどうかにちょっと確信が持てませんので、そこで申し訳ないのですが、今回は以下のような説明でご了承下さい。

DAは脳内に報酬反応を発生させると共に、我々が環境の変化に対して「能動的な行動を選択しなければならないとき」に分泌される。

どうしてなのかを説明できなくて申し訳ないのですが、この解釈でしたら概ね間違いということにはならないと思います。報酬反応が発生するのは、目の前の報酬を確実に獲得し、またその結果を記憶に留めるためです。
報酬系回路は「海馬」や「眼腔前頭野」など学習機能を持つ中枢を含んでおり、DAの投射によって記憶力は一時的に亢進されます。そして、このときに発生した快感が報酬反応として学習されますと「やみつき」になり、果たして止められなくなってしまった場合は「依存症」ということになります。
尤も報酬系では「ギャンブル依存症」なんてのは実際にありますが、「ジェット・コースター依存症」や「ホラー映画依存症」というのはちょっと聞いたことはないです。

このように、ジェット・コースターやホラー映画が「やみつき」になるのは報酬系回路に学習機能があるからです。ですが、この「興奮的快感」といいますのは実際の報酬ではなく、ストレスによってもたらされたものです。では、ジェット・コースターはやみつきになるのに、飛行機事故はどうしてやみつきにならないのでしょうか。もちろん、なってしまったら困るのですが、このような場合、下手をすれば逆に「トラウマ・パニック症」です。
これに就きましては事前にちょっと調べたんですが、どうも信用できる情報は見付かりませんでした。
「飛行機事故とは違い、ジェット・コースターには脳内に安全保障がある」
一理あるかも知れませんが、これではやはり「ジェット・コースター恐怖症」が発生しないという根拠を立てることはできません。
何故かと言いますと、実は私はジェット・コースターやホラー映画が大の苦手なんです。乗ったことがないわけではないのですが、思い出しただけで身の毛が弥立ちます。お恥ずかしい。
ならば、「ジェット・コースターの好きなひとは体質的に脳内でDAの分泌・消費が多く、行動的な気質のひとが多い」
本当かどうかは分りませんが、個人差というものを考えますと、こちらの方が何となく納得のゆく気がします。

悪口を言うのは心に不満があるからですよね。この不満を抑えていれば誰でもストレスを感じます。今回はストレスでもDAは分泌されるというのが回答ですが、この場合スッとするのは、こちらはやはり我慢をするストレスから開放されたことによる「極めて健康的な実際の報酬反応」と考えて良いのではないでしょうか。ですから、このようなときは我が身可愛さに二枚舌を使ってみてもストレスは発散されないと思います。
我々の脳が能動的に状況に対処するためにはDAの分泌が必要であるというのは間違のいないことらしいです。ですが、必ずしも快感が発生するというわけでもありません。泣き言を言ってはいけませんが、この辺りの情報が上手く手に入らないのです。ちょっと面目ないです。
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この回答へのお礼

ruehasさん、おはようございます。いつも、よく理解できますご教示をいただき、感謝申し上げます。
 今回も、よく理解できました。
 ホラー映画などを見ているときは、環境に対して防衛しなければならないという自己防衛は少ないですから、NAは出るとしても少ない。しかし、「興奮的快感」を多く感じるからDAが多く投射される。よく分かります。
 ジェトコースターは、「恐い」という思いもあってNAは出るでしょうが、そのストレスに対処するためにBEも出るし、それによってDAが解放され、また、「興奮的快感」も感じて、DAも投射される。よく理解できました。
 悪口については、それを抑えているというストレスでNAが出ているのを、吐き出すことによってスットするという快感でDAが出るというのも理解できました。
 ここで一つ、疑問なのは、こんなことを聞いたことがあります。例えば、サラリーマンが酒を飲みながら、上司の悪口を言っていると、その悪口は、その言っている本人や、聞いている人の脳にストレスを溜めると。なぜなら、大脳辺縁系や脳幹は「人称」は理解できない「動物脳」であるから、例えば、「あの部長のやり方は良くない」というと、「良くない」というイメージに自分の扁桃核が反応し、自律神経系に影響するということです。あるいは、不安は話すと、すきっとするが、不満を話すと、その人の心に不満が増幅すると言いますか、だから、不満は話さない方がいいと。でも、カウンセリングでは、不安や不満や悪口をカウンセラーは聞くことで、
相手は心軽くなると言うし。これはruehasさんが、我慢をしていたのを吐き出しスカットすると言うことだと思うのです。いつも、この辺で、どう判断していいのか、迷っている自分がいます。
 いつもご親切にありがとうございます。

お礼日時:2009/07/09 05:48

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