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厚めの鎌には、模様が彫られています。刃の付いているのと反対の側、つまり上部の湾曲に沿って、この模様があります。
その1・・・爪を立てたようなあとが、数珠つなぎ様に並んでいる模様。
その2・・・一本の溝だけの模様。

その1の方は比較的厚い鎌の場合で、その2の方は比較的薄い鎌の場合のような、気がしていますが、経験的なことで、確証はありません。

質問その1
これらの彫られているものは、純粋に模様(デザイン)ためのものでしょうか?それとも、デザインを兼ねて、鍛造工程でなにか構造的(鋼と母材の関係とか)と関係するものなのでしょうか?
質問その2
このデザインについて、刃物が作られる地域的な特徴とか、その他、なにかご存じでしたら、お教え下さい。

A 回答 (7件)

その1 厚みのある素材を叩いて形にする段階で付いたハンマーの後です。


刃先の方は平坦に仕上げた上に、研ぎ出して削ってしまうのでその痕は亡くなります。

その2 素材に薄い板金を使っているので、強度を持たせるために背の部分を折り曲げて二重にした境目です。

質問その1 鍛造工程でハンマーでたたきつぶした痕を、デザインを兼ねて残した物です。

質問その2 越前打刃物で有名な越前市(旧武生市)でも多数作られていますが、どちらの物も作られており、地域的な物は関係ないでしょう。

その1の作り方は本格的な打ち刃物で、製作に手間が掛かりますが厚みのある素材を焼いては叩くことを繰り返すために、刃物としての強度と切れ味が持続します。

その2の作り方は大量生産品で、薄い板金を有る程度の形に打ち抜き、背の部分だけを折り曲げる作り方で、刃先も打って鍛えることなく削りだしただけの物に焼き入れしたものですから、強度的にも刃物としての切れ味にも劣ります。

この回答への補足

ありがとうございます。
大変勉強になります。
ところで、『その2 素材に薄い板金を使っているので、強度を持たせるために背の部分を折り曲げて二重にした境目です。』につきましてですが・・・・
出来上がっている、カマの背の部分が折り目で、少しだけ(一センチほど)表側に折り返している、ということなのですね。結果、この一センチ程の巾(背から溝模様までの部分)が二重の厚みになっていると、・・・・
片刃/両刃に関係なく、この方法で強度を持たせていると・・・。
そういうことでしょうか?
よければ、お教えくださいませ。
ありがとうございました。

補足日時:2009/07/10 21:02
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>この方法ですと、裏面全面が鋼になっている、ということになる。



素材の価格より作る手間の方が高くなりますので、単一素材のままの方が安価に作れます。
No.1の片が言われる一枚の薄い板金を打ち抜き、凹凸を付けて強度を持たせて作られた物や、背の部分を折り曲げた片刃の物は、全体が同じ素材で作られる事になります。
しかし、粘りや強度と高い切れ味を求める物を作るには、刃の部分と背の材料を別の物にする必用があります。

>これは、鍛造品のようで、溶接製造とは、そもそも違うものでしょうが、

本格的な鍛造品は溶接などでくっつけるのでなく、ハガネと軟鉄の間にほう砂と鉄粉(鉄鑞)を挟み、加熱圧縮することで一体化させてしまいます。
真ん中にハガネを挟み込み(方刃は裏側だけ)刃物の形に叩き伸ばして作り上げてゆきますが、この方法は前にも書いたように両面をステンレスで挟み込んで錆びないようにする包丁などにも使われます。

爪痕模様というのは、鍛造時にハンマーで叩いた痕(表側だけ)の他に、研ぎ出された部分に出来る波模様(裏側にも)の事を言われるので有れば、それはハガネと軟鉄の境目に現れる色の違いや、焼き入れされた部分の堅さの違いによる艶の違いでしょう。

参考までに「火 造り 打ち 刃物 製作過程レポート」
http://www.asahi-net.or.jp/~BQ9T-TKHM/kajiya.html
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この回答へのお礼

rimurokku 様
いろいろお教えいただいて、ありがとうございました。
たいへん、勉強になりました。
刃物には神秘的な魅力があります。
古来からの人々が感じてきたであろう魅力を、私も昔から思っておりました。特に、武器ではなく生産用具である鎌には、魅力があり、昔の人々がしてきたように、私も活用していきたく思っております。
今回の貴重なサイトもありがとうございました。ゆっくり読ませてもらいます。~我々が丸裸になったとき、一番に必要なものは火と刃物だ云々・・・は、私のこころに強く共感する感覚です。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/07/14 11:19

No.2&No.5です。


No.3様の参考URLによると「まずは鎌の刃になる鋼と強度を出すための背金をプレス機で型抜きいたします。そして刃部と背金部をスポット溶接にて張り合わせ致します。」と説明されています。
この作り方は、背の部分を二枚折にして強度を出すのと同じ方法の様ですね。
背の部分を少しだけ二つ折にする代わりに、その部分だけ二枚重ねにしてスポットで溶接すると言うことのようです。
当然片刃の鎌に成るでしょう。
この方法で有れば、焼いて叩くなどの行程も省かれます。
いわゆる、昔ながらの鉄を真っ赤に焼いて鎚で叩く、打刃物の作業は無いと言うことで、安く作るために色々と工夫されているようですね。

この回答への補足

ありがとうございます。
う~ん、だんだんイメージが出来てきました(笑)
今回の作り方の話ですが・・・こんな感じでしょうか?
○バナナ型に突き抜いた二枚(鋼と背カネ)を重ねて溶接する。
○鋼は鎌全体の大きさであり、背ガネは背の部分(二重になる部分だけの大きさである。
○両者は断面をくっつけるのではなく、重ねて、くっつける。
※ちょっと、私の理解が不足だと思いますが・・・、
この方法ですと、裏面全面が鋼になっている、ということになる。
まさか、もったいない(笑)当然、小生の思い違いでしょう。

私の手元の片刃鎌をよく見てみました。(土佐物ですが)
模様は爪痕が連なっている模様です。
これの場合は、鋼の巾が3センチ(裏を目でみた感じで)
背がね(といっても、表面ですが)が巾が5センチ(つまり鎌全体の巾になります。つまり、大方のイメージとは逆で、刃先の方が二重で、峰(刃と反対のへり)が、背がねの一重、といった様子です。これだと、峰の方が薄いことになりますが、そこはうまく造ってあるようで、峰の方向に次第に厚くなっています。ここでいう二重と一重の境目に、今回の問題の爪痕模様があります。

これは、鍛造品のようで、溶接製造とは、そもそも違うものでしょうが、<ここでのメーカーの作り方>は溶接の場合も、似たような重ねかたをする・・・か、あるいは、刃用の鋼と背金は断面でくっつける構造(重ねてはいない)なのかもしれませんですね。

いかがでしょうか?
ありがとうございました。

補足日時:2009/07/11 05:40
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>片刃/両刃に関係なく、この方法で強度を持たせていると・・・。


このような作り方の小型の手持ち鎌では、方刃しか作られていません。
両刃の鎌は有る程度大型で、それこそしっかりした打刃物で作られます。

No.1の方の説明に寄れば、もっと簡単な作り方も有るようですね。
型抜きした薄板に、プレスで凹凸を付けて強度を持たせている物も有るようです。
私は確認していませんが、それこそ輸入の大量生産品でしょうか。
また、No.3の方の参考URLの様に、地方によっては独特の作り方も有るようですね。
ちなみに、越前打刃物の包丁などでは両側は錆びないステンレスで、真ん中にカーボン綱を挟み加熱鍛造して張り合わせる作り方もしています。
溶接をするのでなく、薬品を塗って加熱鍛造することでくっついてしまいます。
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No.3です。

補足です。

> 刃先用の鋼と、本体用の鋼を重ねているというとこですね。
> ということは、二枚ですから片刃の鎌の製造方法ということでしょうか?
やっぱり誤解させてしまいましたか。
重ねるのではなくて、つなぐのです。
刃は硬く背は粘り強い、という格好です。

この回答への補足

なるほど、そうでしたか。
ありがとうございます。
ということは、ですから、片刃(下の面に広く鋼が露出している)の製造についてですね・・・。
いやいや、両刃は鋼(刃先になる固い方)を中央にサンドイッチしている構造ですから、これもつなぎ目になったところが、模様の元として残ったところである・・・・と。
そういうことでしょうか?

補足日時:2009/07/11 05:24
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私も興味が有って調べてみました。



刀と同じで鎌も硬い鋼と粘り強い鋼を組み合わせているようです。
↓の製造方法によると三日月型の鋼2枚をスポット溶接(点溶接・・飛び飛びに溶接)で大きな1枚にしているようです。
従って溶接しなかった場所が点線上にくぼみとして残るのでしょう。
薄いものについては想像ですが連続溶接するため筋状に残るのではないでしょうか。

参考URL:http://www.hounen.co.jp/sagyou/koutei.htm

この回答への補足

ありがとうございます。
二枚を溶接している・・・。なるほど、ちょっとオドロキです。つまり、刃先用の鋼と、本体用の鋼を重ねているというとこですね。ということは、二枚ですから片刃の鎌の製造方法ということでしょうか?

補足日時:2009/07/10 21:14
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自分も少し疑問に思っていました。



想像で申し訳ないのですが、刃がしならないための“折り”ではないでしょうか?
鎌は刃が薄くないとうまく使えません。しかし、しなってしまっても困ってしまいます。
そこで、“折り”を入れて、刃幅方向の強度を上げようとしたのが
「その2」の形ではないでしょうか?
強度のことだけを考えるのであれば、その溝で直角に折り曲げるのがベストですが、
それでは使い勝手が悪いので、「溝」にとどまったのではないかと思います。

これもまた想像ですが、「その1」は前述の構造に
意匠を組み合わせたものなのではないでしょうか?

以上参考にならないかもしれませんが…。
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この回答へのお礼

なるほど、ありがとうございました。
よく観察すると、確かにわずかに表面は凹に、模様のない裏面は凸になっています。強度のために、というのは有力ですね!
他の方のご意見とも合致しています。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/07/10 21:00

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