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PCR初心者です。

PCRの熱変性→アニーリング→伸長反応の流れや原理は理解しているのですが、様々な文献を見て疑問が湧いたので投稿いたしました。

PCR反応の一番最初のステップで、ホットスタートのTaqであるかどうかにかかわらず時間を長めに設定した熱変性を行い、次に通常の熱変性→アニーリング→伸長反応のステップを30サイクル程度繰り返し、最後に時間を長めに設定した伸長反応で全工程を終える、といった文献を見かけます。

この、時間を長めに設定した最初の熱変性と最後の伸長反応の意義がよく分かりません。

多くの文献で当然のようにこれらの工程が追加されているのですが、なぜ追加されているのか全く説明らしいものがありません。

どなたかご回答、お願いします。

A 回答 (3件)

ちょっと難しく考えすぎかと思います。


単純な理由からです。

まず、最初のステップの長めの変性時間については、
鋳型のDNAとプライマーの変性を完全にしたいなぁという考えからです。

最初にきちんと変性させないと、一回目のサイクルで目的でないDNAが作られてしまいます。
目的でないDNAですが、使ったプライマーから作られたものですから、プライマーの配列はあるわけです。
そうすると、次のサイクルから次々に目的とは違うDNAを増やしてしまいます。

最初以外のサイクルで反応条件としては十分なのです。
しかし、最初が肝心という考えから、最初はきちんと変性させたい、と思うわけです。
なので、最初だけ長めに変性させます。

次に、最後の長めの反応時間ですが、
酵素の伸長速度は誰でもわかっています、ですが、それよりも長めにすることで「完全に伸びてくれるだろう」と保険をかけたいわけです。
完全に伸びてくれないと、次のステップで、ライげーションとかをすることが多いと思いますが、それがうまくいきません。
それで、最後だけ長めにしてみるのです。
実際のどれほど効果的かはわかりませんが、私もよくやります。

あと、
>自分でプロトコールを作成する場合、最初の熱変性と最後の慎重反応の時間は、やはり実験を積み重ねて探っていくしかないのでしょうか?

この質問についてですが、各個人で実験の条件が違うポイントは
1、プライマーの配列
2、目的のPCR産物の大きさ
3、使った酵素
この3点だと思います。

使った酵素については、その酵素の使い方からある程度決められます。
しかし、プライマーについてはそれぞれTm値が異なるので、
Tm値を考慮してアニーリング温度は各自考える必要あります。

また、産物の大きさによって伸長時間を決める必要があります。

ただ、個人個人、大体経験がありますので、その経験からおおよその条件がわかると思うので、それから2,3回のうちには条件を設定できると思います。
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DNAを一本鎖にする場合など、加熱後に急冷するという過程を行います。


これは、急冷することで本来の相手でない場所でも取り敢えず、というような形で水素結合を形成するためです。
その意味で、PCRを行っている間はそのようにDNAが急冷されることもありませんので、一度解きほぐしてしまえばその後の反応に支障がないと判断できるかと思います。
また、2サイクル目以降は、元々のテンプレート(例えば染色体DNA)だけでなく、反応によって生成した短いDNA鎖も反応のテンプレートとして用いられるわけですから、絡まる可能性も減るという解釈もできると思います。

いずれにせよ、例えば製品添付のプロトコルの伸長時間等も、確たる理論的な根拠があるわけではなく、実験をしたうえでいわば経験的に決められているものです。それがあらゆる条件の中で最善であるという根拠もありません。ただし、個人的な経験から言えば、最後の伸長時間や最初の熱変性の時間の長短で結果が劇的に変わるということは余りないと思います(サイクルの伸長時間や変性温度の方が重要でしょう)。その後の実験に支障がない程度に生成物が得られるのであれば、そこまで拘る必要はないかと思います。

>自分でプロトコールを作成する場合、最初の熱変性と最後の慎重反応の時間は、やはり実験を積み重ねて探っていくしかないのでしょうか?

例えばTaqならTaqで、それまでの論文や製品のプロトコルを参考に色々と探るというしか方法はないでしょう。
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最初の熱変性:精製過程でお互いにからみ合ってしまったDNA分子を解きほぐす。



最後の伸長:途中で不完全に止まっている伸長をダメ押しで最後まで伸ばす(不完全なフラグメントの割合が減る)

というようなイメージを私は頭の中で描いていますが、これが本当かどうか分かりません。

この回答への補足

早速のご回答ありがとうございます。

テンプレートDNAは分子同士が複雑に絡み合っているので、それを解きほぐすために最初の段階で念入りに熱変性を行い、通常の熱変性→アニーリング→伸長の反応サイクルに入ってからは、DNA分子同士の絡み合いが緩和されているので熱変性は短時間でよい、というイメージでしょうか?

最後の伸長反応の意義は納得いたしました。

しかし、Taqの伸長反応の速度については本で読んだのですが、それを考慮しても最後の伸長反応が長すぎるのでは、という文献も見かけました。

使用するTaqの半減期や器具・機材の影響等色々あるかとは思いますが、自分でプロトコールを作成する場合、最初の熱変性と最後の慎重反応の時間は、やはり実験を積み重ねて探っていくしかないのでしょうか?

質問だらけで申し訳ありません。

よろしくお願いします。

補足日時:2009/07/20 08:59
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