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教科書の記述
・ブワイフ朝は946年にバグダードに入城し、
カリフから大アミール(軍司令官たちのなかの第一人者)に任じられるとともに、
イスラーム法を施行する権限を与えられた。
・セルジューク朝の始祖トゥグリル・ベクは、
1055年にブワイフ朝を倒してバグダードに入城し、
アッバース朝カリフからスルタン(支配者)の称号を授けられた。

用語集の記述
・大アミール:カリフによって全イスラーム世界の軍事指導権・統治権を与えられた者の称号。
・スルタン:イスラーム世界の世俗君主の称号。

これを見る限り、大アミールとスルタンは同じようなものに思えるのですが、どう違うのですか?
トゥグリル・ベクがスルタンの称号を授けられてからは、大アミールという称号は用いられなくなったのですか?
大アミールとスルタンが両立するのは矛盾してませんか。

A 回答 (2件)

 矛盾はしませんが、理解できない用語かと思います。


しかしニュアンスが若干違ってくることが問題になるかもしれません。

大アミールというのは、アミールの中の有力者ですが、時代・王朝によってその性格が異なってきます。
 例えば、アッバース王朝におけるアミールは節度使のような地方領主のような立場に近いものです。その中でもっとも優位な人が、大アミールとなりまして、スルタンに近い立場になることもありえます。
 つまり、大アミール=スルタン、という結果論になるケースも想定できます。

 しかし、時代や地域によってはアミールは部族長・イスラム法学者・地方軍閥長が自称できるようになりますが、有象無象の割拠状態で、大アミールも自称で乱立してしまいます。
 このような状況の大アミールはスルタンというほどの権力はありませんから、矛盾しないと言えます。

 大アミールという言葉は今も現存しているようですが、言葉の解釈の問題で、混濁されているケースが多いようです。

 アラブ首長国連邦やカタールの君主が,アミール・
 オマーン、ブルネイ、およびマレーシア各州の君主がスルタン

さて、少し整理しますと

カリフ=ローマ教皇
スルタン=国王
大アミール=宰相・最高司令官
アミール=地方豪族・軍閥


ちなみに、シーア派王朝の王はスルタンと自称しない傾向がヒントかもしれません。
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アミールは司令官、総督という意味で、初めはカリフから任命されていました。


10世紀前半、下イラクの総督イブン・ラーイクがアッバース朝カリフよりアミール ・アルウマラー(大アミール )の称号を得、カリフから世俗的な権限のすべてを奪い、以後イラクの支配権は、ブワイフ朝時代も含めて、大アミール の手に握られることになります。
セルジューク朝のスルタン(古代シリア語のシュルターナー(権力,権力者)に由来する)は、軍の指揮官をアミールと呼び、スルタンの方がアミールより上位であると固定しましたので、矛盾はしていません。
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