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土地の「分筆、合筆、分合筆登記後」、一筆の土地の一部に承益地地役権がある場合、要益地地役権者作成の地役権図面、地役権証明書を添付書面としなければいけませんが、承益地地役権設定者が土地を分筆、合筆、分合筆登記をしたとしても地役権が消滅するわけでわないので、地役権者作成の地役権証明書を添付しなくてもよいのではないかと思いますが、地役権証明書を添付する趣旨がいまいちよく解りません。

A 回答 (1件)

地役権は消滅されないとおっしゃっていますが、果たしてそうでしょうか。


地役権が消滅するのは、
1.承役地が時効取得されたとき
2.民法167条2項により地役権が時効で消滅したとき
3.地役権を放棄したとき
4.解除条件が成就したとき
5.期間が満了したとき
 等、主にこういった原因があげられます(もちろんその他のケースもあります)。

特に5番目の場合の例として、設定行為で地役権の存続期間を決めていたときは、その期間が満了すれば地役権が消滅するなどはよくある事例です。

地役権はご存知のとおり物件であり、登記をしなければ第三者に対抗できません。
それと同じく、消滅したときは抹消の登記もしなければなりません。

しかし人間は自分に不利になるようなことはすぐに登記したがりますが、反面不利でなくなったことは登記申請を怠る人が多いと思われます(登記費用がかかるのを嫌がったり、悪意でなくても不利益がなくなったため登記申請を忘れてしまうケースはたびたび見受けられます)。

このような場合、分筆登記を実行する登記官は、登記申請が出された場合に、果たしてこの地役権が現在でも実際に有効なものなのかどうかがわかりません。
まして登記の受付年月日が古ければ古いほど、地役権者も亡くなっていたり、周囲の土地の状況も大きく変化しており、地役権が設定された時よりも事情が大きく相違している場合が多く、登記を実行する登記官自身が非常に不安だと思われます。

権利担当ではなく表示担当の登記官でさえ、当然のことですが登記を実行するに際して一番嫌がることは、権利関係で当事者同士がもめることです。

自分自身の職権でもって登記を実行する登記官は、それだけ自身の責任が重くなりますので、当事者の意思に反する登記申請や、現状にそぐわない内容の登記を実行するのを極端に嫌がります。
  
ですから承役地について地役権がある土地を分筆する場合には(分筆後の土地の一部に地役権が存続する場合は)、地権者が作成した情報を添付させることによって、

・最新の地役権が有効なのものかどうか現在の地役権の状態が明確になる。
・申請時点での地役権者の意思がより明らかになる。
・地役権が消滅しているにもかかわらず地役権の抹消登記がまだなされていない場合でも、地役権者に抹消登記の申請を促すことができる  

などのメリットが考えられます。 

平成16年の不動産登記法の大改正でも(旧法の)81条4第1項の条文を、改正後の「不動産登記令という形」で3条13号、7条1項6号、別表8項を作ってまでも残し、引き続き地役権者が作成した情報の添付を義務付けたのも、法務省民事局サイドでもこの地役権者の情報が必要であると考えているからです。
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この回答へのお礼

目からうろこ!!! 合点しました!!!
私の稚拙な質問に対て、botankou様の大切な時間を割いての迅速な回答、且つ懇切丁寧な説明をして頂きとても感服いたしました。
完璧詳細な解説本当にありがとうございます!感謝!感謝です。

お礼日時:2009/08/08 09:50

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