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宜しくお願いします。

戦前から戦後の昭和40年代に掛けて列車及び船舶のグレードを決める位置づけとして一等~三等まで等級が分けられてましたがその後一等が廃止になったのを期にモノクラス制(普通車及びグリーン車)に変わりました。
それからというもの今日までこの体制が続いていますが近々完成する東北新幹線新青森開業で投入となるE5系ではグリーン車の更にグレードアップしたスーパーグリーン車が導入する事になりました。
これを期にまた以前のような三等級体制が復活するのでしょうか?
皆様の推測などご意見が御座いましたら宜しくお願い致します。

A 回答 (5件)

等級制度についてもう一度おさらいしましょう。


等級制度のあった頃は、乗車券(運賃)だけでなく、料金券(急行券、座席指定券、寝台券など)にも等級がありました。そして、2等以上の上等級は、運賃に通行税が含まれていました。この通行税は等級廃止後も旧上等の流れを汲むグリーン券やA寝台券、船舶の上等級などに課税が継続され、消費税導入時にようやく物品税等の他の多くの間接税と共に廃止されました。
等級間の料金格差は非常に大きく、例えば1等運賃は2等運賃の約2倍(厳密には、1.666倍に通行税2割を加算)といった感じです。
上述のように料金も同様に2倍近い値になるわけですから、1等で旅行すると2等の倍近い旅費がかかることになります。
実際には1等寝台や1等座席指定車は、今と同様にバラエティがあってさらに追加料金が必要(というか専用の料金を設定)とされたケースが多いので、2倍以上の出費になったようです。
以下の文章は要領よくまとめられて参考になると思います。
http://wpedia.mobile.goo.ne.jp/wiki/1617120/%93% …

このような状況ですから、鉄道創業時から、上等級の利用率は低く、かなり初期から、上等級の連結はなく、2等車のみを運行する路線は多数ありました。国鉄ではそのような路線を挙げにくいですが、等級制は私鉄にも導入されており、当時の私鉄の乗車券は必ず「2等」と表示されていました。しかし、実際に1等車があった路線は非常に限られていました。
ですので、等級制度があるからと言って、全路線に上等級の列車を運行しなければならないことはありません。また、今のグリーン車や個室寝台のようなバラエティも等級制度の有無に関わらず設定可能です。
但し、上等級不連結が多いと、複数の等級にまたがる乗車券の発行が増え、その運賃計算は非常に煩わしくなります。(考えとしては途中区間のみのぞみを利用する場合の新幹線特急券の料金計算に近い部分があります。全区間を低い方の等級で計算し、上等級を用いる部分だけ「差額」を追加するような形で計算したようです。)

国鉄運賃法が等級廃止のきっかけとなったという説もありますが、これも直接の関係はないと思います。国鉄運賃法の改正により、運賃変更が国会の議決なしにできるようになったのは、昭和50年代後半であり、等級制度廃止のかなりあとです。等級制度廃止を検討していた時期から、国鉄運賃法改正の話はあったのかもしれませんが、直接のきっかけと言われているのは、昭和49年の石油ショック以降大幅な物価上昇であったとされています。
つまり当時の物価上昇に対し、国会が(国民の影響を抑えるという名目で)運賃値上げを認めなかった為に、もともと赤字体質化していた国鉄の赤字がこの期間で急激に赤字額が増加しました。(すべての費用が倍々ゲームで増えているのに、運賃の値上げは認められず、収入は今まで通りなのですから、絵に描いたように赤字が膨らみました。悪いことに当時は各地で新幹線を含む新線建設工事や複線化や電化等の路線改良工事も盛んで、工事額の増加は相当な物だったようです。)
ようやく値上げが認められた時、一挙に収入を取り戻そうとして、なんとほぼ倍額の値上げを実施しました。(私もよく憶えていますが、当時30円の初乗り運賃が60円になりました)当然、そろそろ見え始めていた「国鉄離れ」が一挙に目に見え始め、議員の先生方もコストアップにはすぐ追随できるようにしなければならないことを遅まきながら気付いたようです。
法律改正後、早速国鉄は毎年のように運賃値上げを行ないましたが、時既に遅しで、値上げが客の逸走を促すようになってしまい、収入増には繋がらないようになってしまいました。

話がそれてきました。元に戻しましょう。
冒頭で述べたように、上等級の運賃・料金差は今の想像以上のものでした。しかも、運賃はともかく特急料金等は今の感覚よりはるかに「高い」ものでした。余談ですが、特別急行列車は文字通り「特別な列車」で上等級しか連結していない列車もありました。
それを惜しみもなく払うことができた層が少なくとも戦前の日本には多数いました。また技術指導等で来日した高給の外国人も多かったと言われています。このあたりを上手く解説できませんので、興味があれば華族制度・小作制度など身分制度に関する言葉をキーに調べてみてください。
戦後、あらゆる制度が民主化されたのはご存知だと思いますが、その中で貧富の差の一因だった華族制度・小作制度なども廃止されました。新憲法を見てもわかるように、国民の身分は平等とされ、建前上はがんばればお金持ちになることも夢ではなくなりました。(戦前の身分制度では、一部ではがんばっても金持ちになれない事情がありました。)

戦後の復旧により、国民全体の所得が増え始め、国民全員がいわゆる中流意識を持つようになりました。新幹線等日本の復興・あるいは復興どころか科学技術の発展を象徴するような物まで現れました。

しかし、運賃制度は戦前のままです。確かに、旧華族の中にもお金持ちのままいることができた人もいたでしょうし、がんばった人が大金持ちになった例もありました。しかし、戦前と社会制度が根本的に違うので、上等級の運賃・料金を平気で払える層は相対的に減ったと思われます。また、現実問題として、上等級を利用する層はだんだん鉄道を利用しなくなりました。(少し考えればわかることですね。マイカーはまず富裕者層から普及しました)当然、上等級を連結した列車も減少して行きます。しかし、東海道線のような象徴的な路線ではたとえ利用率が悪くても、上等級不連結とするわけにはいきません。一方2等車の需要はうなぎ上りで、輸送力の逼迫している路線も多数ありました。(そもそも新幹線建設の理由は本来は「将来の輸送力不足を見越して線路を増設する」というものでした。どうせ線路を増やすのなら高速で走る路線にした方がいいというのは検討当初では少数派の意見でした)
そのうち、利用率の少ない上等級の列車に非難が起こり始めます。「そもそも等級制度と言うのは戦前の身分制度と同じで差別制度だ」なんて言われたりもします。
国鉄自身も、等級制度が残っていると、運賃制度が複雑なままで、今後のコンピュータ化などにも取り残されると感じていました。

ということで、等級制度を廃止して、座席のグレードの違い等はすべて「料金」で対応することにしたと言うわけです。

戦前の身分制度等、あまり詳しくないのに触れてしまいました。おそらく、誤解や不適切な表現もあるかもしれません。
とにかく等級制度の廃止は鉄道会社の都合だけと言うような単純な理由で廃止されたわけではないことをわかって欲しかったのです。(ありていに言えば、社会の変化や社会の要請もあったというわけです)

以上の経緯を見れば等級制度が復活することなんて絶対にありえないと思いませんか。たとえ複雑でも、非常に細かく分けた「料金」体系で充分対応可能と思います。
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この回答へのお礼

大変ご丁寧で分かりやすくお心遣いのこもったご回答誠に恐れ入ります。
結論からすると等級制度とは身分の象徴を明確にする為の証だったのですね。
確かに追加料金だけならともかく運賃さえも割高になれば大衆的な一般利用者にとっては高嶺の花ですからね。
更に貧富の差を痛感できるのもこのような形態だったのかもしれません。
そうなると今のものクラス制の体制では格差の曖昧さがあって少し無理をすれば誰にでも利用できるといった品格が霞んできたようにも思えますね。
大変役に立ちました厚くお礼を申し上げます。

お礼日時:2009/09/16 19:12

等級制を廃したのは運賃であれば「国鉄運賃法」によって定められていたので運賃の改定には国会の議決が必要でした。

そのため必要な時期に運賃改定が出来ずまた法律ですので国会を通れば翌日実施となるなど作業に支障きたしていたので基本部分のみを運賃として付加部分は運輸大臣の認可で改訂できる「料金」とするようになりました。
このため現在でも運賃に比べ料金が高額のいびつな体系になっています。
また他の方の回答で等級制にしたら全列車に優等車が必要になる様なことが書かれていますがそのようなことは有りません。3等級制で最後まで1等が有ったのは東海道筋の寝台のみですね。異級の乗車券を発売していて必要区間だけ上級に乗車できました。

逆に運賃に等級制を復活させたら今のような複雑なグレードの設備には対応できませんね。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

もし宜しければ補足を付けさせていただきます。
昔の料金体制は国鉄或いは鉄道省の時に政府によって運賃や料金が決められていた分けですが、モノクラス制によりグリーン料金やA寝台に通行税というものがありました。
これは等級時代の頃から導入されていたものなんでしょうか?
実際には普通車に乗る時に別料金を徴収する車両や列車(急行や指定席)などにはこれに当てはまらなかったような気がします。
従って上級クラスだけに適用されていたものなんでしょうか?
ご存知でしたら宜しくお願い申し上げます。

補足日時:2009/09/16 12:57
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等級制を廃止した経緯は、戦後、華族やビップ級用の1等が廃止され、事実上2等と3等の2階級制となり、やがて、2等が1等に、3等が2等と簡素化され、昭和40年代にはモノクラス化されました。



これは、一つには、運賃制度の簡素化。二つ目には、輸送に対する対価とサービスの質に対する対価を分離する事にあります。

もう一つ、スーパーグリーン車の導入は、航空機の対抗策であろうと思われます。
今だ、スーパーグリーン料金は決っていませんが、少なくとも、運賃の等級制復活は有り得ないでしょう。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
スーパーグリーン車が登場ともなればグリーン車の上のランクへ位置付けとなるでしょうけど、そうなるとカシオペアスイートのような更に敷居の高い料金が設定されるかもしれませんね。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2009/09/15 22:09

等級制を誤解されているようです。


等級制というのは、運賃自体が等級によって異なっていた制度で、料金だけのことではありません。現在でも船舶や航空機ではこの制度をとっています。
グリーン車の上級車両を用意すると言うことと等級制とは直接関係がないのです。

等級制を再導入するためには、一等乗車券を発売する全区間(できれば全列車)に一等車(合造車で対応するしかないと思いますが)を用意する必要があり(戦前は山手線にも等級があった)、現在の運輸事情では現実的ではありません。区間によって一等運賃があったり、二等だけだったりというのは乗車券発行が複雑化しますから、簡単には導入できないでしょう。
現在の運賃と料金の二本立てで対応した方が融通も利き、システムも簡単です。

それに、カシオペアなどの寝台列車では現在でも、目性こそ、A寝台とB寝台ですが、実際には二区分以上の料金区分がすでにありますよね。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
なるほど、等級制とはそもそも運賃が基準になった制度だったんですね
知りませんでした。
車両や船室だけのグレードに対して料金だけに課せられる制度だと思ってました。
確かに運賃に対して格付けをするとなると一般の通勤型にもこれに当てはまる席が必要となりますから切符の発行や列車の運行上複雑に成ってきますからね。
現在の料金体系の方式ですと車両のグレードだけが料金になってますので旅費の計算が簡素化されて分りやすくなります。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2009/09/15 22:03

以前のような料金体系が各等級で別れているような三等制の復活とまではいかないとは思いますが、乗車料金や特急券の代金は現状通り同一ながら、座席のグレード(たとえば普通のグリーン車かスーパーグリーン車、JR北海道の一部の特急のような在来の普通車の座席を取り替えたグレードアップ指定席とグレードアップされていない普通車自由席の関係)によって料金に差の出る形になりますので、実質的には三等制に近い形が取られるのかもしれませんね。



まぁ、かつての青函連絡船もグリーン船室に格差がありましたね、普通船室よりも少しグレードの高いグリーン自由席は二人掛けのリクライニングシートでしたが、グリーン自由席よりも値段の張るグリーン指定席は今の夜行バスの座席のごとくリクライニングの良く利く一人掛けのリクライニングシートでした。まぁ、船舶と言う特殊事情もありますが・・・。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

車両のグレードで料金体系に差が出て来るのは昔も今も同じですよね。
ただ当時の東海道線を走っていたつばめやこだまの様な特急とは違い
今はグリーンや寝台等の料金のみを差額として払うだけで気軽に乗れるように成った事は利用者にとって大変便利になりましたからこの先もこの形態が続く事かと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/09/15 21:47

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