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 よろしくお願いします。同じ電力を送るのなら電圧を大きくした方が電流を大きくするよりも有利であることは常識的によく知られています。

 この点について,ある中学生向け参考書が次のように説明しています。

電力=電圧×電流,発熱量=抵抗×電流の2乗より送電中に逃げる熱を小さくできる。

 このうち,同じ電力を送るのなら電圧・電流どちらを大きくし,どちらを小さくしてもよいことは説明として正しいと思うのですが,発熱量についての説明が納得できません。なぜならば,発熱量=電圧の2乗/抵抗と書くこともできるからです。

 そこで質問です。
1 この参考書の説明はそもそも正しいのでしょうか。
2 同じ抵抗の導線(同じ太さの導線)であれば,電流よりも電圧を大きくした方が電力輸送に有利である理由は何でしょうか。(イメージとしては理解していますが,計算によって説明できるでしょうか。)

 よろしく御回答ください。

A 回答 (7件)

数値を入れた例を挙げて説明します。



100Wの電力を送電することを考えます。
電圧を100Vとすると、負荷抵抗は100Ωで、電流は1A流れることになります。
電圧を1000Vとすると、負荷抵抗は10000Ω、電流は0.1A流れることになります。

ところで、実際には配線にも抵抗がありますから、負荷抵抗と配線抵抗を直列に繋いだような形になります。例えば、配線抵抗を10Ωとすると、

電圧100Vの場合、負荷抵抗と配線抵抗の合計は110Ωになり、電流は100/110=0.91A流れることになります。
抵抗が増えたため電流が下がってしまい、電圧100Vでは送り出す電力は91Wになってしまってます。
直列繋ぎでは、電圧は抵抗値に比例しますから、このとき配線には9V、負荷には91Vの電圧がかかることになり、それぞれ8W(=9V×0.91A)、83W(=91V×0.91A)の電力を消費することになります。
つまり、全体で送り出した電力91Wのうち、負荷に届くのは83Wだけで、送電効率は91%(=83W/91W)になります。

一方、電圧1000Vで送る場合、負荷抵抗と配線抵抗の合計は10010Ωになり、電流は1000/10010=0.0999A流れることになります。
このとき、配線には1V、負荷には999Vの電圧がかかることになり、それぞれ0.1W(=1V×0.0999A)、99.8W(=999V×0.0999A)の電力を消費することになります。
つまり、全体で送り出した99.9Wのうち、負荷に届くのは99.8
Wで、送電効率は99.9%(99.8/99.9)と、ほとんどロスが発生しません。

このように、直列繋ぎになっている配線抵抗で発生する電力ロスは、
そこに流れる電流から定まるため、
電圧を高くして電流を小さくすれば、それだけ電力ロスが減らせるのです。
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この回答へのお礼

送電効率の話は大変分かりやすくて助かりました。ありがとうございました。

お礼日時:2009/11/06 10:50

 100Vを200Vにすれば電流が半分になり電線の抵抗による損失は1/4になります。


 では電圧をどんどん上げればいいのかと言うと、絶縁物の耐電圧、漏れ電流の問題が出てきます。
 発熱量=電圧の2乗/抵抗 は、漏れ電流に適用できます。

 そこで、送電する電力、距離により経済的な電圧が決まります。

 耐電圧、漏れ電流が問題とならない範囲内なら、電圧が高く電流が小さい方が損失が小さくなり有利になります。
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この回答へのお礼

 お忙しい中にもかかわらず,私の質問にお答えいただいた皆様,本当にありがとうございました。どの方の回答も大変分かりやすくて助かりました。
 ポイントをつける方を選ぶのに迷うのですが,今回中学生の参考書の記述についての質問と言うことを鑑み,中学生が見たときに一番わかりやすいであろうと思われる回答にポイントをつけさせていただきます。残念ながらポイントを差し上げられなかった皆様におわびをするとともに,改めて御礼を申し上げます。

お礼日時:2009/11/06 10:54

送電経路にだけ着目していると、説明不能なハナシです。



送電側の電圧を V 、送電経路の抵抗を R 、負荷電力を P としましょうか。
負荷側では変圧器を使うとして、負荷側電圧 U は固定せずにおきます。
なお送電電流を I とすれば、P = U*I 。

問題は、負荷電力P が所定値のときの送電経路の消費量なのです。
  V = R*I + U
ですから、両辺に I を乗算すれば、
  W = R*I^2 + P
となり、W が送電ロス(R*I^2)を含む電力に当たります。
送電経路と負荷に流れる出流が等しい限り、I を減らせば送電ロス(R*I^2)を減らせるわけです。
そして、I を減らすには送電電圧V を上げろ、というハナシになるのです。

このハナシでは変圧器のロスを無視してますから、それを勘案すると少し違うハナシになるでしょうね。
  
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前の方の回答とダブりますが,ちょっと具体的にしてみます



仮に負荷で10Wを消費したいとして,送電線の抵抗を1Ωだったとします.

負荷部分での電圧を10Vとすると,1Aを負荷に流せば良いので,負荷の抵抗値は10Ωですよね?送電側では送電線の抵抗による電圧降下分を加味して11Vで送電すれば良いわけです.
このとき,送電線の発熱分は1(A)^2×1(Ω)で1W・・電圧で計算するなら,(11-10)(V)^2/1(Ω)=1^2/2でやっぱり1Wですよね?

さて,負荷部分での電圧を100Vにすれば,10W消費するには0.1A流すことになります.つまり1kΩの負荷をつければ良いわけです.送電線による電圧降下は0.1A×1Ωで0.1Vですから送電側では100.1Vで送れば良いわけです.
後は同じように計算してみれば送電ロスが大きく減ることがわかると思います.
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この回答へのお礼

大変明快な説明をありがとうございました。中学生にも理解できる説明で大変助かりました。参考書の説明にそのまま載せたいぐらいです。

お礼日時:2009/11/06 10:48

発熱量=電圧の2乗/抵抗と書いた場合の「電圧」は、正確には「送電線による電圧降下」です。



それでは「送電線による電圧降下」はどのように計算されるでしょうか。これは、「電流」x「送電線の抵抗」です。

送電線の抵抗を変えることは出来ませんから、「送電線による電圧降下」を下げるには、「電流」を下げることが効果的ということになりますよね。

つまり、高圧が有利なのは、「送電線による電圧降下を防ぐために電流を下げる=高電圧を用いる」というのが正解です。

以上参考になりましたら幸いです。
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「発熱量=電圧の2乗/抵抗」と書いたときの「電圧」が何を意味するのか考えてみてください. 例えば「50万ボルトの電圧で送電する」としても, この発熱量の式に入る「電圧」は 50万ボルトではありません.


そんなことしたら電線ですべての電力を消費することになるので無意味.
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> 電力=電圧1 ×電流



> なぜならば,発熱量=電圧2 の2乗/抵抗と書くこともできるからです。


 便宜上、電圧1 と 電圧2 と分けてみました。

 この 電圧1 と 電圧2 が、まったく別なものであるにも関わらず、
同一視しているところから、誤解なされていると感じました。


 電圧2 は、抵抗の両端のこと、すなわち、送電線で言うと、送り側と
受け側の部分の電位差のことです。

 これに対して、電圧1 は、 変電所での電源電圧のことです。
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