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No.8
- 回答日時:
質問の趣旨に反しますが"平たくない"説明をします。
材料力学では、ポアソン比ν= 横ひずみε'/縦ひずみε、体積V、体積変化量ΔVとすると体積変化率=ΔV/V=ε(1-2ν)で示されています。ポアソン比が大きいと、軸方向に同じ大きさの荷重を作用させたとき、生ずる横ひずみが大きい、断面の寸法が変化するのが大きい、体積変化率は小さいと言うことが分かります。応力解析ではポアソン比が含まれる式は使われますが、実用的にはポアソン比の大きさの影響を論じるのは少ないと思います。
結晶性物質において、原子間に作用する力とポテンシャルエネルギーはコンドン-モース曲線(Condon - Morse curve)と言われています。2つの原子間には、電子の反発、電子と陽子の電気的な引力が働きこれらが釣り合ったところで結合しています。この原子間距離から外力により引き延ばされると元に戻ろうとする復元力が生じます。圧縮の場合は逆方向の復元力が生じます。これが外力と釣り合って生ずる応力(材料の抵抗力、内力)です。この値がその材料の強さを超えると破壊します。ポアソン比が論じられるのは変形が小さい弾性変形の範囲です。
ポアソン比ν= 0.5の時、体積変化無し、このとき、ひずみεだけ伸びたために増加した体積の分だけ横方向(y方向とz方向)の圧縮ひずみが生じて、横方向の体積が減少します。しかし実際には横方向の原子間距離が小さくなると、原子間には元の位置に戻ろうとする復元力が生じて本来の位置(縦方向の体積の増加を補う位置)に原子は移動しないと考えられます。ひずみεによる横方向の圧縮変形と復元力が釣り合った位置で原子はとどまり、このときのひずみが横ひずみε'と考えられます。ダイヤモンドは結合が強く、小さな原子の移動(ひずみ)にも大きな外力が必要ですから、横方向のひずみは小さくなり、ポアソン比は小さくなると思われます。 実際は、x,y,z方向に復元力が生ずるので解析は複雑です。物理量の定義はイメージではなく厳密に理解した方が後で役立つと思いますし、知識の幅が広がると思うのですが。
ご回答ありがとうございます。
原子間の結合の力と外力との釣り合いという考え方にはいたりませんでした。
物理量の定義はどの本にも書いてあって、数学的な操作はしょっちゅうやっているのですが、それだけではなんとも味気ないのです。研究所のラボならそれでいいのですが、現場で実際の「もの」を相手にするときに、「こんなものの物性値はどんなものだろう」というカンを養うには、イメージの涵養も必要なのです。
最近読んだ偉い先生の地質工学論文ではなんかのパラメーターがポアソン比の関数としてあらわされていて、そこに0と0.5を代入して、このパラメーターのとる値の範囲を論じていました。そこでこの疑問がわきました。「地質工学で、こんにゃくからダイヤモンドまで代入ているのではないのか。ふつうの地下の物質ではどんな範囲なのか」と。 イメージを持っていないと、ただ公式に数値を突っ込んで、わかったような気になってしまう落とし穴があります。
No.7
- 回答日時:
たいていの教科書に書いてある事を2つ書きます。
1)ポアソン比 σ=0.5は体積変化がないとした場合です。
長さL、半径rの円筒を圧縮したとします。
初めの体積 V=πr^2L
変形後の体積 V'=π(r+Δr)^2(L-ΔL)
Δr、ΔLが微小だとして展開します。
V'=πr^2L(1+2Δr/r)(1-ΔL/L)
=V(1+2(Δr/r)-(ΔL/L))
2Δr/r=ΔL/LであればV'=Vです。
σ=(Δr/r)/(ΔL/L)=1/2
多くの固体のヤング率の値は10^(10)Paのオーダーですから微少量という扱いは十分にいい精度で成り立っています。
(その意味ではコルクやゴムのような物体を一緒に考えるのは「?」です。コルクは空間の多い構造です。力を加えても隙間が潰れるだけで横へのはみ出しは起こらないということになりそうです。)
2)ヤング率Eは伸び(縮み)弾性率です。剛性率(ずれ弾性率)Gは硬さに関係するようです。
EとGの間には等方性固体の場合、
E/G=2(1+σ)
という関係があります。
物質の種類によってEもGも値は10倍以上の範囲で変化します。
それでも上の式にしたがって比をとると多くの金属で σ=0.3 の近くに来ます。
E/(2G)=1+σ
ですから σに0.1程度の違いしかないという事はE/G≒1.3(一定)と言ってもいい内容です。
σの値が0.1程度異なる機構を問題にする前にE/G≒一定はどうして起こるのかを考えるほうが先であるように思います。
その上で少しの違いの出てくる理由を考えるという段取りになりそうです。結合の強さも構造の空間率も問題になるでしょう。小さな違いを問題にしていますからどれか1つの理由で説明するというわけにはいかないのではないかという気がします。
金と鉛はどちらもσ=0.44です。でもヤング率は5倍違います。剛性率も5倍違うのでσが同じ値になったのです。
思いつきで書いています。
深く考えたわけではありません。
ご回答ありがとうございました。
「コルクは力を加えても隙間が潰れるだけで横へのはみ出しは起こらない」
というところが示唆的でした。
おそらく、同じような現象が(その「はみ出しの起こり具合」の程度を含めて)、原子配列や構造の結びつきの強さ、分子同士の並び方、繊維の構造のようにミクロからマクロまで起こるのでしょう。その総合がマクロで観察できるポアソン比だと。うんとマクロになると、ビルなどの構造物の作り方にまで応用されますね。
No.6
- 回答日時:
#5のお話は、全く正しいと思います。
愚痴です。
阪神淡路大震災のとき問題だったのは、観測されていない鉛直方向の地震動ではなかったか?、というのがあります。
世界中の地震計は、水平方向の地震動を主に観測します。それが、地震動の主要動と言われているからです。しかし、直下型地震では、鉛直方向の地震動
が重要では?、という話は、確かにあります。
お話がずれました。
コメントありがとうございます。
きょう日、たいていの地震観測点は三成分記録していると思いますが、神戸の時はそうでなかったんですか。知りませんでした。1成分だとしたら鉛直成分を記録すると思うんですが。だって、一口に水平方向といっても、南北方向、東西方向またその間に無数の方向がありますので。
地震波には縦波(P波)と横波(S波)があって、P波が速く伝わります。S波は遅いですがエネルギーのほとんどを運びます。
直下型なら並みの進行方向が鉛直に近いですから、まずP波が鉛直方向にゆれます。そのあとS波が来て水平方向に大きく揺さぶります。
遠くから来る地震だと、P波の初動の方向は斜めになりますね。震源が遠いほど水平に近く、深いほど鉛直に近くなります。S波の方向も斜めですが、すべての方向を向くのでやや複雑です。3成分観測ではその鉛直成分と2方向の憂い兵成分を観測します。
No.5
- 回答日時:
(1)
粘土で作ったテストピースを圧縮したり、引っ張ったりするとわかると思うのですが、ポアソン比は、そういうイメージだと思います。
自分は工学部出身です。工学では、#2さんのお礼にあるような、原子の事まではふつう気にしませんよね。現象としてそうなる、と受け入れるだけです。でも追及するなら、別の話です。
一般論としては、こうなると思います。工学ではふつう微小変形を考えます。挙動微小なら、まさに数学の一般論として、応答は線形です。ポアソン比は、(1)を、現象から帰納して、微小変形一般論にした話だと思います。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
地震はを論ずる時、ポアソン比はP波速度とS波速度の比から導きます。M6級の地震でも粒子の変位は微小で線形範囲と見て差し支えないと思います。
地盤の振動を考えた時、ある一方の方向にゆすられた時、ポアソン比の大きい地盤は他方向にもよくゆれるという認識で、いいでしょうか。
片方で線形範囲だなんていっておいて、まったく定性的な話ですが。
No.4
- 回答日時:
平たく言うと、「縦の動きの横の影響度」じゃないですかね。
数学を基礎にする中で、ポアソン比無しで素直に計算すると
縦20・横10だと(x,y)=(20,10)
縦に半分縮めると(x,y)=(10,10) と、ずんずん計算が進んで行くけれど
ちょっと待って!体積からして半分だけどいいの?と言いたくなります。
(編微分とかで複雑な式になってくると感覚が追いつきませんが)
体積一定の(10,20)になる物質や、(10,15)くらいになる物質、
物質ごとにポアソン比(縦に潰した時の横への影響)は大体一定なんだ、というイメージでいいのでは。
縦に潰すと横にも潰れるポアソン比-の構造もあるみたいですけど
とにかく、縦の動きの横の影響度をナシ(ν=0)と考えたままでは工学的に現実味が無くなると思います。
ご回答ありがとうございます。
物質ごとにポアソン比(縦に潰した時の横への影響)は大体一定なんだ、というイメージはわきますね。
そのポアソン比が、物を作る時には材質・構造について重要になのはどうしてでしょう。押しても横に広がらないものがほしい場所、逆に押したら横に広がったほうがいい応用場面、何か例をご存知ありませんか。
重ねての質問ですみません。
No.3
- 回答日時:
一応書籍詳細のリンク先を張っておきましたので確認下さい。
ただこの本は材料力学の本であり、基本的に原子レベルでの話は余りありません。そちらの場合は、材料強度学の方がいい本があると思います。
参考URL:http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0192264548
No.2
- 回答日時:
文献で原子間の結合力が強いほど、ポアソン比は小さいとありました。
ダイヤ等は理解できますが、コルクの0は当てはまらないと思いますが…。あとDNA構造のポアソン比は-0.7とか聞いたことあります。引張ると側面が出っ張ると言う事ですね。コルクやDNAは特殊な例でしょうから、体積変化しないゴムの様な物ほどポアソン比が0.5に近づくという程度で良いと思います。
ありがとうございます。
なるほど、原子間の結合力の強さ から来ているのですか。 その文献、ご手数ですが、お知らせ願えませんか。 勉強したいと思いますので。
No.1
- 回答日時:
私も余り上手く説明できませんが、個人的には0.5に近ければゴムの様に力がかかった方向とは直角の方向に変形して、体積変化が殆ど無いというイメージをしてます。
逆に小さい値であれば、ダイヤモンドに力をかけた様に殆ど直角方向には変形しないと(体積変化は少ない)というというイメージです。
ご回答ありがとうございます。
やわらかそうなもの アルミニウム 0.345、 金 0.44 ゴム 0.49
かたそうなもの ガラス 0.22,、 石英 0.17
なんとなく、 堅さと負の相関 がありそうです。
ところが、コルクでは 0 というのが、うまく説明できませんね。
なんか、原子配列とか結晶構造のミクロなところから、粒子のつながり具合や木目といった可視的なところまでの総合した構造に関係しているパラメーターなのでしょうか。
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