
不勉強なのでしょうが、サンプリング定理でいわゆるサンプリング周波数の半分までの原信号を復元できる、というのが数学的に証明されているのはよいのですが、
現実のDACにおいて、それがどのように実装されているのかが良く分かりません。
単にデジタル化された数値の電圧を次々に出力しているだけのように思えます。(よくある階段状の出力波のイメージのやつです。)
また原信号の復元イメージを描いた図などでは、ある時点のサンプリングされた点の波形を再現するには、次の(未来の)点、さらに次の(未来の)点・・と、寄与は少なくなるものの、完全に原信号を再現するには、すべての量子化された点の情報が必要になるように思えます。
結局、サンプリング定理によれば原信号を再現できるが、現実には再現していないのではないか、と思えてなりません。
分かりやすい説明(イメージ的なものでもよいです)をしていただけると嬉しいです。
A 回答 (24件中11~20件)
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No.14
- 回答日時:
No.13です。
お役に立てず申し訳ありません。学部で解析をサボったので, 正確なことを確信を持って書けなくて……
それでも若干補足させてください。
1. サンプリング定理には仮定があります。
たとえば,
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99%E6%9C%AC% …
をご覧ください。
「標本化定理とは、ある関数f(x)をフーリエ変換した関数F(s)の成分(スペクトル)が、| s | ≧ W の範囲でF(s)=0である……」とあり, このフーリエ変換が成り立つための仮定がサンプリング定理にも必要です。
フーリエ変換自体をきちんと学んでいないので不正確な説明となりますが, t = 0 の近傍でしか成り立たないと思われます。この近傍だけでは音にならないので, 一定区間で同じ音が続くよう関数を拡張する, といったことになると思います。
「標本化定理の証明」の12~13行目で, 入力信号を正弦波 (同じ音が続く) としていますが, これは本質的なものと思われます。
尚, 同証明で「θα」を用いていることから私の iii) の仮定は誤りかもしれませんが, グラフで考えると定理は成り立たなさそうなので, これもフーリエ変換時の仮定ではないかと思います。
2. 記録時と再生時に同一の理想的なローパスフィルターを用いれば, 定理を満たす限り, 両信号は一致します。
定理より, 「s = 2Wに相当する周期より小さい周期をもつ標本化関数で標本化したときに得られる関数は、そのスペクトルのうち | s | < Wが原関数のスペクトルに一致」し, ローパスフィルターによる信号はこの一致するスペクトルのみから構成されるので, 当然の結果となります。(「理想的な」とは, 周波数 F 以上をすべてカットし, 周波数 F 未満の部分には全く影響を及ぼさない, という意味で用いました。)
3. 定理では, t = T のときと t = T + α のときに同時に (同じサンプリングデーターで両方のときに) 入力信号を再現できるとは保証していません。
α = 1/f で考えると, 多分無理でしょう。
オーディオ業界が言ってきた(今も言っている)ことは, ある仮定の元でのみ正しいが, 実際の音楽信号で厳密に成り立つことは殆ど無い, というところでしょうか。
但し, 結構うまく近似できるているものだな, とは思っています。
あと, オーバーサンプリングは無理のないアナログフィルターを用いるのに有効でしょうが, 場合によっては音が変りそうにも思います。決して否定するつもりはありませんが, 過度の期待はできないと思います。
No.13
- 回答日時:
はじめまして。
定理自体もよく知らない素人ですが, 私の感じていることと関連することを疑問に思われているように思いますので, 横からお邪魔します。
フーリエ変換は極限値において成り立ち, フーリエ変換も定理も各点(各瞬間)ごとの記述であることを踏まえた上, 次の3点を考慮すると先が見えてくるのではないでしょうか。
i) 定理は t=0 におけるものと思われますので, 同じ音がずっと続くと仮定すべきものでしょう。
ii) No.6さんから引用させていただきますが, 「時間の関数f(x)が,帯域幅0-Wサイクル/秒、の間に限定されているのなら、f(t)、は次の結果に示す方法で、時間軸上で1/2W秒ずつの間隔の離散的な標本点の系列における縦座標の値を与えれば完全に決る。」とのことですから, 逆に言うと t 秒ごとに時刻 0 における 2/t サイクル/秒の成分が決定する, つまり聞こえてくることになります。(つまり音を認識できるのは事後となります。)
iii) 上記引用部と http://www.yobology.info/text/sampling_theorem/s …
の記述から, 定理は a sin( bt + c ) という各成分において c = 0 ± n/2 π であると仮定しているようです。つまり t=0 のとき 極値をとるか変曲点となっているかいずれかです。
ということは, サンプリング周波数の 1/4 の周波数成分は, サンプリングの度, クロックのタイミングにより異なった振幅で記録されることになるのではないでしょうか。
以上, 不正確かつわかりにくい文章ですが, 日頃感じていることを書かせていただきました。もし参考になったなら幸いです。
回答ありがとうございます。
しかし、大変もうしわけないのですが、理解できませんでした。
定理とはサンプリング定理を指していると思いますが、サンプリング定理には書かれているような仮定はありません。(また私はサンプリング定理を疑っているわけではありません。)
書かれている「サンプリングの度, クロックのタイミングにより異なった振幅で記録されることになる」というのは正しいです。しかしサンプリング定理に従えば、それらから復元される信号はすべて同じになります。
オーディオ業界が言ってきた(今も言っている)”階段状の波形にローパスフィルタという帯域制限を掛ければ元の波形が再現される”なんていうのは大嘘なんです。サンプリング定理を理解せずにそれっぽいことをやってみたら、なんとなく正しそうな音が聞こえたって程度です。アップサンプリングなしのローパスフィルタなしのDACでもそれっぽい音が聞こえます。こちらのほうが音がよいなどという人までいます。帯域制限どこいった?っていう話です。
調べてみるとCHORDというメーカーがこのあたりをちゃんと考えてやっているようです。アップサンプリングも1024倍(10回ですね)やって、これだけで十分になめらかな波形が得られそうです。その時のFIRフィルタ(なのかな?)の次数も1024とか4096とかと、他のが256程度の次数と比べて非常に大きく、その分サンプリング定理に非常に近い動作が期待できるものになっていると考えられます。(とはいってもCDでさえ1秒に44100のデータがあるので、4000でも0.01秒の値しか参照していないことになります。これで十分かどうかは私には分かりません。)
しかしもっと明らかな問題は、CHORDのDACは高すぎて私には手が出ないということですw
No.12
- 回答日時:
No6です
>「とりあえず2倍(n倍)オーバーサンプリング時のFIRフィルタによる中間値の補間が、前後いくつかの値から算出される値を足し合わせたものになっていて、それはサンプリング定理に従うものであることは分かりました。」
この理解は間違っています、FIRフイルタはデジタルフイルタの理論で設計されているもので、サンプリング定理に従っているわけではありません。
サンプリング定理の説明で良く出てくるSinc関数の波形は、原点以外すべてのデータ点はゼロ点で交差していたと思います。すなわち全てのデータ点は互いに独立していて干渉し合わない。
FIRフイルタの場合形は形は似て居ますが全てのデータ点でゼロ以外の値をとります。すなわち、FIRフイルタを通ったデジタル信号は全てのデータがお互いに(隣どおしやその先のデータと)干渉しあっています。
形は似て居ますが、違うものです。
いつも回答ありがとうございます。
すこし出かけていたので返事が遅くなってしまいました。
FIRフィルタがサンプリング定理に従っていない、というのは恐らく誤解かと思います。間の信号を補間するのですから、従ってもらっていないと何をしているのか分からないです。
FIRフィルタでも「データ点は互いに独立していて干渉し合わない」ですが、求めるものが中間点のデータですので「全てのデータ点でゼロ以外の値をとり」それを足し合わせて値を求めていますが、この動作は正にサンプリング定理での信号の復元のものと同一です。サンプリング定理では中間点の値だけでなく原信号すべてを復元することになりますが。
それは良いのですが、本題のDA変換時の原信号の復元は理解がさっぱりすすんでいません。
FIRフィルタで8倍オーバーサンプリングなどにした場合に、ある程度の形のデータで補間されるのは理解できたので、全く酷い信号の復元にはなっていないことは分かったのですが、オーバーサンプリングされていない場合はどうなっているのでしょう。
後段のローパスフィルタで波形(位相)が崩れまくるから、そこは気にしても出される信号はぐちゃぐちゃだよ、って話なのでしょうか。
No.11
- 回答日時:
No6です
回答No10での質問者さんの書いたお礼の文章に幾つか勘違いがあります。
>「それでそのローパスフィルタにFIRフィルタが使われていて、参照のDACのデータシートにある169次直線位相FIR フィルタ(1段目)がそれですね。」
参照にあるのは、FIR型のデジタルフイルタそのものです、入力も出力も数値です、出力側にはアナログ信号は出てきません。
>「ところでオーバーサンプリングにもどって、ローパスフィルタを何らかの理想的なものでやってやるとすると、これは精々元の離散値2つと間に入れた0値の3つ程度から間の値が補間されるということになります。」
この文章は私には理解不能です。
参照に書いたFIRフイルタの場合、マニュアルどおり受け取れば前後各84個のサンプリングデーターを一定の規則(おそらくSinc関数)で重み付けして足し合わせた数値が補完されると思います。
ローパスフイルタは数値計算で実現しています、アナログのローパスフイルタではありません。
>「FIR フィルタが理想的なローパスフィルタに近いものなら、前後の値を参照しない=サンプリング定理の元信号の復元に忠実でない、値で補間されているのではないだろうか?」
この文章も私には理解不能です。
もし理想的なローパスフイルタ(ある周波数から周波数特性が直角に減衰する)をFIRフイルタで作ろうとすると、補間点の無限の過去から無限の未来までのデーターを参照する事になると思います。No10で引用したデジタルフイルタは前後各84個のデータを計算してローパスフイルタを実現しているわけです。
遅くなりました(いつもですみません)
とりあえず2倍(n倍)オーバーサンプリング時のFIRフィルタによる中間値の補間が、前後いくつかの値から算出される値を足し合わせたものになっていて、それはサンプリング定理に従うものであることは分かりました。
ここで問題なのが、私が参考にしたオーバーサンプリングの説明
http://blackfin.s36.coreserver.jp/2191/program/p …
この説明では、私が書いたように「ローパスフィルタを通したら元の信号が復元されます(あら不思議)」といった説明がされています。FIRフィルタはローパスフィルタですが、どのようなローパスフィルタでも元の信号が再現されるわけではない、つまりウソが書かれているということです。(数学的には「AならBが真」の逆は真とは限らないということ)
オーディオの説明ではこのような、ごまかしやらウソ説明が多いように感じます。
だから余計にわからない。
ところでこの、ローパスフィルタを通せば元の信号が再現されます、という説明は、DACの階段状の出力をローパスフィルタを通して~と同じ文章になるわけですが、こちらは前後の値を参照したものになって”いない”ように思っていますが、この理解は間違いでしょうか?
No.10
- 回答日時:
No6です
質問者さんのNo9でのお礼の記載内容で、
>「どうも理解しづらいのは、FIRフィルタに関しては、複数の離散値からアナログ信号を生成し、それらをFIRフィルタで足し合わせている、というので良いのでしょうか。」
これは、アナログ回路でも、デジタル回路でも、ソフトウエアででも実現可能です。普通はデジタル回路で作ってICチップ化していると思います。
別にDACは一個で大丈夫です、補完手順については前に引用した元オーデオメーカの方が説明しておられます。
http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/next_ …
普通この補完データーを算出するのにSinc関数を使っていると思います。存在する1/2Wおきのデータの間に3個とか7個のデータを計算で作り出して埋め込めば良いわけです。DACが4倍とか8倍で動作できれば1個のDACで済みます。
>「1/4Wや1/8Wの間隔で補完して~、と書かれているのはオーバーサンプリングのことだと思いますが、この中間値を補完するのに前後のデータも利用してその値を算出しているというのは分かりやすいのですが、そもそもその値である原信号を復元しようとしているのがDACですので、本末転倒というかその値が算出できるなら、その値を直接出力すればよいというか、1波長を16個の離散値で表せるならそれらを直線で結んでも、かなりよい原信号の復元になりそうなわけですが、こちらも現実のDACでそのようなものがあるのだろうか?と思っています。」
質問者さんのこの文章については、私には理解不能ですが。
FIRフイルタで前後の値を足しこんで補完データを作っているのですから、デジタル信号処理でFIRフイルタを作れば1個のDACで済むわけです。DACは元信号を復元しているわ訳ではなくて、デジタル信号の値(数値)をアナログ信号の値(電圧)の変換しているだけです。
>「1波長を16個の離散値で表せるならそれらを直線で結んでも、かなりよい原信号の復元になりそうなわけですが、こちらも現実のDACでそのようなものがあるのだろうか?と思っています。」
直線補完と言うやり方ももちろんあります、デジタルフイルタや信号処理の本を読むと出てくると思います。
直線補完が普通のCDプレーヤーなどで使われないのは、高調波歪みが増えたり、周波数特性が悪くなったするためかなと思います。CD用のデジタルフイルタを作ったり、そおいった仕事に携わったりしたことがないので、詳しくは知りませんが。
実際のCDプレーヤ用のデジタルフイルタは下記の様な特性のようです。データシートがダウンロードできます。
http://www.npc.co.jp/ja/products/item/sm5847a.html
169次のインターポレーションフイルタと書いてあるので、前後84個のサンプリングデータから補完するデータを算出している様です。
リップル+/-0.00002dBと書いてあるので、周波数特性の平坦度は良すぎるくらです。阻止帯域減衰量116dB以上と書いてあるので、これまた良すぎるくらいです。
普通の人間の耳では60dBぐらいしかダイナミックレンジがないと言われています。またオーデオアンプの平坦度は-3dBで規定されていたと思います。
No6で私が引用した元オーデオメーカの方のホームページに書かれているCD用DACの方式は、人間の聴覚の特性と、音楽CDのデータの特性を考慮して、なるべく元信号に近いアナログ連続信号を復元しようとしたDACの方式かな、と私は考えています。
お返事ありがとうございます、なかなか理解が進まず遅くなった上に、先日書き込んだつもりが書き込まれていなかったようで・・。
今回は2倍オーバーサンプリングのところについてなのですが、以下のサイトを参考にさせて頂きました。
http://blackfin.s36.coreserver.jp/2191/program/p …
間に0の値を入れてローパスフィルタを通すと、元の波形(元信号)の再現された値で補間されます(あら不思議)、ということですよね。
それでそのローパスフィルタにFIRフィルタが使われていて、参照のDACのデータシートにある169次直線位相FIR フィルタ(1段目)がそれですね。このFIRフィルタが前後84個(84/2個?)の値を使っているので、サンプリング定理にある元信号の復元に近い信号が復元されいている、ということですね。
ところでオーバーサンプリングにもどって、ローパスフィルタを何らかの理想的なものでやってやるとすると、これは精々元の離散値2つと間に入れた0値の3つ程度から間の値が補間されるということになります。
FIR フィルタが理想的なローパスフィルタに近いものなら、前後の値を参照しない=サンプリング定理の元信号の復元に忠実でない、値で補間されているのではないだろうか?
というところのことを考えたり調べたりしているところです(慣れない分野なので理解が進んでいませんが)。
# FIR フィルタの係数とインパルス応答との関係がまだ良く分からず、この辺りで道草を食っていたというのもあります。いまだに良く分からないままですが・・
No.9
- 回答日時:
No6です
「時間軸上で1/2W秒ずつの間隔の離散的な標本点の系列における縦座標の値を与えれば完全に決る。」、これはあくまで連続したアナログデータを離散したデータで標本化するときの話です。名前の通り、「標本化定理」「サンプリング定理」です。「1/2Wごとの標本化点が完全に元信号の情報を持っている」、ということの証明です。 標本化した物を元に戻せるかというと話はまた違ってくる、と私は考えています。Sinc関数を使った説明や証明は、アナログデータを標本化して離散データとして取り込むときの説明にしかならない、と考えています。
質問者さんもおっしゃっているように、FIRフイルタを使っても、
>「足し合わせてt4~t5の信号を出力しているDACが存在するなら、それはある程度、原信号に近い出力波形を出せそうですが、」
程度までです。実用上は十分ですが、完全には復元出来ていません。それはNo6で引用した解説の通りです。
http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/next_ …
CDプレーやなどで使われているDACは質問さんが書かれている通り、データt4とt5の間を、1/4Wや1/8W/や1/16Wの間隔で補完して信号を復元しています。補完するとき前後のデーターを加算するための波形はSinc関数かそれを少し変形した関数を使っていると思います。
お返事ありがとうございます、遅くなってしまい申し訳ありません。
サンプリング定理から原信号の再現には複数の離散値が必要、という理解は間違えていないようですね。
それで現実にはFIRフィルタを用いたり、1/4Wや1/8Wの間隔で補完して信号を復元する際に前後のデーターを加算しSinc関数などを使用し値を決めている、ということでしょうか。
どうも理解しづらいのは、FIRフィルタに関しては、複数の離散値からアナログ信号を生成し、それらをFIRフィルタで足し合わせている、というので良いのでしょうか。
実際にやろうとするとDACチップが複数必要になりそうですが、このような原理で動作しているCDプレーヤーなどは聞いたことがないので、本当にあるのだろうかと思っています。
1つの変換値をループバックするようなイメージで出力信号に乗せていくというので過去分の寄与を算出したりできそうですが、時間的に有限長のアナログ信号を上手く加えられるものなのだろうか、というところがよく分かりません。
(4つ以上の複数DACチップを使っているものがありますが、これがこのような原理で動いているというものではないですよね?)
1/4Wや1/8Wの間隔で補完して~、と書かれているのはオーバーサンプリングのことだと思いますが、この中間値を補完するのに前後のデータも利用してその値を算出しているというのは分かりやすいのですが、そもそもその値である原信号を復元しようとしているのがDACですので、本末転倒というかその値が算出できるなら、その値を直接出力すればよいというか、1波長を16個の離散値で表せるならそれらを直線で結んでも、かなりよい原信号の復元になりそうなわけですが、こちらも現実のDACでそのようなものがあるのだろうか?と思っています。
まとめると、正確なDA変換には複数の離散値が必要だが、現実のDA変換では2つの値程度しか変換に使用していないのではないか?これでは原理的に正確な原信号の復元はできていないのではないか?ということです。
No.8
- 回答日時:
No6です
質問者さんの補足で、
「DACは未来の離散値を得る前に信号を出力しなければならないため、原理的に原信号を復元できていないのではないか」、とありますが。
これは出来ますよ、DACから出てくる信号を少し時間的に遅らせれば、未来の離散データーを取り込む事ができます。普通のCDプレーヤなどにはこの形式のフイルタ(FIRフイルタ)が使われています。一種の移動平均フイルタです。
http://focus.tij.co.jp/jp/dsp/docs/dspcontent.ts …
回路の規模にもよりますが、アナログ回路でも、デジタル回路でも、ソフトウエアでも実現可能です。
お返事ありがとうございます。
シャノン氏の話の「時間軸上で1/2W秒ずつの間隔の離散的な標本点の系列における縦座標の値を与えれば完全に決る。」の文の与える値には、私の言う過去から未来に渡る全ての値であり、それらが与えられて初めて「完全に決る」ものであると私は理解していますし、これがある値t1を基準に見た場合に次の値t2によってt0からt1までの原信号の復元に大きく関与している(のではないか)という考察にも非常に適ったものであると考えています。
ゆえに現状のDACが未来の値を用いない状況で出力している信号は、サンプリング定理(シャノンの定理)のいう原信号の復元を原理的に実現しているものではないのではないか?と疑問に思っているのです。
# 同じ事を何度も書いてすみません。
FIRフィルタは、ローパスフィルタにはなりそうですがどうでしょう。
例えば8個の離散値t1~t8を使い、t4~t5の間の原信号の復元を、
t1からのt4~t5の間の信号の寄与と、
t2からのt4~t5の間の信号の寄与と、
・・・
t8からのt4~t5の間の信号の寄与とを、
足し合わせてt4~t5の信号を出力しているDACが存在するなら、それはある程度、原信号に近い出力波形を出せそうですが、
私はこのような動作をしているDACを知らないのですが、存在しているのでしょうか。
あるいは何らかの原理で同様のことを既にDACでしている、ということなのでしょうか。
No.7
- 回答日時:
No6です
「原信号を復元できる、というのが数学的に証明されている」この件についてです。
昔CDプレーヤーが発売されたころ、発売前には「デジタルレコーディングなのでどれも同じ音がする」と言われていました。しかしいざ発売されると、出てくる音は会社や機種によって違っていて、信号波形も機種により違っていました。
オーデを雑誌の記事を読んでも、いまいちピント来ない。
専門書を読めばよいのかと思って「情報理論」の本を何冊も買って読みました。情報理論の本はかなり大雑把な説明のあと、「元信号を復元出来る」と言う趣旨の結論がかいてある物が大部分でした。
シャノンの原著にはどう書いてあるのかと思って、これも買って読みました。難しい本です。
シャノンさんの言う所はこうです。19章にこう書いてあります。
「時間の関数f(x)が,帯域幅0-Wサイクル/秒、の間に限定されているのなら、f(t)、は次の結果に示す方法で、時間軸上で1/2W秒ずつの間隔の離散的な標本点の系列における縦座標の値を与えれば完全に決る。」と書いています。「次の結果」とは標本化定理に良く出てくる式の事です。
この「決る」とは英文原著では「determined(決定される)」となっています。
私の理解では、シャノンさんは、一定条件で帯域制限された連続信号波形(アナログ信号)は有限個の点(離散データ)で決定出来できる。そのデーターは元信号の情報を完全に持っている。しかし、復元出来るかどうかについては何も書いていません。
「サンプリングされた離散データは完全に元信号の情報を持っているが、それをDACとローパスフイルタでアナログ信号に戻すとき、10種類のやり方があれば10種類の元信号とは異なる信号が出てくるのは当たり前。」と私は解釈しています。
昔この件について色んな人と議論しましたが、サンプリング定理の解釈の仕方は十人十色、私と同じ解釈の人はいなかったと思います。
シャノンさの原書を読んでみてはいかがでしょう。入手可能です。
Claude E. Shannon and Warren Waver
THE MATHEMATICAL THEORY OF COMMUNICATION
ISBN 0-252-72548-4
絶版ですが訳本があります。図書館や古本屋さんで探せばあると思います。
長谷川淳、井上光洋 著
シャノン コミュニケーションの数学的理論
明治図書
No.6
- 回答日時:
おっしゃるとおり、サンプリング周波数の半分までの現信号を復元できるのは無限の過去から無限の未来まで変化しないサイン波形の信号の時だけです。
実際の音楽信号は常に微妙に音程や音量が変化て波形が変わっています。このため、実際のCDでは録音再生範囲20KHzに対しサンプリング周波数が44.1KHzと少し規格に余裕を持たせて。電気的な回路を作りやすくしています。
少しローパスローパスフイルタの周波数領域での特性をなだらかにして、時間領域での信号の微妙な変化に追従しやすくしているようです。
元オーデオメーカーの方が解説されています。
http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/next_ …
サンプリング定理は、原信号の再現を保障していると理解しています。これは数学的に証明されていることですよね。
しかしこれは必要条件で十分条件ではなく、その離散値から「原信号を復元することは可能」だが、DACでは「原信号を復元していない」のが現状ではないのか?と思っています。
それは原信号の復元には離散値すべてが必要であるものの、DACは未来の離散値を得る前に信号を出力しなければならないため、原理的に原信号を復元できていないのではないか?という疑問です。
No.5
- 回答日時:
No.1です。
現実のDACがサンプリング周波数の1/2まで正確に再現しているかといわれれば、確かに再現していませんよ。理由は呈示されたHPにも記載されていますが、完全なローパスフィルターが実現できないからです。
現実的には、こう考えたらどうですか。上記の通りなので、例えばCDなら再生周波数を20KHzまでとするなら、サンプリング40KHzでいいところ、44.1KHzと少し余裕を持たせている。ローパスフィルーターの減衰域が垂直のフィルターは作ることが出来ないので、とみてもいいと思います。
何度もありがとうございます。
私が疑問に思っている部分は、ローパスフィルタの実装に関する難点ではなく、もう少し理論的な部分です。つまり理想的なローパスフィルタであっても、原信号を再現できていないのではないか?という疑問です。
サンプリング定理から原信号を再現するには、例えばあるところの値をt1,t2.t3・・・と並んでいるとしますと、t1からt2の間の原信号を再現するにはt3以降の値が必要であると理解しています。これはt1とt2が同じ値でもt3の値が異なるものを考えれば、t1からt2の原信号は変わってくる(と私は考えています)ことからも間違えていないと思います。
ところがDACはt3の値を得る前にt1からt2の間の信号を復元しているのだとしたら、当然それは原信号とは異なるラインを出力しているということになります。
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