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 昨日、雑誌を読んでいると、軍用機は有事の際作戦に投入される可能性があり、搭載するエンジンは4発のほうが生存率が高いと書いてありました。
だとしたら輸送機は4発エンジンばっかりだと思い調べてみると、2発エンジンの輸送機もあります。

*4発の輸送機の例

 ・C-17 :P&W F117-PW-100ターボファン(18,460kg)×4
 ・C-5 : GE TF39ターボファンエンジン(19,500kg)×4
 ・C-130 : アリソン・エンジン社製T56-A-15ターボプロップエンジン ×4
 ・A400M(開発中) : ユーロプロップ インターナショナル TP400-D6 ターボプロップエンジン × 4

*2発の輸送機の例

 ・C-27J スパータン :ロールス・ロイス AE2100-D2A ターボプロップ、4,637 shp (3,460 kW) × 2
 ・C-1(川崎) : P&W JT8D 軸流式ターボファンエンジン × 2
 ・C-X(XC-2) : GE・アビエーション CF6-80C2K1F ×2
 ・CN-235 : ゼネラル・エレクトリック CT7C ターボプロップ, 各 1,395 kW (1,750 bhp) × 2
(Wikipediaより)

日本の次期輸送機であるC-Xもターボファン双発の機体ですが、有事の際の運用のことを考えると心配でなりません。
上記のような双発エンジンの輸送機を導入した国はいったいどのような意図で双発エンジンにしたのでしょうか?
燃料コストの問題でしょうか?詳しいかた教えてください。

A 回答 (6件)

「信頼性の向上」「実戦運用で問題がなかった」あたりではないでしょうか。



>有事の際の運用のことを考えると心配でなりません。
いまや根拠に乏しい心配か と。
一例を挙げれば、湾岸戦争~イラク航空監視~イラク戦争において、F-16などの多数の単発機が砂漠上空の任務に当たりましたが、特に問題があったという事実があったのでしょうか?
そもそも、海軍機に4発機は存在しませんし・・・(海軍機は、海上運用が前提のため、万一のトラブルを考慮して固定翼・回転翼ともに双発機が主流でしたが、次期艦上戦闘機F-35は単発機です)
双発機が太平洋を横断できるまでにエンジンの信頼性が向上した現在においては、部品点数を増やす方が信頼性の低下に繋がるという考え方もあります。
また、エンジンの数が少なければ燃費が向上する=必要な燃料が少なくなれば運用の柔軟性の向上というメリットもあります。

更に、実戦の形態も変わってきています。
少数の特殊部隊ならともかく、空挺部隊を満載した輸送機が敵地上空に侵入して、兵士が続々とパラシュート降下・・・なんて戦争は何十年も行われていません。非戦闘地域の空港に兵員やヘリコプターを輸送し、そこで部隊を展開し、ヘリボーン作戦で戦闘地域に侵空・・・が、現代の空挺部隊の戦闘です。

初っぱなから戦闘空域に輸送機を飛ばすことは考えられなくなっています。戦域輸送もミサイルや攻撃機により敵対空戦力を徹底的に叩いて、制空権を確保してから始まるようになっています。

因みに、イラクがクェート侵攻に対して米空挺師団が急遽派遣された際には、ヘリコプター・火砲・車両などはC-5などの米空軍機が輸送に当たりましたが、個人装備を携行した兵士はチャーターされた民間旅客機で移動しています。
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この回答へのお礼

お礼が大変遅れまして申し訳ありません。
回答ありがとうございます
双発か4発かの選択は、目標積載量・航続距離などによって決められ、
生存性の面からいうと、荷物を救うためには双発でも十分ということですね。
回答ありがとうございました

お礼日時:2010/03/16 18:57

 単純にC-1とC-5を比較した場合に、双発か4発かは


積載能力および総重量の違いだけでしょう。
C-1は単に双発で十分だと言う事ですよ、実際
C-5はC-1と比較して10倍位積載能力有ります。
 最も輸送機で単発はあり得ないですから、
1つのエンジンが被弾しても何とか不時着する位は
出来るのではないでしょうか。
 戦闘機との違いは、緊急時は荷物も
救えれば救いたいんです。
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この回答へのお礼

お礼が大変遅れまして申し訳ありません。
回答ありがとうございます
双発か4発かの選択は、目標積載量・航続距離などによって決められ、
生存性の面からいうと、荷物を救うためには双発でも十分ということですね。
回答ありがとうございました

お礼日時:2010/03/16 18:58

元航空エンジニア、軍事産業にいたことがある者です。



運用コスト(燃料費等)やペイロード(輸送機の有効積載重量)に対する必要推力等の兼ね合い、航続距離などがあるでしょうね。

C-5ギャラクシーは、超大型戦略輸送機の開発計画に合わせて開発製造された、超大型戦略輸送機です。

日本のC-1と比較すると他の方が書かれていますが、輸送機の場合、ペイロードに見合った推力、必要な距離を飛行する航続距離が出せる経済性が必要となります。

アメリカ軍がC-5を開発した際は、戦車などを解体せずに運べる大型戦略輸送機を必要とした時期で、アメリカ軍がロッキード社、ボーイング社、ダグラス社、マーティン社、ジェネラル・ダイナミクス社にエンジン4発搭載型、総重量249t(55万ポンド)積載量81.6t(18万ポンド)およびマッハ0.75(805km)で飛行可能であり、胴体前後に貨物ドアを備えた機体の設計を要求、殆ど設計が変わらなかったその中から、ロッキード(現在のロッキード・マーティン)ロッキード案が採用されたものです(負けたボーイングは、この時の設計を原型にB-747ジャンボジェットを開発し成功したと言われる)。
戦車を運ぶことが目的に入っていたことから、積載量最大300トン以上という巨人輸送機になってます。

これに対し、日本のC-1は、有事の際にアメリカが必要物資を供給するという条約の下、物資をアメリカに依頼できるか当時の政府が確認したところ、アメリカ軍はグアム基地まで輸送する、しかし、日本本土まで輸送するほど艦隊に余裕がない、自分たちで取りに来るようにとの返答があったようで、性能としては最大積載重量8トンで、戦車は詰めない。車両はジープ程度まで。航続距離はグアムまでの片道飛行を有事の低空飛行で行えることという要求で製造された機種です。そのため、エンジン2基、高翼、後部ランプドア等搭載の中型輸送機になりました。対応機種としてC-130導入案もありましたが、この案を押しのけて自国開発になったのです。

しかし、この積載重量と航続距離が足枷になりました。積載重量が低すぎ、しかも設計が古いので空中給油装置もないです。そのため、結果として不足した輸送機の補充の際、C-1を再製造せず、C-130Hを導入することになってしまいました。

航続距離もペイロードもないため、PKO活動に参加し出すと装甲車の輸送が出来ず他国から大型輸送機を借りるか、海上自衛隊の輸送艦を出動させなければならなくなりました。しかし、海上輸送時間が掛かります。急を要するPKOでは間に合わず、最近はロシアからアントノフを借りている始末です。しかも航続距離が無くて途中で何回も他国の基地に立ち寄って給油を受けることになってしまいました。

そこでC-2は、最大積載重量37.6トンとC-1の4.7倍、航続距離はC-1は輸送物無しで2400Km、8トン搭載で1600キロと言う性能から、C-2は積載物無しで10000キロ、最大積載で約5000キロと大幅に航続距離が伸ばされています。つい先日初飛行した試作1号機は未搭載ですが、2号機からは空中給油受油装置も搭載(当初は試作2号機は取り付け準備工事のみの予定だったが前倒しになった)されます。

エンジン数ですが、生存性が4基の方が良いというのは間違えではないですが、正解でもありません。

生存させるための設計基準というのも考えなければならないですから。
戦闘機であれば、アメリカ空軍は過去、複座の場合は前席がパイロット、後席はレーダー手という棲み分けでしたが、生存性を確保するという理由で、前席にも後席にも操縦装置がある複操縦装置付にしてました。パイロットが負傷しても、後席のレーダー手もパイロット資格がある者を乗せるので、レーダー手が操縦して基地に戻れば機体も乗員も助かる、と言う発想でした。当時のアメリカ海軍は、前席パイロット、後席がRIOと言う職種で、RIOはパイロット資格を必要とせず、あくまでレーダー等の扱い者でした。そのため後席には操縦装置はついていません。

この考え方はF/A-18E/Fで交代させているF-14トムキャットまで貫いていました。

逆にエンジンはと言うと、空軍は単発でも採用しますが、海軍はFj-1フューリーという戦闘機(F-86の海軍型とも言うべき機体)やF-8等以降、1機のエンジンが壊れても着艦できる、あるいは空母近くまで戻れるようにと、双発に拘りました。しかし、最新の開発中のF-35ライトニング2は単発です。
輸送機は荷物の生存性、と言う面があるので単発にはなりませんが。

最後に、輸送機の設計上の飛行能力ですが、最大ペイロードでもかなり推力に余裕はあります。

C-5に負けたボーイング案が原型で、輸送機設計で製造されたB-747は4発機ですが、安全上1基でもエンジンが止まると空港に引き返しますが、設計上では3基で通常飛行と通常の離着陸、2基有れば通常飛行と着陸は出来ます。1基での飛行は不可能ではありません。

そして最近は、大型で推力が大きく、燃費がよいエンジンを少なめに搭載して効率よく飛ばす工夫もしています。B-777は初期のジャンボジェットとほぼ同じくらいの搭乗者数380席強を確保、しかし大型エンジン2基で飛行しています。設計上1基でも飛行は可能です。

日本は資源が少なく、特に石油系は大きく輸入に頼っています。人や荷物を運び対価を得られる民航なら燃料費は輸送賃から回収できますが、軍事航空機は全て持ち出しです。国の予算から出ています。経済性も資源の少ない国は重要なところですよ。
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この回答へのお礼

お礼が大変遅れまして申し訳ありません。
なるほど・・・。
輸送機を開発において4発か双発を決めるに当たっては、「任務に合わせて必要分だけの能力を持たせる」ということが重要になってくるわけですね。
また、生存性思考の設計という考え方は確かにあるが、輸送機は推力に余裕があるので4発と双発の間には生存性から言うと大して差は無く、
4発と双発の間に生存性に差が無いなら、技術の進歩で、今の時代は双発エンジンでも燃費良く効率的に飛ばすことができるため、
特に日本のような資源の少ない国にとっては双発のほうが向いていて、だからC-Xは双発になった・・・ということなのですね。
専門性の高い回答ありがとうございました。

お礼日時:2010/03/16 19:01

#1です。



例示された4発機と双発機を単純に比較する事も出来ませんね。
C-17、C-5は、”戦略輸送機”として戦車などの超重量物を積んで太平洋/大西洋を横断する能力を要求されて設計された機体です。
A400Mは、NATO域内の輸送機として開発が始まった機体が、平和維持や人道支援活動などに任務がシフトした結果、長大な航続距離と大搭載量を求められ、現在の戦略輸送機に準ずる設計になりました。
C-130は、初飛行が1954年と基本設計が古い飛行機であり、開発当初に得られたエンジンの制約が今に至っています。

一方で、双発機としてあげられた機体は、設計が新しかったり、短距離の物資輸送を任務とする”戦術輸送機”です。

繰り返しますが、双発が燃費で有利であるという事は、経費という判りやすい部分だけでなく、物資(燃料)輸送や燃料・補修部品の保管場所などの負担軽減による運用の柔軟性という戦略・戦術に与えるメリットも大きいのです。

国連平和維持活動(PKF)でも多くの双発機輸送機が飛行しているんですが・・・単純な「エンジンの多発化=信頼性の向上」は、過去の図式と言って良いでしょうね。
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この回答へのお礼

確かに”戦略輸送機”と”戦術輸送機”では任務の種類が違うことで航続距離や積載量も違いがあり、双発・4発の違いが出てくるのは当たり前なのですね。
従ってエンジンの多発化は航続距離や積載量を増やすためで、信頼性の向上のための手段にはならないということがわかりました。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2010/03/16 19:02

生存性が高いとはどういう事かはわかりませんが、敵戦闘機がバンバン飛んでくるような空域に輸送機を飛ばすことは通常しません。


敵戦闘機に狙われたら双発だろうが四発だろうが大差はありません。
想定外の運用の事まで考えて造る事は単に無駄なだけですから、被弾に強いという意味での生存性の強さの事ではないかと思われます。

また、理想としては発動機の数は少なければ少ないほどいいのです。
極端な話、単発で同じ仕事こなせるなら単発にしたいのです。
発動機の製造・整備は面倒で金のかかることなんです。
ペイロードなどの関係や運用コスト、またどう運用するつもりかの問題で双発や四発あたりに落ち着くわけですが、決して生存性を考えてというわけではありません。

ようは、生存性なんざどうでもいい話と思っていただければ結構です。
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この回答へのお礼

お礼が大変遅くなりまして申し訳ありません。
なるほど、4発でも双発でも生存性には大して変わりは無いのですね。
つまり、設計段階で生存性を考慮して、双発・単発を選ぶのではなく、積載量、燃費などが重要視されてくるわけですね。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2010/03/16 19:08

こんにちは



> 双発エンジンの輸送機を導入した国はいったいどのような意図で双発エンジンに
> したのでしょうか?

質問中の現役の双発機(C-27J、C-1、CN-235)は、いずれもが中型(小型?)の
戦術輸送機ですね。搭載量が概ね10t~15t程度の・・・。
ですんで(そのクラスであれば)4発は不必要だったのでしょうね、そもそも。

で、我が国の場合なんですが。
代替予定の現C-1が、搭載量が少なく(8t)、航続距離も短いんで、そこがXC-2に
おける最大の改良点、変更点だったんです。もしも、要求仕様がこれだけだったら、
もしかしたらA-400M同様にターボプロップ4発、という選択になっていたかも
しれません。(ちょっと機体規模が大きすぎるんで、非常に微妙なところでは
ありますが・・・)
前線に近い地域までを運用エリアとする戦術輸送機にとっては短距離離着陸能力
は必要不可欠で、エンジンの仕組上はターボプロップのほうが有利とされていますし。

ところが(空幕は)「あと、高空を速く飛ばしたいなぁ~」って(ある種ワガママ
な:苦笑)要求をさらに加えたんですね。
もちろん「整備性も良くないとねぇ~」って念を押すのも忘れなかっただろうと
想像します(^ω^)
国内間での利用だけならまだしも、開発開始当時は既に"国際貢献なんたら"って
状況になっていましたので「必ずしも環境の良くない地域でも、確実に運用可能
であること」ってのも当然想定の内にあったでしょう。

前者の要求を満たすには、やはりターボファンにする必要が生じ、また後者の
要求を満たすにはエンジンの数が少ない方が有利であることは間違いありません。
幸いなことに民間機でもビシバシ使っているターボファン関連の技術の進歩の
具合は、"思ったよりも速く"「なんとか2発でも いけるんちゃう?」って確信が
持てたので現在の形になっていった、と思います。

それにしても 二代続けて"双発ターボファン"ですからねぇ、相変わらず空幕
はチャレンジャーですね。まぁそれに追随してゆくメーカーさんがある意味凄い
と思いますが・・・。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
C-Xは要求に合わせて考えた上でターボファン双発がベストという考えで選択したということが分かりました。
回答ありがとうございました。とてもわかりやすかったです。

お礼日時:2010/03/16 19:12

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