
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
難しい話は既に「自信あり」の回答がありますので,「自信なし」の私は簡単に。
> 水以外の物質は気圧が上がるにつれて融点が上がるのに、
まず最初に,『気圧』じゃなくて,「圧力」ですね。「気圧」は「大気の圧力」,つまり「空気の圧力」です。今問題になっているのは,「ある物質に掛かっている圧力」ですので「気圧」ではありません。
さて,圧力が上がるとどうなるでしょうか。風船などをギュッと押す事を考えると判る様に,気体の場合は体積が小さくなります。液体や固体でも基本的には同じです。体積が小さくなります。その結果,分子同士が接近しましますので,分子間に働く引力が強くなって分子同士を繋ぎ止めるようになります。結果,液体が固体に変化します。
これで分かる様に,圧力が上がると,それだけ分子同士が接近しますので,固体になり易くなります。つまり,『融点が上がる』結果になります。
> 水はどうして気圧が上がるにつれて融点が下がるのですか?
他の多くの物質は,+(δ+)電荷とー(δー)電荷の間に働く引力が分子間に働く引力であるのに対して,水の場合が他の多くの物質と異なるのは,分子間に働く引力は殆ど水素結合による点です。
水素結合を形成するには,次に示すように「OーH・・・O」が直線に並ばないといけません。さらに,「OーH」や「H・・・O」の間に一定の距離が必要になります。つまり,分子同士が接近できる限界があります。
・・・OーH・・・OーH・・・
| |
H H
圧力が上がった場合,液体なら下記の様に分子同士が接近する事も可能ですが,この状態では近づき過ぎて充分な水素結合が形成できないため固体状態にはなれません。つまり,『融点が下がる』結果になります。
OーH
|OーH
H|
H
いかがでしょうか。
No.4
- 回答日時:
私も簡単に。
視覚的に理解するなら高校化学の資料集にも載っている「物質の状態」の章の「水の状態図(相図)」を見てください。水の場合は負の傾きが大きい為に圧力が上がると融点が下がるのがわかると思います。No.2
- 回答日時:
氷は水に浮くから」これが簡単な答えです
<水の融点は圧力上昇とともに本当に下がるのか?>
水の状態図を参考URLに入れときました。
見ながら進めましょう。
融点は水(solid)と気体(liquid)の間の線で表され融解曲線と呼ばれます。
質問のようにy軸にあたる気圧(pressure)が上がると、融解曲線は右肩下がり(比例定数がマイナス)なのでx軸にあたる温度(temperature)が下がるのが分かります。
この図では22.1MPaと融解曲線との交点を真下に向かって線を引くと、273.16Kほぼ0℃よりも低いですよね。
-30℃くらいでしょうか。
600Paから22.1MPaまで上げると温度が30℃くらい下がりました。
確かなようです
(温度のKはケルビンと呼ばれる温度の単位で0℃=273.15K)
反対に融解曲線が右肩上がりなら(Triple pointから状態図の図に向かって線を引いてみてください)圧力上昇で温度も上昇します。
これが水以外の融解曲線です
<融解曲線の傾きは何によって決まるのか?>
これは先に回答していた人も書いていましたが、
(dP/dT)=ΔS/Δv
クラジウス-クラペイロンの式といいます。(この式に回答が隠されています)
(dP/dT)は先ほども述べた融解曲線の傾きを意味します。
つまり水は(dP/dT)がマイナスで水以外はプラスになるってことです。
ΔSこれはエントロピーと呼ばれるもので乱雑さを意味します。(無視しちゃいましょ)
ΔV体積の変化量です(ΔV=(液体の体積)-(固体の体積))
氷、浮きますよね?
なぜ浮くかこれは水素結合が大きく関わっているといわれます。
コップいっぱいの水を冷やすと氷はコップからはみ出る
つまり水から氷になると体積が大きくなる(1.1倍くらいです)
ΔV=(水の体積)-(氷の体積)<0
ΔVがマイナスになりました。
先ほどの式を持ってくると
(dP/dT)=ΔS/Δv
左辺は融解曲線の傾き。ΔVはマイナスですから(ΔSは正の数です)融解曲線の傾き(dP/dT)もマイナスになり状態図で見たように右肩下がりになります。
ちなみに水以外は液体から固体になると体積が減りますからΔVがプラスで融解曲線は右肩上がり。
圧力が上がると温度が上がるわけです
参考URL:http://www.chem.kumamoto-u.ac.jp/~goto/stud_res/ …
No.1
- 回答日時:
kazaana017さん、こんにちは。
ちょうど、このご質問の内容にぴったりのことを説明しているページがありました。
その内容とは、
一般に、融点と気圧との関係は、
「気圧が下がると、融点、沸点、気化する温度が下がる」ということです。
これは、熱化学の話で、相平衡の熱化学と呼ばれているみたいです。
式は、
(dP/dT)=ΔS/ΔV=ΔH/(TΔV)
ここで、
P:圧力、
T:温度
(dP/dT)は、圧力Pと温度Tの相平衡曲線の傾きです。
ΔS:相変化のエントロピー
ΔV:相変化に対する、モル体積の変化
(dP/dT)は、ΔS/ΔVになるということと、
ΔH:相変化のエンタルピー変化
TΔV:温度×相変化に対するモル体積の変化
(dP/dT)は、ΔHを、TΔVで割ったものになる、ということです。
ちょっと難しいですが、
固体ー液体の平衡では、温度や圧力が変化しても、モル体積は、あまり変わりません。
ですから、エンタルピーもあまり変わりません。
したがって、
ΔV:一定
ΔS:一定
とみなすと、ΔS/ΔV=一定となるので、これをA(定数)とします。
(dP/dT)=ΔS/ΔV=A
となるので、これを両辺温度Tで積分すると、
P=AT+C Cは定数←PとTとの一次関数で表されている。
となります。
これは、何を意味しているかというと、
固ー液平衡のときは、圧力はおおまかに温度に比例する、ということです。
多くの場合、固体→液体となるとき、エントロピーは大きく増加します。
モル体積は、若干増加しますので、
(ΔS/ΔV)>0
であって、分母に比べて分子が小さいので、大きな数になります。
ということは、温度を少し上げるだけで、固体ー液体平衡を実現するためには、
圧力は一気に上がるということです。
ところが、水の場合は、事情が違うようです。
水は、固体(氷)→液体(水)と変化するときに
モル体積が減るんですね。
ですから
ΔV:モル体積の増加量は、ΔV<0ですから、
(ΔS/ΔV)<0
と負の値になってしまうんです。
それで、一般のものとは逆に、圧力が小さくなると
融点は高くなる、という現象が起こります。
ご参考になればうれしいです。
参考URL:http://syllabus-pub.yz.yamagata-u.ac.jp/Knowledg …
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