
有機化学 SN1、SN2、E1、E2反応について教えていただきたいです。
有機化学を復習していて、次のような条件で各反応が起こりやすいと参考書に書いてありました。
(1)SN1反応とE1反応 → 求核性の低い試薬、第三級ハロゲン化アルキル、極性溶媒
(2)SN2反応とE2反応 → 求核性の高い試薬、第一級ハロゲン化アルキル(SN2)、第三級ハロゲン 化アルキル(E2)、無極性溶媒
ここで、疑問に思ったのですが、(1)でなぜ求核性の低い試薬を用いたほうが反応が起こりやすいのでしょうか。(1)と(2)ともに求核性の高い試薬を用いた方が反応は起こりやすいのではないでしょうか。また、E2反応で第三級の方が起こりやすいのは、求核試薬が攻撃できるプロトンがより多いため、という解釈であっていますでしょうか。よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
まず、求核性と塩基性を分けて考えるべきです。
置換反応を起こすのは求核剤としての作用であり、脱離を起こすのは塩基としての作用です。ところが、通常、求核剤は塩基性を有しており、強い求核剤は塩基性も強い傾向があります。
つまり、第三級ハロゲン化アルキルに強い求核剤を作用させても、SN2型の反応は立体障害のために起こりませんよね?その一方で、その求核剤の塩基としての作用はその影響を受けにくいので(E2の反応機構を考えてください)、事実上、塩基としての作用が優先して脱離(E2)が起こります。
それに対して、弱い塩基(あるいは求核剤)を用いた場合、基質が第三級ハロゲン化アルキルであればSN2は起こりませんし、E2を起こすほどの強い塩基は存在しませんので、カルボカチオンが生じる反応が重要になってきます。カルボカチオンが生じれば、SN1反応が起こりますが、それの副反応としてE1が起こります。E1がカルボカチオン中間体を経由していることをお忘れなく。この条件は加溶媒分解条件と呼ばれ、反応式に含まれるのは水やアルコールといった溶媒のみであり、NaOHなどは含まれません。反応条件として加溶媒分解条件が書かれていればSN1かE1であり、NaOH、NaOCH3などの強塩基(あるいは強い求核剤)が書かれていればSN2かE2です。特に脱離反応に関しては、E1とE2を区別するには反応条件を見るしかありません。
>また、E2反応で第三級の方が起こりやすいのは、求核試薬が攻撃できるプロトンがより多いため、という解釈であっていますでしょうか。
そうではないと思います。第三級ハロゲン化アルキルの方が炭素-ハロゲン結合が切れやすいからです。教科書によってはその結合エネルギーの差が記載されているはずです。このことには結合が切れて生じるカルボカチオンの安定性の差が反映されていることになります。
>(1)でなぜ求核性の低い試薬を用いたほうが反応が起こりやすいのでしょうか。
上述のように、求核性の高い試薬を用いるとE2やSN2が起こるからです。特にこの場合にはE2が問題になります。ただし、生成物がE1とおなじになることが多いので、生成物からの判別は困難ですけど。
ご回答ありがとうございます。
なるほど、求核性の高い試薬を用いるとE2、SN2反応が優先的に起こるため求核性の低い試薬のほうがSN1反応、E1反応が起こりやすいのですね。
また、E2が第三級ハロゲン化アルキルで起こりやすいのは第三級カルボカチオンが一番安定であるからということもよく理解できました。
加溶媒分解条件という言葉は使用しているテキストには載っておらず初めて聞きました。調べてみようと思います。

No.1
- 回答日時:
>(1)と(2)ともに求核性の高い試薬を用いた方が反応は起こりやすい
はい、その通りです。
でも、「律速段階」がどこにあるかで「反応速度」は決まるので、攻撃試剤の求核性は「関係無い」のです。
だから、書くこと自身間違いなのです。
E2反応の件については何か変です。今寝ぼけているので、それが何だかすぐには出てきそうにないのですが。(恥)
ご回答ありがとうございます。ご回答を踏まえてもう一つ質問させていただきたいのですが、
テキストの章末問題でSN2反応、脱離反応を起こしやすい化合物と試薬の組み合わせを選ぶ問題で、解答が
SN2反応 : 第一級ハロゲン化アルキル、求核性の高い試薬(CH3-CH2-S^-)
脱離反応 : 第三級ハロゲン化アルキル、求核性の低い試薬(CH3-CH2-O^‐)
となっていたのですが、脱離反応で求核性の高い試薬を選択しても正解ということでしょうか。
E2反応についてはNiPdPtさんがおっしゃっているように第三級カルボカチオンが安定であるからということが分かりました。
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