No.5ベストアンサー
- 回答日時:
Jagar39です。
>>どんな変異でも必ず何らかの淘汰圧を受ける
よく分からないです・・・
実は私にもよく判らない・・・
訳のわからない数式がガンガン出てくる話なので、要するに「完全に中立な変異というものがあるかどうかが議論されている」ということだけ覚えておけば良いのかなと思います。
>ドーキンスさんの書籍は大丈夫なのでしょうか
まあ、どんな人でも"思想"は持ってますから。
ドーキンスは確かにかなり徹底した無神論者で、無神論を主張した本も書いています。
ですが、無神論ありきで論理を展開しているのではなく、彼の得た科学的知見に基づくと、少なくともそこ(進化)には神の介在は必要ではない、というスタンスなので、少なくとも私は読んで「極端な思想を押しつけられている」という気はしませんでした。徹頭徹尾、論理的です。
まあ「進化の存在証明」という本も書いていて、ID論者などの「進化を信じない人」に対する反論を繰り広げているのですが、この本ではさすがに「そこまでムキにならなくても・・・」と思いましたけどね。
でもそれはその本で展開されている論理に目新しいのがなく、彼がこれまでの著作で述べてきたことが大半を占めていたのでそう感じたのかもしれません。
とにかく「利己的な遺伝子」と「盲目の時計職人」は読んでおいた方が良いかと。
これらの著作ではドーキンスは無神論には踏み込んでいません。彼自身が無神論者であることは述べていますが、信仰と進化論は両立する、とまだ姿勢が柔らかいです。ミームのあたりは私は「そりゃちと飛躍が過ぎるなぁ」と思いましたが。(ミームは「利己的な遺伝子」以降はあまり声高く主張はしていない)
ドーキンスは徹底したダーウィニストなので、この2冊を読めば現代のダーウィニズムの基本は押さえることができます。
「現代の進化論では説明できない事象が存在する」と主張して新しい理論(ウイルス進化論やID論etc..)を主張する人は大勢いますが、これらのほとんど全てはダーウィニズムで綺麗に説明できてしまっていることは、ドーキンスの著作を読めば理解できるでしょう。
グールドも良いのですが、私は個人的にですがあまり好みません。
彼は断続並行説という説を提唱したのですが、この説は現在ではダーウィニズムにほぼ完全に組み込まれてしまっています。言い換えればダーウィニズムの補強をした説、ということになります。
でも、グールドが最初この説を提唱したときは、「ダーウィニズムに取って代わる新説」という主張をかなり強引にやってました。そのあたりが胡散臭い・・・という印象は拭えません。やたら議論好きで政治的な話にも首を突っ込んでましたし。彼の書く議論には、かなりハッタリめいたモノを感じるのもあまり好きにはなれない理由なのでしょう。
「パンダの親指」「ダーウィン以来」「ニワトリの歯」などは面白いのですけどね。でもハッタリめいた鼻につく論理展開はこれらの本でも少し感じます。
断続並行説がグールドが主張したように「ダーウィニズムを置き換えるもの」ではなく、「ダーウィニズムを補強するもの」であることは、ドーキンスが「盲目の時計職人」の中で丁寧に解説しています。
もう1冊、リチャード・フォーティの「生命40億年全史」(草思社)もお奨めしておきます。
これは文章が圧倒的に面白い。私はこの本を本屋でぱらぱらと立ち読みし始めたのですが、あまりに面白く読むのを止められなかったので買ってしまいました。
この本は別に進化論の解説書ではないのですが、著者は古生物学者で当然のごとく進化論を受け入れているので、進化論をある程度理解していると面白さが倍増します。
まあとにかく、読まずに「進化論を信じている」というのは、突き詰めればそれもただの"盲信"でしょう。その点では進化論を勉強せずに否定するID論者と本質的には変わりません。
進化論に興味がおありでしたら、一般向きの解説書くらいは何冊か読んでおくべきだと思います。
でないとID論に反論もできないでしょ。
回答ありがとうございます
>要するに「完全に中立な変異というものがあるかどうかが議論されている」ということだけ覚えておけば良いのかなと思います。
そうですね、僕の稚拙な質問内容に対してレベルの高すぎる内容な気がします
>信仰と進化論は両立する、とまだ姿勢が柔らかいです。
彼がそんなこと言ってるのですか
>「現代の進化論では説明できない事象が存在する」と主張して新しい理論
>(ウイルス進化論やID論etc..)を主張する人は大勢いますが、
>これらのほとんど全てはダーウィニズムで綺麗に説明できてしまっていることは、
>ドーキンスの著作を読めば理解できるでしょう。
奇麗に説明できるのですか
ID論者などは、進化論はこじつけで確率的にありえない、とよく言いますよね
僕もID論でないにしても少しそういうところはあったので、その本を読めば
進化論はこじつけではなく、ごく自然な現象だと納得いくのでしょうか
>読まずに「進化論を信じている」というのは、突き詰めればそれもただの"盲信"
>でしょう。その点では進化論を勉強せずに否定するID論者と本質的には変わりません。
そう思います
かなり妄想入ってますよね
ありがとうございます、挙げて下さった書籍を参考にもう少し勉強してみようと思います
ドーキンスが個人的に不安だったので助かりました(強引なイメージは「進化の存在証明」という本の批評からだったんでしょうね)
ご丁寧にありがとうございました
No.4
- 回答日時:
基本的には全て説明できると思います。
中立説って現在では分子進化で重要な学説になっていますが、種分化などのいわゆる「進化論的な進化」にはあまり関係がない、とまで言っては言い過ぎかもしれませんが、話の本筋にはあまり影響がないかなと。
「中立な変異」が本当にあるのか、という点は今でも議論されていて、どうもどんな変異でも必ず何らかの淘汰圧を受ける、という説の方が現在では有利なようです。従って、元々の「中立説」がそのまま現在でも正しいとされているわけではありません。
ただ、中立説から分子時計という概念が生まれ、例えばヒトのミトコンドリアDNAの変異を解析して人類の単一起源説に有力な証拠を提供したり、という方面では確固たる地位を築いています。
蛇足ながら中立説の概念に「遺伝的浮動」というのがあり、これは"ある遺伝子"は自然淘汰のみでなく「偶然」によっても集団内に広がったり消えたりすることがある、という説です。説、というより数学的な証明なのですが。
当然この遺伝的浮動は、集団が小さいほど起きやすいです。別に有利な遺伝子だけでなく、不利な遺伝子も中立(厳密に"中立"な遺伝子はない、かもしれませんが)な遺伝子も、浮動によって急速に集団内に広がることがあります。
でも、いわゆる「進化論的な進化」で、遺伝的浮動を持ち出さないと説明できない現象は基本的にありません。
例えば、全人類は20万年前にアフリカにいた女性(ミトコンドリア・イブ)を祖とする、という説はご存じだと思いますが、それは決して「1人の女性」を意味しているわけではありません。当然その人類の祖先は少なくとも数千人の集団だったはずなのですが、現在ミトコンドリアに関しては1系統しか残っていない、という意味です。なぜ1系統しか残らなかったのか、ということに関して遺伝的浮動のため、と説明されています。
擬態については完全に突然変異と自然淘汰で説明可能です。
ほんの僅か、周囲と"似た"体色なり形態を発現する個体が変異によって現れると、その遺伝子を持つ個体は「長い世代数と大きな集団」で考えれば"平均して"その遺伝子を持たない個体より被補食率が低く「繁殖の成功率」が高かったはずです。
そうするとその集団にはその「擬態遺伝子ver.1」が広まり、定着することになるわけです。
その状態で、もう少し上手い擬態ができる「擬態遺伝子ver.2」が変異によって現れると、その遺伝子を持つ個体は持たない個体より・・・以下同文です。十分長い世代数が経過すれば、「素晴らしい擬態」ができるわけです。
もちろん集団が小さければ有利な遺伝子は早く広がるのですが、あまり小さいと遺伝的浮動によってせっかくの有利な遺伝子が消えてしまう可能性もありますし、何と言っても「突然変異は確率」なので、あまり集団が小さいと集団内の突然変異の頻度も激減してしまいます。(細菌のように分裂によって増える生物以外は、"繁殖"の時以外に突然変異のチャンスはありませんから)
なので小さな集団が時に急速な進化をすることがあるのは確からしいとはいえ、ある程度の集団のサイズ、というものが進化には必要なのでしょう。
余談ですが「自然淘汰」という訳語はあまりよろしくないのでは・・と思っています。
原語は natural selection であり、普通に訳すと「自然選択」になるはずなのですが、何故か日本語では自然淘汰という言葉が主流になっています。
進化の原動力としての自然淘汰は、不利な形質を持つ個体が"淘汰される"ことにあるのではなく、有利な形質を持つ個体が"繁殖成功率が高くなる=選択される"ことにあるので、自然淘汰という言葉を使っていると進化論の本質を誤解する可能性があると思っています。
きちんとした本を読まれた方が良いですね。
日本では何故かブルーバック等の普及価格帯の本に進化論に関する良書が少なく、2000~4000円あたりのハードカバーの本しかお薦めできないのが残念です。
とりあえずリチャード・ドーキンスの「盲目の時計職人」(早川書房)、スティーブン・オッペンハイマーの「人類の足跡10万年全史」(草思社)、あたりを読めば、ここで私が書いたことは詳しく丁寧に解説されています。
後者は別に進化論の本ではなく、ミトコンドリアでの人類の系統解析についての本です。
余裕があれば同じくドーキンスの「利己的な遺伝子」(紀伊国屋書店)も必読ですか。
返信遅くなって申し訳ありません
>どんな変異でも必ず何らかの淘汰圧を受ける
よく分からないです・・・
>なぜ1系統しか残らなかったのか、ということに関して遺伝的浮動のため、
>と説明されています。
そこで遺伝的浮動なんですね。
擬態についての説明、非常に分かりやすいです!
また我々哺乳類より昆虫は歴史が長いことからもそう思えますね
>ある程度の集団のサイズ、というものが進化には必要なのでしょう。
絶妙なバランスが必要なのですね。確率的に少なそうですが、それも何十億年の時間と個体数により説明できるんですよね
原語は natural selection なんですか。自然選択ですね。勉強になりました。
>きちんとした本を読まれた方が良いですね。
newtonムックとかしか読んでないです・・・
ドーキンスについては名前をよく聞くのですが、彼はかなりの無神論者ですよね
かなり極論になっている気がして、彼の書籍も強引な思想である気がして読む気がしないんです
現代の科学では、あまりこの宇宙のことも完璧に解明されたわけではないし、生命のこともまだまだよく分からないと思うので、不可知論的な立場をとってもらいたいです
言い切られると強引な気がします
ドーキンスさんの書籍は大丈夫なのでしょうか
読んだことないので失礼ですが、勝手に強引な論理を展開してるのではないかと不安です
(彼のいう神の定義も知らないで書いてしまいましたが)
回答ありがとうございました
No.3
- 回答日時:
突然変異は、遺伝子のゲノムセットを複数持っているため(核型2以上)、
マイナスの形質であればすぐには表面化しない(劣性遺伝)場合が多く、
潜在的に蓄積されて、交配における種内の多様性のキープに役立っている。
同じく、遺伝暗号において4種類の塩基が3個で1つのアミノ酸を指定
するので、4×4×4=64通りで、人体を形成する20種類のアミノ酸
との対応において余る分、複数の遺伝暗号が1つのアミノ酸を指定して
おり、これもまた、「変異しても同じアミノ酸を指定する」>「同じ
アミノ酸を指定する遺伝暗号に多様性が潜在する」>「変異によって
異なるアミノ酸を指定する場合の可能性が大きい」ことによって、
“1つの遺伝子の変異による1つの変化に対する単発の選択”といった
一般的イメージとは異なる「自然淘汰」の実態を成しています。
ハナカマキリだけではなく、コノハムシやナナフシなど、昆虫には見事な
擬態を見せる種が多いですが、その1つの原因として、昆虫の歴史は
我々脊椎動物の先駆者である恐竜よりも倍も古くから地上に繁栄した、
長い歴史を持っていることが挙げられます。
返事遅くなって申し訳ありません
僕のイメージが間違ってたということでしょうか
確かに哺乳類より昆虫は歴史が長いので、そのようにうまい具合に進化してもおかしくないですね
回答ありがとうございました
No.2
- 回答日時:
>突然変異と自然淘汰で進化をすべて説明できるのでしょうか
通説では、分子進化の中立説をさらに加えれば、説明できるとされています。
>突然変異は複雑な生命になればなるほど、個体にとって不利に働くとききます
そうなのですが、イメージとしては100個のサイコロを振って、すべて1の目がでるようなことが起きるのです。たぶん。個体にとって有利な変異がありうるということです。これはサイコロをふる回数が1億回(個体数が多い) X 10億年(長年月)だったら、、、確率はすごく上がるでしょう。ランカマキリの場合はそれが起き、選択圧がかかり、徐々に増えていったと考える、、、のだと思いますけど。
返信遅くなって申し訳ありません
突然変異も全てが全て、不利に働くわけではないということですか
母体数が多いからといって、ほ乳類が一億年でヒトに進化できるのでしょうか
いまいいち実感がわきませんが、それ以外でより辻褄があう説はありませんですしね
そういうものだと納得するしかないのでしょうか
回答ありがとうございました
No.1
- 回答日時:
突然変異と自然淘汰のほかに、環境の変化や生殖隔離のことを考える必要があります。
いい変異、悪い変異、中立な変異がランダムに生じたとして、
安定した環境で大きな集団でいるときには、どの変異も集団全体になかなか広まりませんが、
不安定な環境で少数の個体が孤立しているときにたまたまいい変異、中立な変異が生じると、
集団内に素早く広まり、変化してもとの集団と生殖を行わなく(行えなく)なり、
種の分化が起こることがあります(=進化)。
みごとな擬態をする種のほかに、みごとでない擬態をする種もあります。
いろいろな現生種、化石種を並べてみれば、突然完璧な擬態が現れたわけではないことがわかります。
スティーヴン・ジェイ・グールドの進化エッセイにそういう話がわかりやすく載っていましたので
読まれてみればどうでしょう。
返信遅れて申し訳ありません
>みごとな擬態をする種のほかに、みごとでない擬態をする種もあります。
確かにそうですね。ランカマキリなどは特殊というかかなり恵まれた環境により自然選択されたと考えればよいのでしょうか
>いろいろな現生種、化石種を並べてみれば、突然完璧な擬態が現れたわけではない
>ことがわかります。スティーヴン・ジェイ・グールドの進化エッセイにそういう
>話がわかりやすく載っていましたので読まれてみればどうでしょう。
ありがとうございます
そうですね、化石が何よりの証拠ですね。思いつきませんでした。
参考にしてみます。
回答ありがとうございます
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