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ネズミが生まれて1年で出産するとして、
人間が平均で20年目で出産するとして、
ネズミの方が人間より20倍の速さで進化していると言うことはできるでしょうか?

A 回答 (7件)

 No.5の方の回答で疑問点があったので調べてみました。



 DNAのメチル化についてなのですが、私が認識していたのは「DNAを構成する塩基の一つであるシトシン(C)が受ける化学修飾で、メチル化部位は変異の好発部位となる」ということでした。
 これはゴキブリに限らず、動物や植物に普通の現象だと記憶していたので「???」だなと思い、もう一度調べ直していたのですが、やはりこの認識で正しいと言うことが判りました。

http://www.agbi.tsukuba.ac.jp/~foodbio/newpage11 …
http://bunseiri.hp.infoseek.co.jp/DNApage.htm

 まあ要するに、メチル化によって遺伝子が不活性化される、簡単に言うとスイッチがオフになる性質がある、ということです。
 例として、ヒトの遺伝子を調べるとレトロウイルスの遺伝子の残骸がいくつも見つかり、ヒトがHIVのようなレトロウイルスによる攻撃を歴史上何回も受けていた、ということが判っています。
 HIVもそうなのですが、レトロウイルスは自分の遺伝子を宿主(この場合はヒト)の遺伝子に組み込んでしまいます。このゲノムに組み込まれたHIV遺伝子が発言することによって結局はエイズを発症したりするのですが、メチル化によってこの遺伝子のスイッチがオフにされると、レトロウイルスの遺伝子が発現しなくなり、結果として遺伝子の残骸を「飼い殺しにする」ことが可能になると言うことです。
 生体内でのメチル化の意義は他にも色々あるようです。例えばある種の制御遺伝子がメチル化によってオフになることによって、その細胞がガン細胞化する、とか。

 というわけで、どうもゴキブリに限った話ではないようです。
 元々DNA自体が究極的に安定した化学物質ですし。

 それと同じ方ですがNo.4の、

>最後に「進化」とはマクロな視点で見た生き物の「点」の変化です

 にも疑問があります。
 「点」では進化とは言えないだろうというのがその疑問点なのですが、例えば昔々、キリンの首が短かった頃(そういうのはキリンではなくキリンの原種動物というべきですが)、ある日1頭の首の長いキリンが産まれたとして、それを「進化」とは言わないはずですね?
 それは単なる「奇形」か「変わり者」というべきでしょう。

 むろん、ある日突然現在の首の長さのキリンが産まれたわけはなく、キリンの首は連続的に長い世代を経て長くなってきたのでしょうが、ある「点」の変化が集団全体に及んだ場合を「進化」というのではないでしょうか。

 また、HIVに対する耐性遺伝子の存在は既に知られていますが、それをもって「人類が進化した」とは誰も思わないでしょう。その遺伝子が交配によって広められ、人類のかなりの割合のヒトがその遺伝子を持ったときに初めて「進化した」と受け取られるのでは。

 「点」の変異は、日々あらゆるところで起きています。遺伝病だって「変異」ですし。
 それが種の生存に有利な形質だった場合、その遺伝子は繁殖によって広がり「点」が時間をかけて「面」になったときに、初めて「進化した」と言えるのだと思います。

 つまりもっともらしい言い方をすれば、「進化とは集団の中の遺伝子頻度の変化である」という言い方になるのかもしれません。

 もちろん、No.6さんが書かれているとおり、「進化」と「進歩」は別のものでしょう。必ずしもその生物に有利な方向に進化が進むとは限らないですから。(あるいは限局した環境に対して有利であったために、環境が変わったときに一気に不利になる、とか)

 また寿命の差は、長い寿命を可能にする形質を獲得した種がそう進化した、と言えそうですね。
 DNAの変異率自体はウイルスや細菌を別にすればどの生物も基本的に変わらないですから、短い繁殖サイクルで急激な環境の変化に耐える種に進化するか、一定の環境変化に強い種に進化して長い繁殖サイクルを選ぶかは、その種の進化の方向性だったのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

素晴らしいご回答ありがとうございます。
ホントに勉強になります。

サイトの方は専門用語が多くて、自信がありませんが、大枠は理解したつもりです。
「メチル化」というのは、ゴキブリに限ったことでないのは確かなようですね。それどころか、「DNA防衛」が必ずしも唯一の目的とも限らないようです。
現在進行形で進められてる研究分野ですので、私のようなシロウトにはなかなか判断できない感じがしました。

「進化」については、再び捉え方を広げる良い機会を頂き、感謝しております。生物の個体を取り上げて論じるか、種として論じるか、とうことだと理解いたしました。それぞれの立場で言えることがあると思います。

重ね重ね、ご意見を頂きありがとうございました。

お礼日時:2006/12/02 20:33

 No.2です。

あっさりした書き方をしたので説明不足かと思い、再度詳しく書いてみます。

 「進化」が起きるまでのミクロからマクロまでの過程を簡単に順を追って列挙すると、

1.ゲノムのある塩基が変異する確率
 別の塩基に置き換わる場合、欠失したり挿入される場合、あるいはある長さのヌクレオチドがごっそり欠失する場合、いろいろです。

2.その変異が「遺伝子の変異」に結びつく確率
 非翻訳領域やmRNAに転写される際にスプライシングされて失われる部位の塩基が変異しても、「遺伝子」としてはまったく影響がありません。

3.その「遺伝子の変異」が「新しい形質の獲得」に結びつく確率
 遺伝子上のある塩基が変異しても、コードするアミノ酸は変わらない場合があります。この場合、形質的な変化はゼロです。
 また、指定されるアミノ酸が変化した場合でも、最終的にコードされるタンパク質の機能には変化が見られないことも多々あります。

4.新しい形質がその生物にとって有利なものである確率
 有利なものであれば、その個体が生き残ってその遺伝子を増殖させる機会が増えることになります。

5.新しい形質がその生物群に伝達されていく速度
 これはその生物の世代交代の頻度に直結します。


 ということで考えると、ネズミとヒトでは、5の世代交代の頻度以外は全て同条件です。
 なので、進化の定義を1にしても5にしても、世代交代速度が20倍ならネズミはヒトより20倍進化が早い、と言えると考えられるわけです。
 事実、あるウイルスの脅威に晒された場合、ネズミとヒトでは「そのウイルスに集団として耐性を持つ」早さは圧倒的にネズミの方が早いでしょう。

 それがウイルスになると、もう1の条件からしてヒトやネズミとはまったく違います。ケタがいくつ違うか、というくらい違います。さらにウイルスでも種によってまったく違います。
 まして世代交代の頻度はケタが5~6は違うでしょうから、最初から比較対象にすることすら難しいです。

 No.5さんはHIVを例に挙げておられますが、これはウイルスの中でも非常に特殊な増殖をするウイルスで、ワクチネーションによる予防が難しいのはウイルスの変異率だけの問題ではありません。
 ウイルスの変異率というと、インフルエンザウイルスが最大の部類に入るでしょう。
 でもまあ、ウイルスの増殖は原核動物と比べると非常に特殊で、しかもウイルス種によって増殖方法がかなり異なるため、ウイルスの変異について考察しだすと、魑魅魍魎の泥沼にはまること必至です。 

 まあそんなわけで、ごく単純に「繁殖速度が20倍なら、進化の速度もおおむね20倍」と簡単に考えて良いと思います。
 ちなみにネズミが繁殖するまで1年もかかりませんし(数ヶ月)、一度に生む子供の数も違うので、倍率はもっと上がるでしょう。
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この回答へのお礼

より詳しい説明ありがとうございます。

より専門的に洞察できたような気がします。
思えば馬鹿なわかりにくい質問にここまでお付き合い頂き、ありがとうございます。

また色々と疑問点が出てきたりもしましたが、また別の質問として投稿することにしました。

本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/12/02 20:13

補足いたします。



 「変異性」と言う言葉を用いれば、恐らく、地球上で最も変異性が高い生命は「ウイルス」になるでしょう。かの有名な「HIV」はヒトの抗体産生が間に合わない程のスピードで変異していきます。
 個人的には、ヒトの何を以って「高度」と呼べるのかはわかりませんが、前述のように、生物を見る過程で「進化=進歩」の考え方はお捨てになるのが賢明と思います。その上で、「社会性」などに限って言うのであれば、このようなシステムは個体と個体の相互の認識が前提と言えるでしょう。そして、認識を行動に反映していくには(本能によるアリなどを除けば)十分な「教育」の期間が必要とされます。
 したがって、生存のための外的要因を気にせずそのような期間を持てる生物は、長寿命、かつ「世代(個体)として」環境の変化に強い種に限られるわけです。ならばむしろ、「個体として」環境の変化に振り回され、形質も不安定と言える変異性の高い種が、高度化(?)しないのは当然と言っていいはずです。
 ちなみに、ゴキブリのDNAはメチル化と言って、非常に変異が起こりにくい構造になっています。メチル化への「進化」は恐らく、ウイルスによる自然選択だったのでしょうが、自身の「進化」をも止めるものだったとは、大きなギャンブルであったのだと思います。
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この回答へのお礼

すごく勉強になりました!
ありがとうございます。

お話の全てに頷いてしまいました。

>「進化」とはマクロな視点で見た生き物の「点」の変化です。
これがすごく気に入ってしまいました。
数直線的な一次的絶対基準ではなく、無限平面空間における任意の「点」のイメージで、ベクトルは関係ないというか、囲碁盤のようなイメージが膨らみました。
これで私も頭がスッキリした気がします。

ゴキブリのメチル化は初耳で驚きました。そうだったんですね。
単純に体の構造がしぶといからだと思ってました。

世代交代の優位性の一方で、長寿の生物は長寿なだけあって、環境の変化に耐える体の仕組みを持っている。サバイバルゲームのなかで、生き残る方法は一つではなく、優劣というよりバリエーションなんでしょうね。単純に。
そのように理解しましたがOKですかね。

でもウィルスの侵略に対しては、やっぱり多産で世代交代が早い方が有利なのではないでしょうか?この点に限って言えば。
生き残ることは総合力ですから、その点で優劣はないとしても、個々の条件については優劣がつけられそうな気がします。

もしくは例外としてメチル化?これもバリエーションですね。すごい。
ウィルスに対しては最も優秀なのでは?
DNAそのものを防衛する進化というのも深いですね。
どこまで深いのだろう。根底の根底からして、生物ってのはあらゆる多様化に努力を惜しみませんね。すごい。

お礼日時:2006/11/30 05:16

 現在の進化の定義で考えますと、進化は大雑把に「突然変異によって生じたある形質が、その環境での生存に適していた場合に、自然選択のふるいで多く生き残るために、…(以下略)…新たな種となる」ことです。


 ここで質問を考えますと、上記「」の最初の句読点(、)以降の条件をまったく無視すれば、「A No.2」さんの言うとおり、色んな違った特徴を持った個体が一定時間に生じやすい≒進化「しやすい」と言うことができると思います。そして、それは「種として」環境の変化に敏感に適応できる利点があります。
 では、ヒトのような世代サイクル周期が長い生物はどうかと言うと、今度は句読点の後が問題です。寿命が長いこれらの生物は環境の淘汰を受けにくく、「世代として」環境の変化に耐えうるのです。
 したがって、○○万年後生息している可能性では、「今の姿のままのヒトとネズミ」ではヒトの方が高いですが、「ヒトもしくはネズミを先祖とする何らかの生物種」では対して変わらないでしょう。
 つまり、ここで強調したいのは「進化」するからと言って、生物に優劣が生じたりすることは絶対に有得ないということです。誤解の無いよう、お願いします。
 質問の印象から、長々と補足をさせていただきました。
 最後に「進化」とはマクロな視点で見た生き物の「点」の変化です。「している」は使わないことにも注意してください。
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ご質問の意味がよく分からないのですが、読んだまま捉えると、現在進行形で一世代ごとに進化していってると思っていらっしゃるように思えるんですけど…。



進化というのは例えば、環境に適合するために自然に遺伝子情報が書き換えられ、生殖に問題がなく、書き換えられた情報が次世代以降へと受け継がれて定着し、初めて進化と言えると思います。(一世代のみだと突然変異ですし、人工的に行われたものは進化と言わない)
これが完全に定着しないと、何世代経ったらOKという決まりが先にあるわけではないのですから、例えねずみの世代交代の方が20倍早くても、進化のスピードが人間より早いとは限らないと思います。

そういう意味ではないとすると、
完全に生物として安定して、進化が終了したと認められたのが同じ10世代目だったら、進化のスピードは同じってことになりませんか?
地球の自転で言う時間の流れで言えばねずみの方が早いですけれど、生物としての時間の流れが違うのですから。

それとももっと別の意味で仰っていますか?
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

重ね重ね質問が言葉足らずで申し訳ありませんでした。

時間の捉え方は生物ごとの世代交代数というより、同一地球時間において比較した場合、というつもりで質問させて頂きました。

私の考えでは、ゴキブリは2億年前から形態に変化がないと言われてますが、それでも人間より遥かに世代交代を繰り返しているので、可能性においては、もっと劇的な変化も起こりえたし、結果としてあまり変化してませんが、それでも「進化した」ということになります。つまり、形を変えないという選択をすることを人間より遥かに多く、短いスパンで繰り返したということです。

人間は寿命を延ばすほどに、進化のスピードが遅れるのではないでしょうか?これが私の仮説です。
それなのに、遥かに変異性のある種が、いまだ人間ほどに高度化しないのは少し不思議です。私はここの部分の説明ができません。

お礼日時:2006/11/30 02:50

 できるんじゃないでしょうか。


 分子生物学上は、DNAに変異が入ることと「進化」は同義です。

 繁殖サイクルが20倍速ければ、単位時間当たりにDNAの変異が入る確率も20倍高くなるので、進化の早さが20倍、という理屈は成立するように思えます。

 (ネズミの性成熟は1年よりもっと短いですが)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

すんなりと認めて頂けたので、少し驚きです。
でも、ありがとうございます。

お礼日時:2006/11/30 02:33

できない。


進化の定義がされてないから。
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この回答へのお礼

進化の定義は、学者ではないので苦手なのですが、私なりの言葉でいうと、世代交代によって体のメカニズムを変えていくこと、変異性ということです。必ずしも、複雑化、高度化、知能化を伴うものとは限らないというのが私の考え方なのですが、これでわかって頂けるでしょうか?

仮に凶悪なウィルスに犯された場合は、人よりネズミの方が短い時間で克服する可能性が高く、そういった意味では人間より有利なのかも知れないとも考えております。

また、私の進化に対する考え方だと、上のような単純な仮説が成り立ってしまうので、これが真実として通用するものなのか訴えてみたいという思いから質問させて頂きました。

進化について捉える切り口を探していると申しますか、できれば皆さんの捉え方も伺ってみたいと思っております。

言葉足らずで申し訳ありませんでした。
この「お礼内容」もわかりずらくてスミマセン。

ありがとうございました。

お礼日時:2006/11/30 02:31

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