原子力学会の発表で、実は少し安心していました。
圧力容器に砂のように燃料が溜まっているが、冷却は安定しており、爆発の心配はないということです。
ところが、三号炉での温度上昇や、2号炉の地下水1立方センチ当たりのヨウ素131の濃度が前回6日の調査に比べ約17倍の610ベクレル、セシウム134は同約8倍の7・9ベクレルが検出されました。
新しいデータではないかと思います。
特に二号炉の濃度は、原発が通常稼動している時の、圧力容器内の放射性物質の濃度と同等といっています。
これって、二号炉は「臨界」状態であると同じことをいっているとしか思えません。
しかも格納容器の密閉性は完全に失われている状態ではありませんか?
不思議なのは、「水素爆発」や「水蒸気爆発」が、未だに起きていないことだけです。
何でもいいですから、皆さんの率直な現状認識を教えてください。
お願いします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
運転中の原子炉の核燃料は、ジルコニウム合金製の燃料被覆管の中に封入されていますから、原子炉内の一次冷却水に直接接する事はありません。
そのため、核燃料内の放射性物質が冷却水に混入する事は殆ど無く、運転中の原子炉内の冷却水の放射性物質の濃度は、一般に思われている程には高くありません。
しかし、今回の福島第一原子力発電所の事故では、炉芯溶融が起きた事により、燃料被覆管も溶けて、核燃料が露出した可能性が高いと考えられています。
もし、核燃料が露出した事が事実であれば(まあ、99%確実でしょう)、使用済み核燃料な含まれている放射性物質が、一次冷却水中に混入するため、冷却水の放射性物質の濃度は、運転中とは比較にならない程の超高濃度になっている筈です。
その高濃度の汚染水の一部が漏洩して、放射性物質濃度が低い水に混入したと考えれば、「原発が通常稼動している時の、圧力容器内の放射性物質の濃度と同等」程度になるのは当然の事で、不思議でも何でもなく、予想されていた事態に過ぎません。
又、2号基が臨界状態ではないかと疑われておられる様ですが、福島第一及び第二原子力発電所の原子炉は、地震が起きた際に、制御棒(中性子を吸収して数を減らすための棒)が自動的に挿入されていますから、中性子が常に不足した状態となっているため、炉芯で核分裂反応が持続する事はあり得ず、核分裂が持続しなければ臨界とは言いません。
もしかすると、原子炉圧力容器内の、炉芯よりも下の部分に核燃料の一部が落下しているかも知れませんが、圧力容器の底で中性子が発生した場合は、圧力容器に接する側には、中性子を閉じ込める働きもする水がありませんから、発生した中性子の半数は、鋼鉄製の圧力容器の壁を素通りして失われてしまい、やはり中性子の数が不足してしまうので、臨界に達する事はありません。
京都大学の教授が再臨界の可能性に関して騒いでいた事もありますが、その根拠は、東京電力が発表した福島第一原子力発電所2号基タービン建屋内の汚染水中の放射性物質の分析データの中に、塩素38という「塩素37(自然界の塩素に含まれている放射能がない塩素)が中性子を吸収しないと生成しない」放射性物質が、あったためです。
しかし、現在の福島原子力発電所の原子炉が再臨界になる事は、中性子無しで塩素38が発生する事と同様に考え難い話です。
ですから、塩素38のデータに関しては、再臨界に依らない中性子の発生機構を想定するか、或いは、東京電力が発表したデータが誤っていたと考えた方が良いと思います。
因みに、騒いでいた当人も、あれはあくまでも東京電力が発表したデータを正しいとした場合においての話であり、東京電力の発表データが誤っていると考えるのが、最も納得出来ると考えておられる様子でした。
早速の回答有難うございます。
とても分かりやすくて、納得できました。
運転中の濃度=臨界ではないのですね。
被覆菅が壊れて、燃料ペレットが直接冷却水に接触していることが原因ということ。
後は、Cl38についてのデータは、間違いであってくれればいいのですが。
少し冷静になれました。
No.4
- 回答日時:
12~13日に660トンを運び、地表面からの水位は6~8センチ下がったが
2号機のトレンチ(トンネル)汚染水の移送を中断した結果、水位が元にほぼ戻った。
2号機への注水量が1時間に8m^3、1日19万2千リットル
48時間では、8*24*2=384m^3。比重1として384トン
他からも200トンほど集まれば、2日分は600トンくらいになります。
福島第一原発・4号炉は、圧力容器の 内径5.5m、高さ21m、重量500トンと、
体積はV=21*3.14*(5.5/2)^2=498.6713m^3
中身が無ければ、500トンくらいの水が入ります。
4日間も注水すれば、700トンくらいの水が500m^3の容器に入ることになる。
気圧はとっても高くなるはずです。でも、1気圧です。したがって、垂れ流しです。
垂れ流す量は、1日に、8*24=192m^3 です。
他のところからの流出も考えて、1日300トンくらいの汚染水がたまります。
これをいれる場所の容量は、集中廃棄物処理施設内の滞留水が約1万トン、5、6号機の地下水が合計1500トン。空いているのですが、
11500/300=38.33333ですから、40日であふれます。
40日ごとに1万トンの容器を完成することを1年間続けるのは無理でしょう。
そこで、2号炉は屋根をつけて、
汚染水を、そのままくみ上げて圧力容器の中に注水すればよいと思います。
これなら水はあふれません。
早速の回答ありがとうございます。
垂れ流し状態だとよくわかりました。
今のままでは、行き詰る。
確かに高濃度汚染水を再び圧力容器に戻すしか手がなさそうですね。
No.3
- 回答日時:
「臨界」とは、核分裂反応が継続的に持続されている状態を言います。
No.1
- 回答日時:
>圧力容器内の放射性物質の濃度と同等
「圧力容器内の放射性物質」であって燃料棒が破損し、さらに圧力容器が壊れていればそんな程度では済まないはずです。
>二号炉は「臨界」状態であると同じ
「臨界」とは投入エネルギーと同じだけのエネルギーを放出している状態ですから、運転状態とは違います。
運転状態なら何メガワット/時の「過剰のエネルギー」を放出し続けています。
つまり運転時と同じだけの時間あたりの熱量を放出しているでしょうから、今の冷却水の量では冷却には足らず、莫大な水蒸気が圧力容器外で発生しているはずです。
でも建屋から水蒸気が吹き出しているわけではありません。
吹き出していたら、外気で冷却され、もうもうと湯気をあげているはずです。
発表データが化学工学的に本当に意味するところは原子炉工学の専門家でなければ分かりません。
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