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囚人のジレンマで、ナッシュ均衡(A自白:B自白)であるとき、
このナッシュ均衡点は、必ずパレート最適はない(=パレート非効率)となりますか?

ナッシュ均衡という理論とパレート効率という2つの理論があるとき、混乱してしまって
理解があいまいでいます。

また、このように2つの理論を同時に考えたときの説明がわかるサイトなどありましたら
URLをお教え頂きたいです。
よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

パレート効率・パレート最適


参加者の利得を下げるかどうかに関係なく、自分の利得だけを考えれば別のもっと有利な選択がある。
しかし、他の参加者の利得を下げないという制約付きで、自分の利得の最大の選択肢を選んでいる場合は、パレート効率という。
他の参加者の状態がわからない場合には、自分の意思で選択することはできないので、他人から指定してもらった状態、あるいは現状のママをパレート効率であると納得し我慢するしかない。
パレート効率は、参加者個々人の自己選択では実現できない。参加者全員が同じように利害を理解するか、「これがパレート効率だ」と他者に指定されたものを受諾するしかありません。パレート効率の考え方は、参加者の選択の自由を拘束してしまい、単に現状で我慢させているようなものです。
 
ナッシュ均衡
他の参加者の選択意図を推定せず、他の参加者の選択がどうなった場合でも、自分の利得が多くなるように考えてもっと有利な選択をする。 他の参加者も同様にする。
誰もが自分の利得の減少につながる選択をしなくなるので、その結果、最終的に動きのないところに収束し全体が均衡・静止する。この均衡状態をナッシュ均衡という。
しかし、他の参加者の選択によって自分の利得そのものは変動するので、参加者と情報交換し協調行動すればどのメンバーにとってもより有利な選択状態があったとしても、その状態にならないことはある。
例えば、道路を複数の車両が通る場合、安全で短時間に目的地に到達しようと各車両が運転する場合、安全は保てても、全体としては徐行運転と一旦停止が頻発します。この状態がナッシュ均衡でしょう。 左側通行と優先道路の決まりをつけるだけでも、一層の安全と一層の短時間到達が達成されます。 さらに信号機をつければ、パレート効率のような状況になります。各車両はこの決まりを厳守することをパレート効率・パレート最適と思い込むことが多いです。 しかし、このパレート効率は、通行状態に応じた信号運用やレーンの変更状態に比較すれば、全体最適とはかけ離れた状態です。
 
囚人のジレンマ
他の参加者の選択意図を推定し、他の参加者の選択しそうな条件下で自分の利得が多くなるように/自分の損失が小さくなるように考えてもっと有利な選択をする。 他の参加者も同様にする。
他の参加者の選択次第で自分の有利不利が反転するとなると、(他の参加者の選択行動が既定・所与ではないので)自分が何を選択するべきかは、合理的には決めきれず、いわゆるジレンマ状態になります。
他の参加者の選択意図を推定・憶測しての自己選択になるので、得の領域では低い確率を高く見積もり、損の領域では高い確率を低く見積もる心理傾向が働いたり、損失回避/リスク回避の心理傾向が出るので、ことはやっかいです。
選択の結果が得の大小に影響する場合は、発現可能性が低く場合でもそれに賭けて得の多そうな選択肢を選ぶ場合、信頼や慎重などの生活信条をベースに選択肢を選ぶケースも増加します。
ただし、囚人のジレンマの例題で示される条件の場合は、どちらにしても損失の選択を求められるので、確率の計算や信頼のことはウエートが落ちて、自分の最大の危険を避けることを優先して状況判断し選択する傾向が強くなります。この選択傾向が固定的ならば、「自分の最大の危険を避ける選択肢を参加者は選ぶ」がナッシュ均衡になります。
しかし、「意図を推定し」という「推定」は数学的なものではなく、憶測なので、色々な事情が絡んで来ます。その結果、自分の最大の危険を避けることを優先して状況判断し選択する傾向が強くなるとは限らず、状態次第のような案配になります。状況次第、気分次第、認知期次第のようなものですから、もはやナッシュ均衡と呼べるものではなくなります。
しばしば例に出されるのは、値下げ競争で利益を失い経営悪化させる例です。
裏切り戦略でも、相手と同じ手を取る様子見戦略でも、損得経験での切り替え戦略でも、いづれにしても、囚人のジレンマは、経済価値や数値データの比較では、選択が決まらないことの例です。
正義ぶるバッシングや健康被害に関する強いこだわり、道徳律や公正感の増大も、強いプライドや参加者との相対勝負や優劣への強いこだわりも、経済価値や数値データの比較に基づくナッシュ均衡やパレート効率では説明出来ない状態を出現させます。
「相手に負けるくらいなら、大きな損をしてもかまわないから勝とうとする行動」は、経済活動でも、政治活動でも、その他の社会活動でも、よく見かけることだと思います。
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webサイトなら、次のサイトが分かり易いと思います。(上記の回答よりずっとわかる)
パレート効率 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AC% …
ナッシュ均衡 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%83% …
囚人のジレンマ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9A%E4%BA%BA% …
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この回答へのお礼

ご丁寧な書き込み、有難うございます。また参考URLも有難うございます。
お礼の入力が遅れましたこと、失礼をお許し願います。

お礼日時:2012/03/20 15:04

囚人のジレンマの唯一のナッシュ均衡、(自白, 自白)、はパレート最適ではありません。


理論も何も、単に囚人のジレンマ、ナッシュ均衡、パレート最適性の定義からの直接の帰結です。
各プレイヤーについて、相手の戦略を固定した上での最適な戦略を考えるのと
プレイヤー達の戦略の組を丸ごと動かしてパレート最適性を考えるのとでは
定義の違いは一目瞭然で、一般には両者の間に一致も包含関係もないことは明らかだと思いますが。
どの辺で混乱されるのですか?
サイトは知りませんが、サイトを見て信じ込むのはあまりいい勉強方法だとは思いません。
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