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No.1
- 回答日時:
保存力のする仕事が経路に拠らないということが何を意味するのかを、考えてみましょう。
保存力のする仕事が経路に拠らないということは、仕事が、出発点と到達点の座標だけに依存するということです。言い換えれば、保存力は、位置座標に依存した力だということ、もっと言えば、空間の任意の点で、保存力の向きと大きさが決まっているはずだ、ということです。
たとえば、物体がどんな方向から点Pにやって来たとしてもP点に来たときにそこで受ける保存力は、大きさも向きも常に同じだということです。
空間の任意の点で、その力を表すベクトルが一意に決まっていることが、力が保存力であるための必要条件なのです。
ところが、摩擦力、張力、垂直抗力などの力は、物体の"位置座標"に依存する力ではありませんから、非保存力です。
「保存力ならば、位置座標に依存する。」
という命題が真ならば
「位置座標に依存しないならば、保存力ではない。」
という命題も真です。
実際、物体がどの方向からやってきたかで、物体がP点で受ける摩擦力は(大きさが同じだったとしても、)向きは異なるはずです。
物体を糸で引いてきた場合でもそうです。物体をP点まで引っ張ってきたとき、どの方向からP点に来たかで、張力の方向は異なります。
つまり、物体の位置がわかっていても、摩擦力や張力は決定できないのです。
垂直抗力は、仕事をしない場合が多いので、ピンときにくいのですが、仕事をする場合があります。
傾斜θの斜面を持った可動台を滑らかな水平面上におき、その斜面に物体を置いてみると、両者は動き出します。斜面から受ける垂直抗力は斜面に対して垂直ですが、物体の移動方向はθの方向ではありません。可動台が動いているためです。このため、移動の方向と垂直抗力とは直交せず、仕事をしていることになります※。
垂直抗力は、傾斜θに依存するでしょうが、物体の空間位置で決まるものではありません。ですから、垂直抗力も非保存力です。
※ 物体が、滑らかな斜面から受ける垂直抗力Nがした仕事をWとします。一方、作用反作用の関係から、斜面(台)もNの反作用N'(こちらは斜面に働く垂直抗力です)を受けます。このN'も仕事をしますがその仕事は-Wとなります。このため、N,N'の仕事の合計は0となり、垂直抗力の仕事は(トータルとして)0となります。
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