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No.2
- 回答日時:
憶測なんですが、その出題の意図は、電気力や磁力(電磁場)は近接作用である事をわかってくれ、というものではないでしょうか?。
近接作用に対しては微分形の法則(ガウスの法則)がふさわしく、遠隔作用にに対しては積分形の法則(クーロンの法則)が便利です。・・・で、時間は?となるわけですが・・・。静電場に限ればクーロンの法則から、ガウスの法則と電場が保存場である事、
ε0・divE=ρ (1) (ε0:真空の誘電率,E:電場,ρ:電荷密度)
rotE=0 (2)
を導けます。逆に(1),(2)を単位電荷に適用すれば、クーロンの法則が出てくるので、(1),(2)のペアとクーロンの法則を同等と考えてもそんなに間違いではありません。微分形にするか積分形を用いるかは、数学的趣味の話になります。ただしこれは、「静電場に限れば」です。
電荷が時間変動を起こす場合、時間変動の影響は有限の速度で伝播するので、厳密にはクーロンの法則は成り立ちません(それが電磁場です)。
電荷が時間変動しても、もしクーロンの法則が成り立つなら、
E(x+r,t)=1/(2πε0)×q(x,t)/r^2 (3)
になります。ここでq(x,t)は位置xにある時間tに依存する電荷です。x+rはxからr離れた地点を表し、rの角度成分は省略しました。(3)を見ればわかるように、クーロンの法則は遠隔作用です。xの地点の変動の影響が、r離れた場所へ、一瞬でとどくからです。さらに(3)は、時間変動の結果だけを与えて、変動の伝播機構を全て隠している(ブラックボックス)という意味において、積分法則です。変動がx+rに達するまでの、変動の伝播機構の積算結果だけを述べているからです。
電場(電磁場)を近接作用と認めても、もちろん積分法則は可能ですが、素直ではありません。遅延ポテンシャルなどを用いた複雑極まりない式になり、とても法則とは呼びたくありません。伝播機構そのものを、近接作用のカラクリを直接扱わないからです。次式はたんなるイメージですが(もちろん嘘)、ざっくり書けば、
E(x+r,t+T)=1/(2πε0)×q(x,t)/r^2 (4)
みたいな式になります。(4)の左辺のTは、xにおける変動が地点x+rに伝わるまでの遅延時間です。
電場(電磁場)を近接作用と認めるなら、変動の伝達機構そのものを扱うべきです。それは無限小距離にある2つの地点間で成り立つ、微分法則であるべきです。
ε0・divE(x,t)=ρ(x,t) (5)
rotE(x,t)=0 (6)
(5),(6)は、無限小距離にある2つの地点の間の話なので、電場の発生源が時間変動を起こしたところで、その場のその瞬間の状況を述べてただけであり、rやTは不要です。もちろん(5),(6)だって仮定であり、最後は実験で検証するべきものではありますが、(4)のような形よりは、遥かに時間変動に適応しやすいと思えませんか?。近接作用(伝達機構)そのものを扱かおうとしたからです。
自分も砂川先生の本は読みました。そこには確かに、(5),(6)を基本法則として認める(仮定する)と書いてあります。でも全体の趣旨は、近接作用か遠隔作用か?というところに、けっこうなページをさいている気がします。
というのは、電磁現象を、近接作用と捉えるか遠隔作用と捉えるかは、電磁気学の発展史においてけっこう根深い話だからです。近接作用の考えは、場の概念を導き、電磁気学は近代物理における最初の場の理論と認められます。こういう風に考えると、(4)の類と(5),(6)のどっちを選択するかは、とても数学的趣味では済ませられなくなると思います(積分法則をとるか、微分法則をより基本的と考えるか)。
もっとも講義した先生が、その点に関してどれくらい本気かはわかりません(^^)。たんに問題意識を提起しただけかも知れませんよね?(^^)。
ただこういう事は、ときどき思い返しても悪くないと思うんです。電磁気学は数式も多く、初見ではけっこう難しい数学も使うので、いつのまにか物理的背景を忘れ、計算職人になったりするので。それはそれで必要なんですが・・・(^^;)。
No.1
- 回答日時:
電磁気学の講義では,静電場から入って数学的な定理とからめて微分形のGaussの法則
divE(x)=ρ_e(x)/ε_0
に到達します.これを時間変化する電磁場でも成り立つとする.
divE(x,t)=ρ_e(x,t)/ε_0
これは基本法則だから原理みたいなもの,私は大学のときは確かそう理解していました.
ここに砂川先生の電磁気学の本がありますがそこにも「基本法則とする」としてあります.
あえて理由を言えば,自然がそうなっているからではありませんか.Maxwellの方程式を出発点として電磁現象の実験事実を説明できればそれは正しいとする.
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